【簡単にご紹介！】リスクマネジメントの意味とは何なのか

今回はリスクマネジメントについて紹介していきます。企業は経営をしていく中であらゆるリスクをはらんでおり、それについてしっかりと把握し管理していかなければなりません。

多様化する現代、日々変化するネットワークの時代において、リスクマネジメントは欠かすことのできない経営管理手法です。具体的に見ていきましょう。
 

そもそもリスクの意味とは

「リスクマネジメント」という言葉は「リスク」と「マネジメント」という二つの言葉からできています。

「リスク」とは何かと聞かれたとき、「危険」や「危機」といった言葉を思い浮かぶ人が多いかと思いますが、もう少し詳しく見ていきましょう。

マネジメントするべき「リスク」とはいったいなんなのでしょうか。

リスクは勿論、「危険」という意味でよく使われます。ですがそれだけではなく、他に「予想通りにいかない可能性」＝「不確実性」という意味があります。

投資の世界では為替リスクや信用リスクといった言葉がありますが、「危険」というよりも「予想通りにいかない可能性（不確実性）」という意味で使われています。
 

リスクをマネジメントし回避または軽減するという意味

リスクがわかったところで、本題の「リスクマネジメント」の意味に迫ります。

リスクマネジメントとは、「リスク」を「マネジメント」し「回避または軽減すること」をいい、発生しうるあらゆる危険により被る損害を、最小限の費用で効果的に対応するための経営管理手法です。

多様化する現代社会において、従業員のコンプライアンス違反や取引先の倒産で思わぬ損害を被り、予測していなかった経営危機に陥ることがありえます。

そういったリスクに対応するためリスクマネジメントの重要性が脚光を浴びるようになり、専門の部署を配置する企業も増えてきています。

リスクマネジメントの類義語をいくつか見ていきましょう。その違いを把握することで、リスクマネジメントについてより理解が深まると思います。
 

類義語1. リスクヘッジの意味とは

リスクヘッジとは株式や為替取引で使用される言葉であり、発生しうるリスクの程度を予測し、前もってそれに対応しておくことです。

たとえば、相場の変動で生ずる損失に備え、先物(さきもの)で売買しておくことをいいます。

「リスク」を「軽減」させることなので、リスクヘッジもリスクマネジメントの一つといえるでしょう。
 

類義語2. 危機管理

リスクマネジメントが将来起こりうる危険を回避または軽減しようとするのに対して、危機管理はすでに起こってしまったトラブルに関して、被害を最小に抑える管理をすることをいいます。

たとえば、自然災害（地震や大雨など）が発生した時に従業員の安全を確保することや、或いは従業員がSNSに投稿して炎上した際に適切に対応することなどが危機管理に該当します。
 

類義語3. ライシスマネジメント

リスクは予想通りにいかない可能性のことをいいますが、その中でも可能性が低いものをクライシスといいます。クライシスマネジメントは可能性が低い物事も管理していくことです。

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実際に、リスクマネジメントがどのように行われるのか、そのプロセスを確認していきましょう。

プロセスの意味を理解することも大切です。
 

リスクを見つけ出す

最初に行うプロセスは、「リスクを見つけ出す」ことです。リスクを把握しておかなければ対応することができません。

可能な限り全ての部門で考えうるリスクを話し合ってもらい、多くの意見を挙げてもらうことが大切です。

たった一つの小さな見落としが経営危機に繋がることも考えられるので、ちょっとしたことや些細なことでもまずは幅広くリスクの意見を集めましょう。
 

リスクを詳しく分析する

リスクを抽出したら、次に分析をします。一つ一つのリスクが「どれほど企業に影響を与えうるか」と、「起きうる可能性」について具体的に考えていきます。

倒産の可能性など重度な物から、あまり影響がなさそうな軽度なものまで、可能な限り「影響度」を具体的にし、その可能性を分析します。
 

但し、具体的に金額やパーセンテージにして影響度や可能性を考えるのが難しいケースもあります。その場合は他のリスクと比較して位置づけを明確にしておくことが重要です。
 

リスクに対応する

リスクを見つけ出し、分析が終わったら、実際に対応していきます。すなわち、リスクに対する具体策を考えます。代表的なものに4つの方法があります。
 

• ①リスクを軽減させる方法
  リスクの軽減とは、リスクが発生した後にどのように対応すべきか、そのマニュアルを作成しておくことでリスクを軽減させることです。
   
• ②リスクを移転する方法
  リスクの移転とは、保険や保証をかけておくことにより災害やトラブルが発生した際に第三者に対応や弁償を負担してもらうようにすることです。
  
  リスクを他社に移転します。保険料などのコストをかける分、万が一の場合に大きな安心になります。
   
• ③リスクを容認する方法
  リスクの容認とは、日常のリスクをある程度許容した上で、それ以上リスクが拡大しないよう最小限の対処をとっていくことです。
   
• ④リスクを回避する方法
  リスクの回避とは、リスクが発生する可能性を取り去ることです。
  
  リスクとなりうる要因を停止もしくは全く違うものに変えることで、たとえば事業を売却することや事務所を移転するなどの方法があります。

リスクマネジメントが実際に行われる事例として3つのリスクを挙げていきます。
 

使用事例1. 情報漏洩のリスク

一つ目は、情報漏洩のリスクです。個人情報を大量に保管・管理する企業において、情報漏洩のリスクは確実に抑えていかなければなりません。

人為的なミスやサイバー攻撃によるものなどリスクは潜在していますが、個人情報の漏洩により信頼・信用の失墜となりますのでセキュリティ対策は万全にしておく必要があります。
 

使用事例2. 自然災害によるリスク

二つ目は、自然災害によるリスクです。地震や大雨、火事や津波など、自然災害の発生は予測が難しいですが、発生した場合にどのような対応を取るべきか対策しておくことが大切です。

社内で対応ルール、行動マニュアルを作成しておくことや、飲料水や非常食の備蓄をしておくことが対策になります。
 

緊急時の対応などのリスク

三つ目は、緊急時の対応などのリスクです。

先ほど挙げたような自然災害が発生した場合、国や公共機関の情報伝達を優先させるため携帯電話やインターネットなどの通信が局地的につながりにくくなることがあります。

風評被害や確証のない噂が一人歩きすることで二次災害が発生する可能性を考えておかなければなりません。

以上、リスクマネジメントについて紹介しました。類義語との違いをしっかりと把握し、リスクマネジメントのプロセスを理解し実践することが大切となってきます。

経営者だけでなく、従業員一人一人の意識が企業存続の鍵となりますので、リスクマネジメントの考えをここでしっかり理解しておきましょう。