【ケースメソッドとケーススタディの違いとは？】それぞれの特徴と相違点

「ケースメソッド」「ケーススタディー｣の用語がありますが、相違点はどこにあるのでしょうか？

｢ケースメソッド｣は企業研修として注目されている学習手法の一つで、自己研究と討議･議論よって構成され能動的に学習に取り組みます。
 
そのため、実践能力とリーダーシップ能力などの非認知能力が身に付くようです。

｢ケースメソッド｣に似ている研修･学習手法に｢ケーススタディー｣があります。｢ケーススタディー｣は受動的な学習手法で｢ケースメソッド｣とは大きく相違します。 

ケースメソッドの特徴

｢ケースメソッド｣の特徴を説明します。

｢ケースメソッド｣は、実際に起きた事例をテーマ題材にして、あらゆる事態に適した最善策を討議･議論して、学習者が答えを導き出す教育・研修手法です。
 
｢ケースメソッド｣の目的は、分析能力･洞察能力、戦略構築能力、論理的思考能力などの経営者･実務リーダーに必要な能力を疑似体験することにあります。リーダーシップに必要な能力は、座学だけでの習得は厳しく、実務経験を反復訓練することで養われます。
 
｢ケースメソッド｣研修は、企業の経営者･管理職レベルで直面した具体的な事例が取り上げられて具体事例に沿って研修方法で疑似体験を実践します。疑似体験は、実際の現場で同様の問題が起きた場合に、迅速な意思決定と迅速な対策を実践する能力を養います。
 

ケーススタディの特徴

｢ケーススタディー｣｢ケースメソッド｣は企業の研修で導入させる手法です。

｢ケーススタディー｣は｢ある出来事(ケース)｣から学ぶべき事項を特定して、その事項に関して理解能力を支援する解説資料などを講習元が用意し、学習者は主に講義･座学で受ける方法です。
 
｢ケーススタディー｣は｢教えてもらう｣という受動的の方法で進行するのに対して、｢ケースメソッド｣は意図的に構成された教材を用いて、学習者同士の討議･議論を繰り返すことで実践力を身に着ける方法です。
 
｢ケースメソッド」の「ケース」は｢事実｣に限定され、該当の｢ケース｣から学ぶべき事項である知識･理論など研修を受ける学習者が自ら考えて作り出していきます。｢ケースメソッド｣は学習者自身が主体になり能動的に学ぶ方法です。

｢ケースメソッド｣｢ケーススタディー｣のそれぞれの相違点を紹介します。

｢ケースメソッド｣は事例･判例(ケース)を題材にした研修方法です。
 
｢ケースメソッド｣は、現実社会で生じる課題に対して、リーダーが如何に振る舞うかを考える法学部･医学部･経営学部などでは必須の手法となっています。｢ケースメソッド｣教育が世界で最初に行われたのはアメリカの｢ハーバードロースクール｣でした。
 

学習者が能動的に学んでいくスタイル

｢ケースメソッド｣は研修者･学習者が能動的に能力を習得する手法です。当初は時代･国家が異なれば｢Yes/No｣が逆転することも珍しくない法曹界の世界で、当時の当事者ならどう判断する？という問い掛けを参加者に投げかける教育スタイルでした。
 
｢ケースメソッド｣方式が広まって、法学･医学･経営学など実践的な教育を行う教育機関で｢ケースメソッド｣が導入され、今やビジネススクールで｢ケースメソッド｣方法は不可欠な存在になっているようです。
 

ディスカッション＋事例研究がケースメソッドの学習方法

｢ケースメソッド｣は討議･議論(ディスカッション)と事例研究を主にした能動的な学習です。｢ケースメソッド｣に対して｢ケーススタディー｣は講習の主催者が用意したテキストを基に講義を受ける受動的な学習です。
 
｢ケースメソッド｣｢ケーススタディー｣ともに事例･判例(ケース)を題材に学習することに変わりはありません。重要なことはこの｢ケース｣の登場する主人公になり、そこの描かれている意思決定課題に｢自分自身の判断と対策･行動｣を経験するリーダーの姿勢を学習します。

｢ケースメソッド｣は主人公となり学習しますが、｢ケーススタディー｣は主人公を見て模範的な対応策を学習します。

｢ケーススタディー｣は、ある具体的な事例の分析によって、その背後にある原理や法則性などを究明し、一般的な法則･理論を発見しようとする方法を教えて貰う学習方法です。
 

学習者が受動的に学んでいくスタイル

｢ケースメソッド｣と｢ケーススタディー｣は能動的に学習するか？の相違点があります。｢ケースメソッド｣は事例･判例(ケース)を題材に対して、問題解決の主人公となることを目的に学び･気付きを習得します。
 
｢ケースメソッド｣に対して｢ケーススタディー｣は事例･判例(ケース)を題材に基づき一般的な対応策･理想的な理論を客観的に学び、主人公にはなりません。一般的な方法を講師から取得する学習方法です。
 

講義＋座学がケーススタディーの学習方法

｢ケーススタディー｣は講義を受ける座学が主にして学習します。｢ケーススタディー｣は第1に理論や考え方などを学習したあとに、それらがスムーズに的確に使うことができるよう実践演習することです。
 
第2に、あるテーマ題材に思考及び討議して、これまでの自分に無かった考え方や考え方の偏りに気付くこと(発見･再発見すること）です。受講生の学習段階や研修目的によって、これらのどちらの目的を目指すかを使い分けているようです。

｢ケースメソッド｣と｢ケーススタディー｣を行う意味を紹介します。｢ケースメソッド｣は事例･判例(ケース)を題材して自分自身が主人公になり問題解決をしていきます。
 
｢ケーススタディー｣は事例･判例(ケース)を題材にて問題解決する主人公の行動･模範的な問題解決方法を座学で習得することに相違があります。
 

ケースメソッドは実践力やリーダーシップの養成に役立つ

｢ケースメソッド｣は数多くの同じような問題を取り扱うことで、精神面が鍛えられます。疑似体験によって｢習慣｣を育成されて、どんな事例･判例(ケース)でも問題解決能力を養います。
 
また、OJTなどは、先輩の行動を見ながら実際に就労しながら会社のルールや社会人としてのあり方を学びます。経験したことがあれば、落ち着いて対処できるものです。なんの経験もせずに、いきなり本番に飛び込むのと、疑似体験や類似体験をして本番に挑むのとでは大違いになるようです。
 

ケーススタディはリスク回避や新しいアイディア作りに役立つ

｢ケーススタディー｣はリスク回避方法と新しいアイディア作りに役立つと言われています。｢ケーススタディー｣によって得るイノベーションは、何かと何かの組み合わせと言われています。既存のアイディアを組み合わせする方法でイノベーションを創世するようです。
 
新しいアイディアが世の中にインパクトを与えることができるかどうかは、既存のアイディアの組み合わせ方次第であると言えます。そこで活躍する方法が｢ケーススタディー｣で、大量に蓄積することで、組み合わせられる要素を大量に仕入れることができるようです。

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｢ケースメソッド｣は事例･判例(ケース)の問題解決をする主人公になる能動的な手法です。

｢ケーススタディー｣は事例･判例(ケース)の問題解決をする主人公の模範的な対応策･理想を聞く受動的な方法です。

主人公になるか？主人公を見るか？によってスキル能力が大きく変わっていくようです。