【チェンジマネジメントの手法】8つのステップを徹底解説致します

チェンジマネジメントとは変革を効率よく導くためのマネジメント手法のことです。

組織が成長し続けるためには、時代に合わせた変革が不可欠となり、チェンジマネジメントは近年大きな注目を浴びています。

この記事ではチェンジマネジメントのプロセスを解説していきます。

成功させるための手法として有名である

チェンジマネジメントとは、チェンジマネジメントは組織の変革や成長を導く個人に起こりがちな心理的抵抗を和らげて、組織変革をスムーズに進めるために個人をサポートする心理的なマネジメント手法です。アメリカで発明された手法であり、組織を成功に導くアプローチとして有名です。

1990年初頭にアメリカで発明され、当時不況にあったアメリカの経営の抜本的な改革手法として有名となったBPR（Business Process Re-engineering）を成功させるために、チェンジマネジメントは開発されました。

BPRとは、プロセスの観点から業務フローや組織構造、システムなどを振り返り、再構築したうえで業務の改善を図ることを指します。
 

ジョン・コッター氏と「8段階のプロセス」について

組織改革に関する世界的に有名な人物として、ジョン・コッター氏が挙げられます。

ジョンコッターは、チェンジマネジメントを成功に導くためには具体的なプロセスを経る必要があると考え、プロセスを8つの過程に分けました。これは組織改革に必要な「8段階プロセス」といわれています。

現在ではこの8段階プロセスが、チェンジマネジメントの代表手法として多くの人に認識され、多くの企業が取り入れています。

「8段階のプロセス」が生まれた経緯について

組織にはさまざまな思考の人間が存在し、中には変革を好まない保守的な人もいます。

保守派の意見によって組織の変革が妨げられる可能性もあり、チェンジマネジメントは保守派の人間も含めた社員全員が変革に適応できるように促し、変革を効率良く進めていきます。

8段階プロセスが生まれた背景にはこのチェンジマネジメントを円滑に進めていくために必要だったという経緯があります。

チェンジマネジメント手法の最初の3ステップは以下の通りです。

• 危機意識を高めること
• 変革推進のための連帯チームを築くこと
• ビジョンと戦略を生み出すこと

1「危機意識を高める」について

危機意識は、チェンジマネジメントを行う上で最も大事な部分といえるかもしれません。コッター氏によると、変革に失敗する企業の50%が、危機意識の時点で失敗していると言います。

変革の意識を社員に理解してもらうためには、社会・マーケット・競合他社の分析をしたうえで、自社のこのままの状況で年月を重ねた場合どのような危機的な状況に陥るのかを、根拠と併せて提示する必要があります。

2「変革推進のための連帯チームを築く」について

危機意識を高めた後は変革推進のチームを築きます。

ここで重要になってくるのは変革チームの人選を間違えないようにするということです。

チームに必要なのは、変革内容について能力が高いこと、企業内で影響力のある人間であるということです。

今後チェンジマネジメントを成功に導くにはどちらの存在も欠かせないものになります。

3「ビジョンと戦略を生み出す」について

次のステップはビジョンと戦略を生み出すということです。

これは最初の危機意識を高めるという行為に対してどのように変革を進めるのかを提示する重要なプロセスとなっています。

優れたビジョンは誰もがイメージが目に浮かぶくらい明確であり、人々から待望されるということはもちろん、実現可能であるのかという点なども重要となっていきます。

また戦略はそのために必要な方針や方向性を表すものとなります。

ここまでのプロセスが完了すれば実際に行動へ移していくプロセスになっていきます。

ビジョンや戦略が明確なものとなれば、次はいよいよ行動に移すプロセスに移ります。

• ビジョンの周知徹底
• 従業員の自発を促す
• 短期的な成果を実現する

4「変革のためのビジョンを周知徹底する」について

4つ目のプロセスで、いよいよ従業員に変革のビジョンを周知徹底することになります。

この際に重要なのは、ビジョンを知ってもらうだけではなく、ビジョンに対する理解を得るということです。

理解を得られなければ行動に移すことはできません。ビジョンは分かり易く明確なものにすることが非常に重要となります。

5「従業員の自発を促す」について

従業員からビジョンの理解を得た後は、自発的に行動してもらう必要があります。

自発的に行動してもらうためには3つのポイントがあるとされています。

• 必要な行動を具体的にリストアップすること
• 行動に対して、評価・賞賛・承認される制度を設置する
• 推進者がしっかりした手本となる行動をすること

従業員に行動してもらうにはまず自分が動くようにしましょう。

6「短期的成果を実現する」について

取るべき行動に関して、短期的な目標を設定したうえで実行していきます。

行動に移しても、継続できない結果に終わっては意味がありません。

短期的な成果を実現するということはチェンジマネジメントを成功させるためには欠かせない要素です。

実際に行動したら振り返りをして、軌道修正をする必要があります。

チェンジマネジメントの最後の2つは振り返りのプロセスとなります。

7「成果を活かして更に変革を推進する」について

この段階ではビジョンの実現に対する軌道修正を行います。

教育や人材登用、制度改革といった手段で改善や修正を加えていくことで目標を達成し続けることが可能となります。

8「新しい手法を企業文化に定着させる」について

チェンジマネジメントの最終段階では、ビジョンを企業に根付かせることです。新しいビジョンやフローは、一度実行しただけでは定着はしません。

フローごとに有効なプロセスと、得られた結果を明確にし、その方法を社員に周知徹底します。この過程を根気よく行うことで、新しい手法が企業の文化として定着していくことになります。

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実際にチェンジマネジメントを採用して成功した企業はたくさんあります。

ここでは具体的に2社みていきます。

「日産自動車」について

日産自動車はリバイバル・プランとして低迷にあった会社をカルロス・ゴーン氏主導でチェンジマネジメントを行います。

結果としては1年で業績をV字回復させたことで大きな注目を浴びました。

このときに行ったことは徹底的に無駄なコストを省き、稼働率の低い工場は閉鎖しました。

また、リストラも行い、1兆円規模のコスト削減に成功しています。

チェンジマネジメントが成功した最たる例と言えます。

「Google Cloud」について

Google Cloudもチェンジマネジメントを実践した企業です。

Google Cloudはなぜ変化が必要なのかを伝え、トップ層がプロジェクトを先導し、社員のコミュニケーションを積極的にとりました。

また、支援してくれる人を誠心誠意でサポートし、賞賛するという行為をとっています。

まさにチェンジマネジメントに必要な要素がそろったプロジェクトということができます。

本記事ではチェンジマネジメントについてみていきました。

ジョン・コッター氏と「8段階のプロセス」は実際に使用されており、有名企業でも成果をだしています。

チェンジマネジメントについて気になっている人の参考になれば幸いです。