
【フレームワーク思考とは】ロジカルシンキングやMECEについて
ビジネスを行う上で「どうやったら集客できるの?」と考えるとキリがないですし、考えた結果、どうしていいのかわからないということも少なくありません。しかし、そういった考えるべきポイントをパターンとして落とし込み、誰でもできるようにしたものが フレームワークです。今回はそのフレームワークという言葉に注目して、フレームワークの意味や種類など、解説していこうと思いますので、是非参考にしていただければと思います。
フレームワークについて
グローバル化が進み、英語をもとにしたビジネス用語が多用されるようになりました。ビジネスを効率的に進め、結果を出していくために、「フレームワーク」は重視されています。
今回は、「フレームワーク」の意味やその思考、そして関連するビジネス用語をご紹介します。
フレームワークとは?
フレームワークとは、もともとはIT業界のデジタル用語として主に使われていました。
システム構築をするための基盤・ソフトウェアのことを指しています。
そこから転じて、ビジネス用語としては、複数人の間で共通認識として用いることができる考え方・分析・意思決定などの枠組み・ひな形となるものを表します。
フレームワークの意味
フレームワークの意味そのものは、英語の「framework」からきています。Weblio英和辞典によると、「framework」には次のような意味があります。
- (建築などの)骨組み・枠組み
- (組織・観念などの)構成・体制
ビジネス用語としては、2つ目の「組織・観念などの構成・体制」という意味がメインとして使われていることがわかります。
フレームワークの種類
フレームワークは、さまざまな目的で活用される「思考の枠組み」ということで、場面に応じてさまざまなフレームワークを使うことが有効とされています。
ここでは、目的別のフレームワークの具体例を確認してみましょう。
<状況分析のためのフレームワーク>
・3C分析
これは、「Company(自社)・Customer(顧客)・Competitor(競合)」という3つの視点から自社の現状を分析するという、戦略を構築にも活用できるフレームワークです。
・ロジックツリー
名前の通り、論理的に問題点を「枝分かれ」させ分析していく方法です。
「なぜ?」を繰り返し、根本にある問題点を明確にしていきます。
<戦略構築のためのフレームワーク>
・TOWS分析
「T(Threat脅威)・O(Opportunity機会)・W(Weakness 弱み)・S(Strength 強み)」の4つの要素を縦横(TOを横軸・WSを縦軸)に配置しそれぞれの枠を埋めていくことで、戦略を組み立てていく方法です。
<企画開発のためのフレームワーク>
・STP戦略
「Segmentation(市場の特定)、Targeting(対象の特定)、Positioning(需要・提供可能なメリットの特定)」の3点を段階的に考えていくことで、新たな市場開拓などの企画に役立てることができます。
<計画実行のためのフレームワーク>
・PDCA
ここ数年、頻繁に使用されるようになりました。
「Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)」の流れで計画・業務を実行することが効率的として、新人教育で指導する企業も多くあります。
フレームワークの思考について
あらゆる目的で活用されている「フレームワーク」。
ビジネスシーンでは、常に個人ではなくチーム・企業・業界・社会と複数の異なる経験値をもつ人と共同作業をすることで成果を上げていくことが求められます。
そのような場面こそ、「フレームワーク」が効果を発揮します。
ここでは、実際にフレームワークを活用する方法について確認してみましょう。
フレームワークの思考とは?
フレームワークは、あらゆるのものの枠組みを指しますが、その中でも「思考」のベースとして活用されることが最も一般的です。
複数の人間がそれぞれの経験則や感覚でやみくもに思考を展開するよりも、共通の枠組みを使用して多角的に整理して思考をまとめることが可能になります。
フレームワークでビジネスモデル構築
新たな事業展開を考えるときに検討しなければならないのがビジネスモデルです。
ビジネスモデル構築の場面でも、フレームワークはとても有効なツールになります。
ここでおすすめするのが「ビジネスモデルキャンバス」というフレームワークです。
これは、ビジネスに必要とされる要素を9つに分類し、それぞれを整理して考えることで全体を俯瞰視したモデルを構築することが可能になります。
フレームワークで売上分析
フレームワークが有効な目的の代表的なものに「分析」が挙げられます。
例えば、売上分析は、新商品開発や市場拡大などにつながる重要な作業です。
ここで「プロダクトU&E」というフレームワークをご紹介します。
これは、特定の商品の売上をU&E(Usage & Establishment)つまり使用実態をもとに分析するということです。
顧客のU&Eを「認知・トライアル・レギュラー」の3つの顧客ステータスの観点で分析すればいいのです。ある商品が「認知」され、「試用(トライアル)」され、そして「レギュラー(固定化)」するというフローを枠組みにして分析する方法です。
ロジカルシンキングについて
考え方や意思決定の枠組みを指すフレームワークのツールのひとつに、社会人の必須スキルとして捉えられるようになったのがロジカルシンキングです。
ここでは、ロジカルシンキングの意味と、どのように活用するのかについて確認してみましょう。
ロジカルシンキングとは?
ロジカルシンキングとは、英語の「logical thinking(論理的思考)」からきており、「筋道を立てて、仮説と検証の繰り返しで結論を導き出す」思考法です。
ある問題に対して、仮説を立て検証するための情報を収集し、問題そのものに対しての理解を深めて解決・結論へ結びつけるこの手法はさまざまな場面で活用することができます。
ロジカルシンキングのフレームワーク種類
ロジカルシンキングには、大きく分けて2つの種類があります。
-
帰納法的ロジカルシンキング
帰納法は、複数の実例を挙げて、その共通点から結論を導き出す方法です。
-
演繹法的ロジカルシンキング
演繹法は、ひとつの固定したルールやテーマに、実例をあてはめて、そこから結論を導き出す方法です。
ロジカルシンキングの例題
例えば、「男性向け敏感肌用化粧水を開発する」というテーマをロジカルシンキングの手法を取り入れる場合を考えてみましょう。
1. 帰納法
<実例>
- 敏感肌で悩む男性は一定数いて、男性向け製品の需要がある
- 男性向け化粧水の独占的競合はいない
- 自社で開発された技術を活かすことができる
<共通点>
自社にとって、市場でリードを取れる可能性もあり、男性向け敏感肌用化粧水は需要が見込める
<結論>
よって、男性向け敏感肌用化粧水を製品展開すべきだ
2. 演繹法
<ルール>
男性向け敏感肌用化粧水を開発する
<ルールにあてはめる実例>
敏感肌で悩む男性の8割が、男性向け製品を求めている
<結論>
よって、男性向け敏感肌用化粧水を製品展開すべきだ
MECEについて
コンサルティング業界では多用されている「MECE(ミーシー/ミッシー)」も、思考の手法として、ロジカルシンキングと並んで重要視されています。
ここでは、「MECE」の基本について確認しましょう。
MECEとは?
MECEは、英語の「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を撮ったもので、直訳すると「互いに重複がなく、全体として漏れがない」ということです。
一般的に「漏れなく、だぶりなく」と表現されることが多く、戦略用語・マーケティング用語として使われています。
MECEのメリット
何かの課題に対して、いかに効率的に効果的に解決方法を導き出すか、を考えた場合、まず全体を網羅することは不可欠ですが、もしその中に重複が存在すると、同じことについて改めて時間を割くことになり、課題そのものが曖昧になる可能性もあります。
複雑になりがちな大きな命題に対して、シンプルに全体像を意識しながら思考をすることができるMECEはとても有効な手法といえます。
MECEの基本的な考え方
MECEの基本的な考え方のベースは「細分化」です。
問題や課題を、「漏れなくだぶりなく」細分化していくことで、情報整理が可能になり効率よく問題解決が可能になります。
マーケティングだけではなく、事務や製造・研究などどの分野でもMECEの考え方を活用することができます。
まとめ
最近の新人教育では、特定の業種のマニュアルを学ぶことよりも、思考そのものの方法や業務の進め方について指導する時間を割く企業が増えてきています。
どのような場面でも、フレームワークをベースに進めることで、生産性を上げ効率化を図ることができることを、まず「知る」ことが重要なのです。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
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