ボーナスを貰えると気になるのは、その中から税金はどれほど引かれるのかということでしょう。実際に、ボーナス額は何十万、何百万単位でもらえることが多いため、税金が掛かるとかなりの額が差し引かれることになります。今回は、ボーナスと税金について調査しましたので、確認しましょう。
ボーナスから引かれるものは何か
ボーナスからは、税金や保険料が引かれます。引かれるものは以下の4つとなります。
以上のように、各種保険料と源泉所得税のみがボーナスから引かれる対象となります。ですので、前年1年間の所得を基に年間の納税額が決まる住民税はボーナスから引かれず、毎月の給与から引かれます。
また社会保険関連に関しては、一定の割合で引かれる額が決まっております。
以上の割合がボーナスの額面に対してかかる割合になります。
住民税は、前年1年間の所得を参考にして、納税額が決まります。
ですので、住民税はボーナスに関係なく、毎月同じ額が引かれるという仕組みになっています。
ただしボーナスが貰える月に税金が多く引かれてる場合、その月の支給額を常に貰っているとして一時的に計算するために引かれます。
ですが、年末調整に税金が多く引かれていることが分かれば、しっかりと年末調整で戻ってきます。
また、保険の支払いをボーナスが貰える月と合わせて半年払いにしている会社もあります。
その中でも税金は少し特殊な位置にあり、源泉所得税だけが差し引かれる所得です。
一般的には「ボーナスから税金がどのくらい差し引かれるか?」という表現をしますが、源泉所得税は前月分の前月の給与のうち社会保険料を控除した後の金額を基準とし、税率が決定されます。
また、扶養親族の数によっても変動があり、扶養親族が以内場合には6万8000円未満、扶養親族が3人いる場合では17万1000円までは所得税は課されません。
この基準を超えると、前月の給与と扶養家族の人数に応じて、2.042%〜45.945%の税率が賞与へ課されるというシステムです。
そのため、前月いくらの給与を手にしているかがボーナスの金額に大きく影響していることになります。
社会保険料や厚生年金保険料などの税金以外の部分でも差し引かれる項目があります。
あらかじめ計算方法を含めた確認をしておくとよいでしょう
ボーナスから社会保険料が引かれるようになったのは、平成15年に社会保険料が「総報酬制」に改正されてからです。
従来の社会保険料の特徴は以下のようになります。
ボーナスからは天引きせず、給料から社会保険料を支払うことで、従業員の給与の手取りは減るがボーナスの手取りが増えます。
企業側にとっても社会保険料を抑えることができ、節約ができたのです。
しかし、この制度ではボーナスを出す大企業とボーナスを出さない中小企業との間に、収める社会保険料に差が生じてしまいます。
この不平等を解消するためにボーナスから天引きするようになったのです。
源泉所得税がいくら引かれるかなどの細かい計算は、ボーナスの額面がわからなければ算出できません。
そのため、自分はどのくらいの金額をもらえるかという目安ともつために、事前に一般的な割合を把握しておきましょう。
扶養親族の数や月々の給与によって差はあるものの、額面の8割が受け取れる金額といわれています。
差し引かれる2割には社会保険料や厚生年金保険料などの金額も含まれていますので、口座に振り込まれる金額と考えて大丈夫です。
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新卒や転職などで就業から間もないような状況で、どのくらい振り込まれるか不安という場合には月々の給与から額面を算出し、その金額に80%の数字をかけることで大まかな目安とすることができます。
シミュレーションとして、ボーナスの支給額が100万円のケース、30万円・40万円のケースを取り上げましたが「自分の場合はどうなの?」と疑問をもつ方は、国税庁のホームページを確認するようにしましょう。
国税庁のホームページでは、扶養親族の数と前月の給与額で決められる源泉所得税をわかりやすく表で記載してくれています。
また、細かくボーナスの金額を計算する場合には、ボーナスの額面から社会保険料と厚生年金保険料を引いた金額から、源泉所得税を差し引かなければなりません。
そのため、社会保険料や厚生年金保険の率についても把握しておく必要があります。
6月や11月になるとボーナスの時期が近づいてきて、心踊る人も多いのではないでしょうか。
ただ、実際の手取り額については、ボーナスの明細を受け取るまでは確認することができません。
この手取り額についてですが、毎回、支給額に大きな変動がないのであれば、ある程度想定もできます。
変動がある場合は、手取り額が想定できず、色んな計画を立てることができません。
ここでは、基本給からおおよその手取り額を想定する方法などをご紹介致します。
多くの企業では、基本給に団体交渉で妥結し決定されたボーナス月数を乗じて、ボーナスの金額を決定します。
それに加えて、特別手当が支給されたり、業務査定で大きく金額が変動したりする場合もありますが、これらの金額から社会保険料と所得税を控除したものが手取り額となります。
実際にシュミレーションをしながら、手取り額を想定していきたいと思います。
それでは実際に具体例を挙げながら、ボーナスの手取り額をシュミレーションしてみましょう。
例)
基本給 200,000円 ボーナス月数 2ヶ月である場合
(額面金額は?)
200,000円× 2ヶ月=400,000円
(控除される金額は?)
◯雇用保険料
400,000円×3/1000=1,200円
◯健康保険料
400,000円×50.85/1000=20,340円
◯介護保険料
400,000円×7.85/1000=3,140円
◯厚生年金保険料
400,000円×91.50/1000=36,600円
社会保険料の合計は、61,280円となります。
次に所得税の計算方法ですが、
額面金額-社会保険料=338,720円
これが課税対象額となり、この金額に税率を乗じたものが所得税となります。
なお、賞与の所得税率を知るには、前月給与の課税対象額と扶養家族の人数が必要となりますので、前月の給与明細を用意しましょう。
次に、ボーナスを手取りで受け取った際、どの程度の金額になるのかを計算する方法をご紹介いたします。
ボーナスの手取りは平均して8割程度と言えます。
ですので、ボーナスのおおよその手取り金額を知りたい場合は、貰った金額×0.8をすると良いでしょう。
ボーナスの手取り額は、前月の給与や扶養人数によって変わってきますが、ボーナス全体の7.5~8.5割ほど受け取るのが一般的と言えます。
ボーナスの手取りの詳しい計算方法は以下の通りになります。
ボーナスの手取り金額
= ボーナス - 健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料+源泉所得税)
以上がボーナスの手取りの詳しい計算方法となります。
ただし、年4回以上のボーナスを受け取っている方は、ボーナスと月給を合わせた額から社会保険証を計算しなくてはいけません。
また各種社会保険料や源泉所得税の計算方法は以下の通りになります。
健康保険料
= ボーナス × 健康保険率 × 1/2
健康保険率は加入している組合や地域によって異なりますので、自分自身で確認する必要があるでしょう。
また、介護保険料を払う40歳以上になると、39歳以下の時と料率も変わってきます。
また健康保険料は企業と半分ずつ払うようになっているため、最後に1/2をかける必要があります。
厚生年金保険料
= ボーナス × 光線年金保険料率(0.183) × 1/2
厚生年金保険料率は、すべての人が一律で0.183%となります。
また厚生年金保険料も会社と半分スつ払うようになっているため、最後に1/2をかける必要があります。
雇用保険料
= ボーナス × 0.003
雇用保険料は、企業の事業内容によって変動しますが、ほとんどの場合0.3%となっています。
雇用保険料率は、毎年変わる可能性がありますので、詳しくは厚生省のホームページを確認すると良いでしょう。
※ 参考:厚生労働省 雇用保険料率について
ボーナスに対する所得税
= (ボーナス ‐ (健康保険料 + 厚生年金保険料 + 雇用保険料)) × 賞与に対する源泉徴収税率
ボーナスに対する源泉徴収率は、ボーナスを貰う前月と給与から社会保険料を引いた額と、扶養人数によって決まります。
詳しく調べたい場合は、国税庁のホームページを参考にすると良いでしょう。
※ 参考:国税庁 ホームページ
月々の給与とボーナスの額面のギャップが小さいほど、差し引かれる金額が大きくなるためお得感がなくなることがわかっています。
ボーナスの額面を給与1ヶ月分と定めているケースでは、年2回で60万円に源泉所得税がかけられます。
額面の総額が100万円で月々の給与が30万円の独身の方に課せられる税率が6.126%ですので、仮にボーナスの額が小さくとも課せられる税率は同じです。
計算方法としては、ボーナスが30万円の場合、30万円×6.126%=18,378円となり、30万円のボーナスのうち18,000円ほどの金額が源泉所得税として差し引かれます。
50万円のボーナスに対する3万円と30万円のボーナスに対する18,000円の割合の違いは、かなり大きく感じられるのではないでしょうか。
さらに、最近では業績の悪化からボーナスを減額する企業も少なくありませんので、月々の給与とボーナスの額面に差がつきにくい状況に近づいていると考えたほうが無難ともいえそうです。
年2回のボーナスで50万円ずつ、総額100万円が支給され、月々の給与が30万円だった場合にはいくらの税金が課されるのでしょうか?
独身で前月の給与から社会保険料を差し引いた金額が25万円〜30万円の場合には、6.126%の税率が適用されます。
そのため、50万円×6.126%=30,630円がボーナスから差し引かれる金額となります。
しかし、副業をしている方の場合は、また別の計算となるので注意してください。
また、社会保険料と厚生年金保険が差し引かれた後に、源泉所得税が課される順番になっていますので、厳密には差し引かれる金額が多少小さくなります。
ボーナスにも税金が課せられるようになったのは、総報酬制が導入された2003年4月ごろといわれています。
それまではボーナスは額面のすべてを手にできる給与と考えられており、差し引かれる金額が全くない対価とされていました。
ボーナスの大きさが社会的なステータスとして、今以上に影響していた時代といえそうです。
ボーナスの金額から差し引かれている額面を見てしまうと、多くの方は「税金が高い」と感じてしまいます。
しかし、月々の給与と比較しても課されている税金に住民税などが含まれていない分、課されている金額はボーナスのほうが小さいはずです。
それでも税金が高いと感じられる理由は、金額の大きい給与だからでしょう。
最近では少なくなってしまいましたが、月々の給与の2ヶ月分・3ヶ月分が一度に支払われるボーナスでは50万円や100万円など、非常に大きいと感じられる金額です。
もともとの金額が大きければ、税率が小さくても、差し引かれる税金は大きくなり、その結果税金が高いという感覚をもってしまうのでしょう。
しかし、損はしていませんので、そこはしっかりと理解しておきましょう。
ボーナスは金額が大きい割に課される税金が小さいため、一部では税制上お得な所得と考えられています。
しかし、税金対策といえるほどのものではありませんので、ボーナスを使って税金を節約しようとしないほうが無難といえます。
というのもボーナスをもらったタイミングだけを切り取れば、低い税率で大きい金額支給されます。
ただし、年収という長い期間で考えてみるとボーナスが大きいほど所得税が大きくなるため、翌年の税率も大きくなる傾向にあります。
もちろん、所得税の税率が変わるぎりぎりのラインを狙うことで税金対策とすることもできますが、注力すべきポイントとはいえません。
新入社員のボーナスは、夏のボーナスも寸志程度、冬のボーナスは全額であっても平均すると基本給の2か月程度です。
Q.皆さんの企業では、冬のボーナスの額はいくらくらいでしょうか?
しかし、ボーナスの支給額は、それぞれ10万円や35万円ぐらいあっても、実際に手にする「手取り金額」はそれよりも少なく7〜8割程度に下がってしまいます。
その理由は、ボーナスには税金がかかるだけではなく、保険料などが差し引かれたうえで振り込まれるからです。
ボーナスは基本給以外に支給される臨時収入のようなものですが、税法上は毎月の給与と同じで「給与所得」としてしっかりと税金がかかります。
ボーナスから差し引かれる税金や保険料は、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税になります。
結果的に総額50万円のボーナスも税金や保険料が差し引かれて40万円前後の金額で振り込まれます。
業種や前月の給与支給額にもよりますが、ボーナスの手取りは額面の7〜8割程度だと覚えておきましょう。
一見すると税金が高いと感じられるボーナスですが、源泉所得税などの項目を一つ一つ紐解いてみると、決して税率が高いというわけではありません。
扶養親族や前月の給与を基準に平等な税率で運用されており、むしろ月々の給与よりも低い税率が適用されています。
「自分のボーナスの金額は正しいのか?」また「どのくらいのボーナスが振り込まれるのかしりたい」という方は、適用される税率を確認してみましょう。
細かい数字を確認するため多少面倒かもしれませんが、扶養親族・前月までの給与・社会保険料・厚生年金保険料を把握しておくことで計算できますので、情報を集めてみることをおすすめします。