
【固定残業代とホワイトの関係とは】実際に導入している企業は?
企業のもとで働いている皆さんの多くは、残業をすれば残業代を支給されていると思いますが、皆さんはそれを適切に支給されているでしょうか。また、残業代は様々な制度のもとで支給されますが、その制度を適切に理解しているでしょうか。今回は固定残業代とホワイト企業の関係についてご紹介していきますので、是非参考にしてみてください。
固定残業代とホワイト企業の関係は?
企業のもとで働いている皆さんの多くは、残業をすれば残業代を支給されていると思いますが、皆さんはそれを適切に支給されているでしょうか。
また、残業代は様々な制度のもとで支給されますが、その制度を適切に理解しているでしょうか。
この章では、固定残業代とは何か、またその制度を採用することとホワイト企業の関係について紹介します。
固定残業代とは?
固定残業代とは、企業が一定時間の残業をあらかじめ想定し、給料に含めて労働者に支払う金額のことを言います。
残業時間を計算せずに毎月固定分の残業代を支払う制度の元に成り立っており、そのように想定されている残業のことを固定残業またはみなし残業と呼びます。
関連記事
▶︎【固定残業代の意味とは】残業代との違いや時間相場などについてご紹介
固定残業代制度がなければホワイト企業?
さて、近年はブラック企業やホワイト企業という言葉を耳にすることも多いです。
これらには明確な定義はありませんが、法律を守っているか否かということがポイントになっています。
ホワイト企業は、労働基準法など労働に関する法律をきちんと遵守しており、労働者を大切にしている企業と言えます。
一般的に、ホワイト企業は固定残業代を導入していないことが多いと言われます。
先ほど説明したように、固定残業制とはあらかじめ想定される残業時間分の給与を毎月労働者に支給するものです。
もちろん、実際の残業時間が想定されていた残業時間を超えた場合は、企業はそれに値する残業代を支払わなければなりません。しかしブラック企業の多くは、想定された残業時間を超過しても固定残業代しか支払わないのです。
このように、固定残業制度はブラック企業に乱用されやすい制度で、ホワイト企業はその制度を採用していることが少ないと言われます。
固定残業代を導入している企業について
固定残業代を取り入れている企業はどのくらいある?
固定残業代を取り入れている企業の数は正確にはわかりませんが、近年ではトヨタ自動車が導入したように、固定残業代を取り入れている企業の数は増えていると言われます。
しかし、固定残業代に関する正確な知識が広まっているとは言い難い状況で、安易にそれを導入してしまう企業も多いようです。
そして違法に固定残業代の制度を取り入れてしまい、裁判沙汰になってしまうことも多く、固定残業代を取り入れる際には慎重に行う必要があると言えます。
固定残業代と別途超過分が支払われる企業について
さて、固定残業代とは、基本給に追加して毎月一定時間の残業を想定し、それに値する賃金を支払う制度のもとに成り立ちます。
よって想定された時間内の残業であれば、固定残業代が支払われます。
一方想定されていた残業時間を超過して残業を行なった場合には、固定残業代に加えて超過した分の残業に値する賃金が支払われなければなりません。
固定残業代を取り入れており、さらに超過分の残業代が支払われる会社は労働者に対して適切な対価を与えているため、ホワイト企業と言えます。
一方固定残業代を取り入れている企業の中には、超過分の残業代を支払わない会社もあると言われてます。
これらの会社はもちろん法律に反しており、ブラック企業と言えます。
固定残業代の支払いの問題がある企業について
固定残業代が正しく支払われない
さて、固定残業代の支払いに問題がある企業とは、先述したように、想定されていた残業時間を超えた場合の残業代が支払われない企業です。
想定された残業時間を超えた場合は、以下の計算に従って残業代が支払われなければなりませんので、固定残業代の制度を取り入れている会社で働かれている方は再度確認してみると良いかもしれません。
(基本給)=(月給)-(固定残業代)-(その他諸手当)
(本来の残業代)=(基本給)/(月の労働時間*8時間)×1.25×(残業時間)
給料が最低賃金を下回っている
さて、給料に関する規則には最低賃金に関するものもあります。
最低賃金法に基づき、国が最低賃金の限度額を定めているため、企業側は労働者に対してその最低賃金を保証しなくてはならないのです。
最低賃金を計算する際には、所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金は最低賃金額に算入されないと法律で定められています。
よって、月給がある程度確保されていても、そのうちの多くを固定残業代として計算している企業は、最低賃金法に抵触している可能性があるので、注意が必要です。
ホワイト企業の特徴とは?
固定残業代の有無だけでは判別できない
さて、ホワイト企業とブラック企業の見分けは固定残業代の有無だけでは判別できません。
固定残業制度を定めている企業の中でも、想定されている残業時間を超過した分の賃金を確保しているホワイト企業もあります。
しかし、超過している残業時間に対して対価を支払わないブラック企業もあります。
また、固定残業代に限らず、法律を遵守しておらず、労働者を酷使している企業もあるので、固定残業代の有無だけでは、その企業がブラック企業またはホワイト企業の何れであるかを判別することはできないでしょう。
給与形態が明示されている
しかしながら、自身の働いている企業、または働こうと思っている企業がホワイト企業か否かは確認すべき事項です。
そのためには、職業安定法にて、各企業が明示しなければならないと定められている事項を確認する必要があります。
職業安定法では、企業が求職者に明示しなければならない事項が複数定めらています。
労働者はそれらの事項を自身で確認した上で働くことが求められます。
明示されている事項とは、業務内容や契約期間、就業場所や就業時間、休日、時間外労働や賃金に関することです。
特に、残業に関することとしては、就業時間、時間外労働、賃金が定められています。
残業代の計算には、実労働時間から就業時間を引いた残業時間が必要です。
また、固定残業代を採用している企業の場合は、賃金に関して以下のような記載が必須とされています。
- 基本給○○円(2の手当を除く)
- ◻︎◻︎手当(時間外労働の有無に関わらず、○時間分時間外労働手当として△円支給)
- ○時間を超える時間外労働分についての割増料金は追加で支給
ホワイト企業であるか否か、これら給与形態に関する事項を各企業に確かめてみると良いでしょう。
労務管理がしっかりとなされている
また、ホワイト企業の特徴としては、就業規則や労務管理書類がきちんと整備されており、社員にも周知されているということがあります。
就業規則とは、社員の給料や労働時間、社内のルールに関してまとめられた規則です。
また、法定3帳簿と呼ばれる賃金台帳、労働者名簿、出勤簿が整備されていることで、社員の公平な評価や給与支払いが行われることにも繋がります。
ホワイト企業であるか否かを確認する際には、これらの労務管理がきちんと行われているかどうかを確認してみるのも大事でしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
以上、固定残業代とホワイト企業に関して紹介しました。
固定残業代は、乱用されると労働者が大きな不利益を被ることになるため、扱いの難しい規則と言えます。
しかし固定残業代を取り入れている=ブラック企業ということはできません。
ご自身の給与が適切に支払われているのかどうか、また、給与形態が明示されているかどうか、労務管理が適切になされているかなど複数の事項を確認してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。