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m字カーブとは

【M字カーブの定義とは?】特徴や国際比較を用いてご紹介します

皆さん、「m字カーブ」という言葉をご存知でしょうか?m字カーブとは、日本における女性の労働力率を年齢階級に対してプロットしたグラフにおいて現れるアルファベットの「M」に似た曲線形状のことを指しています。今回は、世界各国の女性年齢階級別労働力率をもとに、日本女性の働き方の特徴についてやM字カーブになる理由など詳しくご紹介いたします。

M字カーブの定義とは?

昨今、働き方改革という言葉が各所で話題に上がります。

その中心として期待されているのが女性・若者・高齢者であり、彼らの活躍を推進する政策が次々と打ち出されています。

本記事では、日本女性の働き方の特徴を表すと言われる「M字カーブ」という言葉を取り上げ、その意味や変遷について説明していきます。

「M字カーブ」とは、日本における女性の労働力率を年齢階級に対してプロットしたグラフにおいて現れるアルファベットの「M」に似た曲線形状のことを意味します。

(「労働力率」とは、就業者数と完全失業者数とを合わせた労働力人口が、15歳以上65歳未満の人口(生産年齢人口)に占める割合です。)この分布は、20代で仕事に就いた女性が30代で仕事を離れ、40代で再び仕事に就くという就職・離職状況の推移を表しています。

この推移は「M字カーブ現象」「M字カーブ問題」とも言われ、女性のワークスタイルやライフスタイルを柔軟に受け入れるうえで解消すべき課題として捉えられています。

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世界の先進国との国際比較でわかること


世界各国の女性の年齢階級別労働力率をもとに、日本女性の働き方の特徴について見てみます。

下記サイトより参照した、「男女共同参画白書 平成30年版」のデータに基づきます。
 

男女共同参画白書 平成30年版
 

M字カーブの代表国は日本と韓国

先進国の中で労働力率がM字カーブを描いているのは、日本と韓国の二国だけであり、それ以外の主要国として取り上げられているフランス、ドイツ、スウェーデン、アメリカは「逆U字型」と呼ばれる曲線形状となっています。

日本女性の労働力率の分布は、年々、逆U字型に向かっており、現在ではアメリカのものに近い水準となっています。
 

欧米諸国の特徴「逆U字型」とは?

一方、理想的と見なされるのが「逆U字型」の曲線形状であり、一定の年齢層において労働力率が下がることなく、つまりは、女性のライフスタイルの変化を柔軟に受け入れる社会基盤が備わっているということを意味する形状と言えます。

特に、フランスやドイツでは30代~40代の女性の労働力率が80%を超えており、スウェーデンに至っては80%台後半の数値を示しています。

これらの女性の労働力率の高い国々の共通点を探すと、どうやら「男性の役割と女性の役割に差がない」という意識が背景にあるように見受けられます。

調査会社「イプソス」による「イプソス Global Trend 2014」での興味深いデータとして、「『女性の社会的役割は良き母、良き妻であることだ』という意見に同意しますか」という設問に対する回答があります。本データでは、スウェーデンが9%と最も低く、フランスでも15%という低い数値が示されています。

良き母・良き妻であることが必ずしも社会的に価値の高いものとは認識されていないということがわかります。

これらの国々では、男女ともに、仕事と家庭における自分のあり方のバランスを重要視するという意識ないしは文化が根づいているようです。

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なぜ日本の女性労働力率はM字カーブになる?


日本や韓国の女性労働力率がM字カーブになる理由の一つは、想像にたがわず、「女性は家事や子育てに専念すべき」という伝統的な考え方が背景にあるためと思われます。

さらには、その背景のためか、女性が家事や子育てを行いながら働き続けることのできる社会環境の整備が不十分であった、育児休暇や男性の育児参加に対する年休等による保証制度、社会耐性などが醸成できていなかったといった問題があり、女性の社会進出を阻害し、労働力率の上昇を抑圧してきたものと推察されます。

近年になり、日本の女性の労働力率は先進国のそれと同等レベルにまで近づきつつあります。

特に、25歳~29歳女性の労働力が上昇しています。

晩婚化・晩産化が進み、子育てに関わる女性の年齢に広がりが生じているとも見ることができますが、それ以上に女性に活躍の場を提供するための社会的なアクションがその効果を現わし始めているように見受けられます。

国の政策に着目すると、2016年4月に女性活躍推進法が施行され、国や地方自治体、民間企業を対象に「女性の活躍に関する課題を具体的な行動計画として策定・公表・届出すること」が義務づけられています。

また、2016年および2017年より育児介護休業法が改正・全面施行され、妊娠・出産・育児または介護などを仕事と両立させ、働き続けられる環境整備が義務づけられています。

特に、本法律は男性にも適用されることが特徴となっており、男性の育児や介護への参加が国を上げて推奨されています。

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M字カーブ解消=女性の働き方改革なのか?


上述したように、日本女性の労働力率のM字カーブ現象は解消の方向へ向かっています。

しかしながら、これが女性の働き方改革すなわちワークライフバランスの向上につながっていると判断するには、まだ多くの課題が残存しているようです。
 

ゴールはM字カーブ解消のその先に

日本女性の労働力率は現在70%を超えるまでになっています。

しかしながら、スウェーデンやフランスなど、80%を超える国々と比較すると、まだまだ低い数値に止まっています。

労働力率の低さの一因として、同年齢階級の男性との収入面での格差が上げられます。

世界的にみると、日本の女性管理職比率はかなり低い水準にあると言われます。

先述の女性活躍推進法では、女性管理職比率を30%まで引き上げることが目標と定められています。

現状は、平成29年度の起業における課長職以上就く女性管理職比率は10.9%と発表されています。

また、女性の労働力率の向上にともなって都市部における保育施設の不足、待機児童数の増加といった社会問題もあらわになってきています。

労働人口の変化を先取りした社会環境整備が国や地方自治体、もしくは企業に求められています。

現在、働き方改革が強く推進され、女性活躍の場の創出が急速に進められていますが、現状は国の施策に強く後押しされたものであり、実際に女性の働く現場にまでその意識が浸透できているとは到底言えない、過渡的な状況にあると思われます。

女性のワークスタイル、ライフスタイルの変化を柔軟に受け入れる職場の雰囲気の醸成が今後一層求められることになります。

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まとめ

日本の女性労働力率に見られる「M字カーブ」および「M字カーブ現象」について、その言葉の意味と、欧米諸国と比較した現在の状況、将来への課題について説明してきました。

現在注目の集まる働き方改革の背後には、日本や先進諸国が今後迎えることにある少子高齢化社会の問題があります。

労働力としての女性の活躍が今後一層求められることになるのは明らかです。

女性の働き方の変化を柔軟に受け入れ、男女均等な活躍の場が提供される社会の実現、男性の積極的な家事・育児への参加など、日本人の意識変革がいま必要となっています。

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