
【追い出し部屋とは?】具体的事例や実情、抜け出す手段をご紹介
皆さんは「追い出し部屋」というものをご存知ですか?これは会社側が解雇したい社員を集める部署の事です。今回の記事では、なぜこの追い出し部屋が存在するのかや、具体的事例、実情や抜け出す手段などについて詳しく解説していきます。今後の参考として、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?
なぜ追い出し部屋は存在するのか?
追い出し部屋という言葉とはどのようなものなのでしょうか。追い出し部屋とは、かつての「窓際族」の現代版ともいえるもので、会社側が解雇したい社員を集める部署です。もちろん、これは不当なものですが、なぜこうした追い出し部屋が存在するのでしょうか。
なぜ追い出し部屋は存在するのか?
会社は社員を解雇したいと思っても、労働契約法により一方的に解雇する事は出来ません。
例外として社会通念上相当である理由などがある場合は解雇は認められますが、一般的には会社側からの一方的な解雇は無効とされます。
このように、会社側から解雇は出来ないため、解雇したい社員がいる場合は自主退職してもらう事が一番簡単になります。そこで、社員のモチベーションを低下させるなどして、このまま会社にいることが嫌になるよう、こうした追い出し部屋の役割を持った部署に移動させるケースがあります。
追い出し部屋の具体的事例
追い出し部屋と言っても、いろんな形があるようです。では、実際に追い出し部屋ではどのような事が行われているのでしょうか。3つのパターンから、それぞれび事例を見ていきましょう。
達成不可能なノルマを課す事例
達成か無理である、不可能である厳しいノルマを課し、出来ないことをリストラの理由とする事例があります。またできない事に対し、厳しい叱責を浴びせるなどして自主退職に追いやる事例もあるようです。
事例1)厳しい上司がいる部署に異動となり、明らかに達成不可能な営業ノルマを課せられ、できないと力不足を厳しく指摘され罵声を浴びせ続けられたことで精神的なダメージを受け、働けなくなった。
働く意欲を低下させる事例
厳しいノルマとは逆に、仕事内容とは全く関係のない単調な単純作業や重要性のない会社の事業に携わらないような仕事を課せられる事もあります。これは、社員の働く意欲を低下させ、会社にいる価値を失わせる事で、自主退職に追い込んでいく事例です。
事例1)人事部よりサポートチームとして集められたものの、50人に対しPC3台で共有という環境で、実質仕事ができる環境ではなかった。仕事内容は各支店の販売応援と指示されたものの、内容はアルバイトでもできるような仕事だった。
事例2)勤続10年以上のベテラン社員をプロジェクト支援センターに異動させ、簡単な雑用しか与えない。会社の経営不振のニュースがあったなど社員が不安に陥るような状況を作る。
転職活動を強要する事例
名目上はスキルアップという事で研修を受けさせ、その結果として現在の会社には不適合である、転職が良いなどと勧める事例もあります。また人材開発や能力開発などを名目に人材会社や部署に異動させ、新たな能力に気付かせるよう誘導し、転職を促す事例もあるようです。
事例1)キャリアデザイン室へ異動となり、自分のキャリアのためのスキルアップという名目で転職活動をさせる。転職先が見つける事ができた場合は優秀と評価し、出来ない場合は評価が下がっていくことで、モチベーションが下がる。また転職活動に応じない場合は単調な仕事のみを与え、精神的に追い詰めていく。
楽なように見える追い出し部屋の実情
追い出し部屋の実例では、一見、仕事が単調で楽だと思う人もいるかもしれません。また会社側の不当な仕打ちに断固従わないとして、そのまま居座る人もいるかもしれませんが、はたしてそれは得策なのでしょうか。
そこで、追い出し部屋にいる社員の実情を調べてみました。追い出し部屋にいる事で、どのような状態になるのか、そこにいるメリットはあるのかなどを見ていきましょう。
精神的ストレスが大きい
これまで仕事をこなしてきた人が、いきなり単調な仕事しか任されないというのは、自分が会社に必要とされていないという事を毎日感じさせられる事です。一生懸命頑張ってきた人ほど精神的ストレスが大きくなり、終わりの見えない毎日に先行きの不安も大きくなります。
追い出し部屋に居座るメリットは無い
追い出し部屋に活かされた事に納得ができないからといってずっと居座ることは、長い目で見ればメリットはないでしょう。追い出し部屋に行く時点でその会社での昇給や出世と言った事は期待できません。
そんな会社にしがみついて、毎日多大なストレスを受けるよりは、そんなことをする会社には見切りをつけ、自分のスキルやキャリアを磨き新たな会社を見つける方が良いでしょう。追い出し部屋で時間がある場合は、自分の今後のために時間を使い、自分の人生をより有効に使う事に意識を向けた方が建設的と言えます。
有能な社員でも追い出し部屋送りになることも
追い出し部屋送りになるのは仕事ができない社員ばかりではありません。実は、有能な社員でも追い出し部屋に異動させられることもあります。会社にとって必要とされる人材は、仕事ができる事だけが評価されるわけでないからです。
有能な社員が追い出し部屋送りになった事例
では、どういう人が対象となりやすいのでしょうか。実際に有能な社員であったにもかかわらずその対象となった人にはある傾向が見られます。
事例1)一般の社員に対し、CEOが目を通すという意見公募に意見を提出。その後、何の回答がなかったので、上司に再度自分から意見を伝えたい旨のメールを送ったところ、経営陣から態度が偉そうと厳しく叱責された。その後仕事へに意欲が無くなり、休職を繰り返し最終的に追い出し部屋に異動となった。
事例2)研究職の職場で、まだ証明されていないが必ず価値があると信じて研究に没頭。上
司からの理解が得られないままに研究を続けた結果、追い出し部屋に異動となった。
どちらも有能な社員ですが、会社という枠の中に収まり切れない人は、保守的な経営陣からは会社に必要ないと判断されて、追い出し部屋に異動となった事例です。こうした例では、その後力を発揮できる会社に転職し、成功した事例もあります。
追い出し部屋から抜け出す手段はあるのか?
追い出し部屋に異動となった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。追い出し部屋から抜け出すための手段を調べてみました。
転職して環境を変える
転職をするという事に関しては、会社の思惑通りで納得できないという声もあるでしょう。しかし、このような違法行為ともいえる対応をする会社に望みを持って耐えるよりは、この状況を自分の将来のために活かすことの方が得策と言えます。
使える時間は新たな転職先探しに充当し、転職先を確保した上で、会社に対し不当行為であることを訴え、退職金の割り増しなどを要求する事も可能です。いつまでも追い出し部屋でストレスに苦しむよりは、転職して環境を変え、自分の力を発揮する方が良いのではないでしょうか。
人事異動の違法性を会社側に認めさせる
会社側の不当な異動に対し、その違法性を会社側に認めさせるという方法もあります。ただしこの場合は、個人で交渉する事が難しいため、個人で動くよりは会社の労働組合や外部の労働者のための組織、弁護士等に相談する方が得策です。
まとめ
こうした追い出し部屋が実際に存在する実態に驚かされますが、自分がこの立場に立った場合、どうすればいいのか考えさせられます。不当行為ともいえる追い出し部屋ですが、ストレスで自主退職に追いやられる前に、自分でも対処できることがあります。ぜひ参考にしてください。
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