【アルムナイのメリットとデメリット】ビジネス用語をしっかり解説

ビジネスの用語でアルムナイという言葉があります。

日常生活ではあまり使わないカタカナの言葉ですが、どのような意味があるのでしょうか？
 

アルムナイの意味

アルムナイという言葉の意味は、同窓会や同窓生を意味しています。

これはもともとは英語のalumni（卒業生、同窓生）からきています。

そこから派生して、ビジネスの現場では企業の退職者のことをアルムナイと呼ぶことがあります。
 

アルムナイネットワークとは

こちらは、同じ会社や企業グループで過去に勤務していて、途中で離職した人のコミュニティのことです。

会社を辞めた後も、元社員同士で交流を続けるというケースが増えており、企業側もそこに新たなビジネスチャンスを見出しているというわけです。

このアルムナイネットワークを通じて、中途採用の効率化を図ったり、事業の相談や顧客の開拓の助けにするということが行われています。

会社が人材を確保するときに、アルムナイ制度という方法をとっていることがあります。

果たしてこれは、どのようなものなのでしょうか？
 

優秀な人材を再雇用する制度

簡単に表現すると、自社で過去に働いていた退職者を、条件があえば再度採用する制度のことです。

過去に働いていた人材ならば、会社の事情や業務内容についてもよく理解しています。そのため、一から教育する必要がありません。

もともとは外資系の企業でよく行われていることですが、日本でもこのような制度を取り入れる企業が増えています。
 

ジョブリターン制度と違いは？

ジョブリターン制度は出産や育児などで退職した人が、育児が一段落したりなどした後に再度雇用される制度です。

つまりジョブリターンは、家庭の事情などで退職した人が再雇用されますが、アルムナイ制度では家庭の事情だけに限定せず、基本的にどんな理由で退職した人でも対象になるのが違いです。
 

最近になってアルムナイが注目されているのはなぜなのでしょうか。

その理由について解説します。

働き方が多様化している

このような制度が注目される理由としては、日本社会全体で会社員の働き方が多様化しているということがあります。

以前の日本では同じ会社で定年まで働くという終身雇用が一般的でしたが、現在は転職をする人が増えています。

そこで、退職したら関係が切れるのではなく、何らかの関係を維持することが双方のメリットになることから、アルムナイが注目されています。
 

人材の流動化

昔は終身雇用が一般的だった日本でも、転職市場が急拡大していることからも、人材の流動化が急速に進んでいることがわかります。

人材の流動化が進むと、企業からは毎年一定の数の退職者が出ることになります。人材不足になった場合は中途採用をしたり、または新卒を増やすなどの対応が求められますが、これは採用コストの増加につながってしまいます。
 

人材確保が難しい採用難

また日本市場での採用難によって、優秀な人材を確保するためのコストが高くなってきているというのも理由です。

人材の流動化が進んだ結果、人材確保をより効率的にするためにも、過去の退職者を再度雇用することを人材確保のひとつの手段として考えるようになったということです。

過去に働いていた人を雇用することで、採用のコスト削減につながり、またミスマッチを避けることができますので、企業にとっては大きなメリットがあります。
 

アルムナイのデメリットについても確認しておきましょう。
 

給与や待遇面の問題

まず考えられるのが、給与や待遇面の問題です。

以前その会社で勤めていた人で、退職した時から年齢は上がっていますので、給与や待遇が以前より下がったりすると、モチベーションや会社への忠誠心が低下してしまう場合があります。
 

既存社員との関係性の構築

また、過去に働いていた人を再雇用したときに既存社員とスムーズに良好な関係を築けるかという問題もあります。

以前いた会社に再度就職して、自分より年齢が下の人が上司になったりすると、以前と同じような感覚で働けなくなってしまうこともあります。

受け入れる側の既存社員としても、以前会社にいた人が再度入社するということになりますので、不安を感じてしまうこともあるかもしれません。

再度入社する人としても、既存社員も安心して良好な関係を築けるようにする必要があります。
 

アルムナイとの関係性の維持

企業としては過去に働いていた人との関係性の維持を普段から意識して続ける必要があります。

会社の制度として関係を維持するのか、メールやSNSなどで定期的に連絡をする程度にするのか、どのように関係性を維持するのか工夫していく必要があります。
 

アルムナイとは、もともとは卒業生や同窓生ということを意味している言葉です。

ビジネスで使う場合は、過去に働いていたが現在は離職している元従業員のことです。

日本でも終身雇用の時代とは働き方が全く変わってきていますので、アルムナイとの関係をどう維持するかということも、企業にとって重要な要素となってきています。