
【パラドックスの意味とは】正しい意味や使い方についてご紹介していきます
皆さんは「パラドックス」という言葉をご存知でしょうか。1度や2度は耳にしたことがあっても、正しい意味を知らない人は多いはずです。あまり日常生活で使う人は少ないかもしれませんが、使いこなせるとビジネスシーンでも説得力が増します。今回は「パラドックス」の正しい意味や使い方について紹介するので参考にしてみてください。
パラドックスとは
パラドックスという言葉を聞いたことはありますか?1度や2度は耳にしたことがあっても、正しい意味も知らない人もいるかもしれません。
まずは、パラドックスの意味や使い方などを分かりやすくお伝えします。
パラドックスの意味
パラドックスとは、英語で「paradox」といいます。逆説・ジレンマ・矛盾といった意味をもち、世間一般では正しいと考えられていることに対し「定説にさからう」という意味です。
矛盾というよりも「見た目で判断する真偽が、実際の真偽とは逆である」という意味合いであり、この解釈で言えば、地球上には多くのパラドックスが存在しているということになります。
パラドックスを分かりやすく言うと
おそらくみなさんがパラドックスの言葉を耳にしたのは、哲学や数学の分野においてではないでしょうか。
このような分野でパラドックスはよく使われ、「間違いに見えても、実は正しい」という説や「正しく見えても、正しいとは認識されない」という説のことをいいます。
有名なパラドックスの話といえば、数学の確率問題の「モンティ・ホール問題」や「誕生日のパラドックス」といったものが有名です。
パラドックスの使い方と例文
パラドックスを会話などに使うということに、あまりピンとこないという人もいるでしょう。けれどパラドックスとは「逆説である」「正しそうだが正しくない」「間違ってそうだが間違ってない」というイメージさえもっておけば、ずっと使いこなしやすくなります。
いくつか例文をあげてみましょう。
代表的なパラドックスのことわざは、「急がば回れ」や「負けるが勝ち」だ。
パラドックスの概念があるからこそ、「矛盾」や「ジレンマ」といった意味が生きてくる。
パラドックスの言葉は、このように使います。
パラドックスの概念
パラドックスの意味や使い方はなんとなくわかったけれど、いまいち具体的に理解できないという人のために、パラドックスの意味を3つに分類し、それぞれをご紹介していきましょう。
パラドックス(逆説)
パラドックスとは逆説と表現されることが多いですが、「ぱっと見ると事実とは異なるように見えつつも、実は真理の一面を表している」という意味で用いられます。
具体的には、先ほども例に挙げた「急がば回れ」でしょう。危険が伴うかもしれない近道よりも、安全だと分かっている遠回りの道を選んだ方が、結果的には早く目的地にたどり着くことができる、このような意味の言葉です。
このようにパラドックスとは、真理にそむいているように見えつつも、実は真理をついているといった概念で使われます。
パラドックスを用いた論法
常識に反している主張でありつつ、その主張を導いている過程の中では、その結論を否定するだけの論拠を見いだせない論法といった意味で、パラドックスは使われます。
代表的なものとしては「ゼノンのパラドックス」や「飛ぶ矢は飛ばずのパラドックス」のほか「アキレスと亀のパラドックス」です。
パラドックスと命題
まず、命題とは、真偽の判定の対象とされる文または文章のことです。
そして、パラドックスは、ある命題において、それが真実であると仮定した場合でも、偽りであると仮定した場合でも、どちらにおいても矛盾している結論となる命題のことをいいます。
具体例としては、「私は今、嘘を言っています」という発言で生じる「嘘つきのパラドックス」などがあります。
有名なパラドックス
では、有名なパラドックスをご紹介しましょう。いろいろなパラドックスを楽しんでみてください。
数学のパラドックス
数学のパラドックスとして有名なのは、先ほどにも例で挙げた「誕生日のパラドックス」です。
「40人のクラスメイトの中に、同じ誕生日の人がいる確率はどのくらいか?」という問題が出されます。1年というのは365日あり、クラスメイトは40人。
このように考えるととても確率は低いように思われがちなのですが、実は確率の計算で答えを導くと、なんと約90%であるという答えが導き出されるのです。
アキレスとカメ
足が速いうさぎ、そして足の遅いカメがいたとします。カメは先に目的地に向かっています、そしてうさぎも後からカメを追いかけました。
両者ともに目的地へと動き続けている状態です。この場合、うさぎがどんなに必死に追いつこうとも、カメとの差は縮まるものの、カメに追いつくことは永遠にできないというパラドックスです。けれど、現実は追い抜かすことが可能です。
これも数学的な知識によって証明することができ、簡単に言えば、両者の差は0に限りなく近づくものの、その後の差に関しては、別の前提で考えていくと解決が導き出されるようです。
パラドックスをテーマにした本
パラドックスは1度考え出すと止まらないので、ついハマってしまう人も多く、関連する本もたくさん出版されています。
有名なものとしては東野圭吾さんの「パラドックス13」や北条遥さんの「リライト」などがあります。
タイムパラドックスについて
タイムパラドックスとは、時間の逆説というよりも「時間の矛盾」という捉え方とした方が理解しやすいものです。
では、タイムパラドックスについて紹介します。
タイムパラドックスの意味
「ある人が、自分がこの世に誕生する前に母親を殺すと、どうなるか?」という問題です。普通に考えれば、母親の存在がなくなるわけなので、子どもも産まれることはない、となります。
けれど、そうすると、母親も殺されることはなくなる、ということにもなります。この矛盾こそが、タイムパラドックスなのです。
タイムパラドックスを用いた映画
タイムパラドックスを用いた映画として有名なものは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」です。「ターミネーター」も、よく知られていますね。ほかにも「バタフライエフェクト」もおおすすめです。
タイムパラドックスを用いた小説
タイムパラドックスを用いた小説も数多くあります。
「流星ワゴン」や「リピート」「マイナスゼロ」「地下鉄(メトロ)に乗って」など、1度読まれてみてはいかがでしょう。
ビジネスでのパラドックス
パラドックスを楽しめるのは、映画や小説がメインだろうと思っていませんか。実は、ビジネスの場でもパラドックスは生まれているのです。
マーケティングにおける選択のパラドックス
バーゲン会場にて、洋服が2つの方法で販売されています。
1つ目は、3種類の洋服を試着してもらうという販売方法があります。2つ目は、30種類の洋服を試着してもらい、その中から好きなものを選んで買ってもらうという販売方法です。
普通に予想するのであれば、多くの選択肢がある2つめの販売方法の方が、売れ行きは良さそうなのですが、実際は逆の傾向がみられます。
AIのパラドックスとは
これは今現在の日本のビジネス業界に起こっていることです。
将来、AIによりビジネスは大きく変わると考えている企業は85%にも達します。けれど、実際にAIを導入している企業は、たったの20%にすぎません。
そして、AIがビジネスにおいてメリットをもらたすビジョンが描けないとする企業は、なんと6割もいるのです。
JobQにて、ビジネスにおけるAIにまつわる質問回答があります。こちらも併せて見てみましょう。
事務職がAIに代替されるのはいつ頃になると思いますか?
事務職がAIに代替されるのはいつ頃になると思いますか。
会社を興してみると、驚くほど事務はいろいろなサービスで自動化されています。
経理はもちろん勤怠管理や販売管理など1人で間接部門全部をまわすことは可能です。
なんというか、最初から雇わないです。
それで現在事務作業をしてる人が解雇されるか?というと…続きを見る
仕事上のパラドックス
会社を経営する場合、新しい仕事を受注することがあるかと思われますが、その際「失敗をしてしまう可能性」についてあれこれ考えるよりも「成功をする可能性」を考えた方がうまくいくといわれています。
とりあえずやってみようということでもあるのですが、これは「失敗の数を増やした方が、仕事はうまくいく」というパラドックスがあるからなのです。
まとめ
パラドックスについては奥が深く、一度で完璧に理解するのは難しいかもしれません。
けれど、パラドックスがどういうものなのかについては理解いただけたでしょうし、映画や調節などにも興味をもってもらえたのではないでしょうか。
あなたの身近にも起こっているパラドックスをぜひ見つけて楽しんでみてください。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
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