【市場化テストの意味とは？】目的や事例などご紹介します

国が運営する公共サービスを入札で決定する市場化テストは様々なメリットがあります。

この章では、市場化テストについてわかりやすく紹介します。
 

市場化テストをわかりやすく説明すると？

市場化テストとは、国や自治体が運営するサービスを民間企業も運営することができる制度です。

運営する民間企業を決定する方法は、どの企業にチャンスがあるように「入札」で決定します。

民間企業の市場開拓やコスト削減など様々なメリットがあり、国が力を入れている制度の１つです。
 

市場化テストを始めていたのは海外である

市場化テストの歴史は古く、1980年代には海外で本格的に導入された制度です。

国によって違いはありますが、アメリカでは、

• 刑務所や消防署の建物管理
• 公共バスの運行　など

上記のようなことも市場化テストの対象になっています。

民間企業に任せることで、コストを削減しながらサービス向上が期待できます。
 

日本ではいつから施行されているのか？

日本では2004年にテストとして、市場化テストのモデル事業についての提案募集が行われました。

翌年の2005年に募集で集まった提案を元に、

• ハローワーク関係
• 社会保険関連
• 刑務所などの警備　

上記のような事業が選ばれました。

市場化テストの目的は、前述したコスト削減などが期待できるという点です。

他にも様々なメリットがあり、国民にも民間企業にもメリットがあります。

この章では市場化テストの目的やメリットについて紹介します。
 

行政サービスが向上される

市場化テストの目的は、行政サービスの向上です。

国が運営するより、民間企業のほうがマーケティング力が高いので、市場のニーズに合わせたサービスを提供できるという考えで、市場化テストが行われます。
 

行政サービスの内容やコストを透明化する

民間企業が運営することで、サービス内容の宣伝などを効率的に行います。

そのため、行政サービスの内容が、わかりやすく浸透していくと考えられています。

また、サービスを運用していく中で必要なコストなども透明化できるというメリットがあります。
 

民間が参加することで入札への意識を変える

公共サービス事業への入札に民間企業が参加することで、政府側の意識を変えることも期待されています。

民間企業が参加することで、下手なことをすれば国の信頼を失うことにもなるので、厳密に公平な入札ができます。

政府側の意識改革も目的となっています。

市場化テストについて紹介しましたが、「民営化との違い」について気になる方もいるのではないでしょうか。

この章では、市場化テストと民営化の違いについて紹介します。
 

最終的な責任の所在の違いがある

市場化テストで選ばれた場合と民営化との大きな違いは「誰が責任を所在」に違いがあります。

• 民営化の場合は、責任は事業者

• 市場化テストの場合は、事業を発注した国側

１つ注意点があり、市場化テストでは最終的な責任は国にありますが、問題や事故を起こした事業者にも当然、責任があります。
 

市場化テストの最終的責任は国が負う

前述しましたが、市場化テストの最終的な責任は国が負うことになります。

現時点では、市場化テストと民営化の大きな違いは責任の所在のみです。

官民競争型の市場化テストの事例とは？

官民競争型の市場化テストの事例ですが、平成20年7月に岩手県で市場化テストがおこなわれました。

業務内容は、企業が都道府県や市町村に収める税金「法人2税関連」の業務に関しての入札を行いました。

官民競争入札で行い、民側が落札に成功しました。
 

民間提案型の市場化テストの事例とは？

平成20年から市場化テストの本格実施を行いました。

• 庁舎の受付案内業務

• 法人二税に係る業務

• 旅券業務

• 道路等パトロール業務

• 高等技術専門学院の業務　など

上記のような業務に対して市場化テストが行われました。
 

法に基づく市場化テストの事例とは？

「官民競争型の市場化テスト」も「民間提案型の市場化テスト」でも法律に基づいて平等な入札を行います。

また、市場化テスト自体国が行うので、しっかりと法律に基づいて行われます。

落札業者が決まらないのが続出している

市場化テストは、とても魅力的な制度ですが、一部の地域では落札業者が決まらないということもあります。

また、国が運営した公共サービスを民間企業に委託した後に、職員の賃金水準が下げられるという問題もあり、様々な問題点を抱えている制度といえます。
 

民間企業に決まったときの従業員について

民間企業に決まった時は、これまで国が運営していた公共サービスを民間企業に委託することになります。

そのため、賃金水準が大幅に引き下げられることもあります。

他にも一時金や昇給の仕組みなども大幅に変更されるなどあるので、従業員は振り回されることも多いです。

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市場化テストは魅力的な制度ですが、まだまだ問題が多い制度でもあります。

しかし、上手く運用することで国や企業。

そして、サービスを利用するお客さんにとってもサービス内容が透明化することで、利用しやすくなります。

国が今後、どのような対策を行うのか注目するべきポイントです。