『東京しごとセンター』について、公益財団法人 東京しごと財団の上野さんに取材!
『東京しごとセンター』の主な活動や、ヤング・ミドルコーナーのサポート、女性活躍推進に特化したプログラムなど、気になるポイントをお聞きしました。
「自分がどのような仕事をしたいのか」
「自分にはどのような仕事が合っているのか」
このように迷うこともあるのではないでしょうか。
東京都には、就職・転職活動を始める前に、自分のこれからの働き方についてサポートしてくれて無料で利用できる『東京しごとセンター』というサービスがあります。
今回は、『東京しごとセンター』について、東京都から指定管理者として事業を受託している「公益財団法人 東京しごと財団」の上野さんに詳しくインタビューをしていきます!
編集部
まずは、『東京しごとセンター』の活動について教えてください。
上野さん
2004年から『東京しごとセンター』では、全年齢の求職者を対象に都内の就職・転職の支援を行っています。
『東京しごとセンター』の主なサポートの内容は「カウンセリング」「セミナー」「グループワーク」です。
例えば、ヤングコーナーでは、まずはカウンセリングやセミナーを通じて、求職者の仕事に対する考えや経験の棚卸しを行い、求職者がどのような職種に興味があって、どのような仕事を将来やっていきたいのかなどのキャリアの方向性を一緒に整理していきます。
そして、方向性が決まったら「ハローワーク 飯田橋 U-35」が併設されていますので、ハローワーク求人を自由に検索し、求人紹介を受けることができます。
編集部
全年齢がサポート対象とのことですが、年齢により就労に必要とされるサポートが異なると思います。
その点はどうされていますか。
上野さん
「ヤングコーナー:29歳以下」「ミドルコーナー:30〜54歳」「シニアコーナー:55歳以上」といったように、年齢ごとにコーナーを3つに分けてサポートしています。
なお、どのコーナーも、「カウンセリング」「セミナー」「職業紹介」という流れは同じです。
編集部
年齢層ごとにサポートが受けられるんですね。
『東京しごとセンター』に相談を始めてから、その後就職までの期間は平均的にどれくらいでしょうか。
上野さん
平均すると、半年ぐらいですね。
早いとすぐ就職が決まる方もいますし、逆に1年以上かけてじっくり進める方もいます。
編集部
29歳以下のヤング層へのサポートについて詳しく教えてください。
上野さん
『東京しごとセンター』の「ヤングコーナー」では、大学生などの就活生をサポートするサービスと、学生以外の29歳以下の就職・転職を希望する方をサポートするサービスがあります。
編集部
『東京しごとセンター』のホームページではヤング層の方向けのオンライン特設サイトがありますね。
こちらは、いつごろから導入されたのでしょうか。
上野さん
2020年6月末に、「ヤングコーナー」のオンライン特設サイトを立ち上げました。
オンライン特設サイトでは、オンラインカウンセリングや、動画セミナーの視聴ができます。
他にも、WEB企業説明会や企業情報検索が可能です。
編集部
新型コロナウイルスの影響もあることから、オンラインでの対応が行われているのは非常に嬉しいですね。
上野さん
オンライン特設サイトのオンラインカウンセリングでは、自己PR、自己分析、仕事探しについての相談や、エントリーシート・応募書類の作成サポートをWeb上で行っています。
コロナ禍で、オンライン面接を実施する企業が増えていることから、「オンラインカウンセリングが就職活動のオンライン面接のトレーニングにもなる!」と好評です。
編集部
LINEによる「就活チャット相談」もあると聞きました。
LINEによるサポートをスタートしたきっかけを教えてください。
上野さん
LINE相談は、2020年の6月15日からスタートしました。
匿名で気軽に相談できるツールとしてLINEを導入しました。
就活相談のほかに、就活ハラスメント相談も受けています。
気軽にちょっとした相談をできることが利用者にとって大切だと思いますので、引き続きこういったツールを活用していただけたらと思います。
編集部
若い世代にとってLINEのような身近なツールでのサポートがあるのは、心強いですね!
上野さん
若い方でもオンラインだと不安という方には、来所いただく形でのサポートも行っております。
オンラインで利用登録して、相談は実際に来所していただいてからじっくりお聞きすることもできますよ。
編集部
オンラインも対面も選べるのは良いですね。
編集部
『東京しごとセンター』には、アルバイトや派遣社員の方が正社員を目指せるプログラムがあると聞きました。
具体的に、どのようなサポートを行っているのか教えてください。
上野さん
「若者正社員チャレンジ事業」という、職場体験をするインターンシップのようなプログラムを行っています。
このプログラムは、直近2年以内で正社員の職歴が合計1年を超えない29歳以下の方が対象です。
企業説明会などで見聞きしただけでは、会社の環境や仕事内容が分からないこともあります。
そのため、ある一定期間の職場体験をしてもらい、求職者が「この会社で就職したい!」となり、職場体験先の会社と条件が合えば、そのまま正社員就職できるプログラムです。
編集部
派遣やアルバイトから正社員を目指したいという方にとって、職場体験を通じて正社員就職できるのは魅力ですね。
上野さん
また、「若者正社員チャレンジ事業」とは別に、職歴にブランクがある・引きこもりで働いた経験がないといった方に向けた「ワークスタート」というプログラムもあります。
「ワークスタート」では、第一段階として就職への自信をつけるために、2ヶ月間の「グループワーク」と「演習」を行います。
内容としては、自分を知るワーク、コミュニケーションの基本や、社会人との交流を実践的に学んでいきます。
「ワークスタート」でも職場体験や職場見学を行いますので、「実際にどう働いていくかのイメージがしやすい」と体験された方からの満足度が高いです。
編集部
職歴にブランクがある・働いた経験がない中で就職活動をするとなるとハードルが高いと思ってしまいますね。
「ワークスタート」や「若者正社員チャレンジ事業」のように一定期間、職場体験ができると安心して就職活動に挑めそうです。
上野さん
気持ちの面だけでなく、職場体験をすることで、今まで知らなかった企業や職種を深く知ることができます。
若い方の場合、職種のネーミングや、知名度のある企業など、イメージ先行で職場を決めてしまい、結果自分に合う仕事が見つからないといったミスマッチもあります。
サポート側としても、もっと幅広い視点で仕事探しをしてもらえるよう職場体験のプログラムをおすすめしています。
編集部
現在のミドル世代(30〜54歳)は、就職氷河期を経験され非正規で働かれている方も多いかと思います。
ミドルの世代でも、非正規から正社員のサポートはされているのでしょうか。
上野さん
「ミドルコーナー」では、非正規から正社員へ就職・転職するプログラムとして、「就活エクスプレス」「Jobトライ」「東京しごと塾」という、支援内容が異なる3つのサポートを行っています。
編集部
それぞれのサポートについて、詳しく教えてください。
上野さん
1つ目は、5日間で就活ポイントがつかめる「就活エクスプレス」です。
このプログラムには就活のステップにあわせて選べる「就活実践コース」と「適職探索コース」があります。
「就活実践コース」は、面接対応力を強化したい方向けに履歴書の書き方・面接の受け方などのおさらいなどを行います。
「適職探索コース」は、キャリアの方向性について考えたい方向けに、ゲームやカード等のツールを活用して、「職業興味」「価値観」「強み」を探っていきます。
今まで携わった仕事で、自分の経験を活かすことができる仕事は何かを一緒に棚卸ししていくコースです。
プログラム終了後は「就活エクスプレスを受けた人を採用したい」という企業との面接会をセッティングしています。
編集部
今後のキャリアについて悩んでいる方は、「適職探索コース」を選択するのも良いですね。
上野さん
2つ目は、セミナーと企業での実習が体験できる20日間の「Jobトライ」です。
2日間のセミナーを受講後、働いてみたい会社とのマッチングを行い、職場体験に進んでいきます。
「今までやったことがない仕事だけど行きたい!」となったら、もちろんチャレンジすることも可能です。
職場体験後、今後もその会社で働きたいと思ったら応募・面接ができます。
編集部
今までやったことのない仕事に、職場体験で挑戦できるのは嬉しいですね。
上野さん
「Jobトライ」の良さは、正式な採用を行う前に職業体験することで、会社の雰囲気や一緒に働く人の雰囲気など社内環境が分かることです。
実際に働いてから、人間関係などで悩む方もいますよね。
体験することで、自分の希望する会社のイメージが具体化できます。
編集部
確かに事前に職場の雰囲気が分かるのは、大きなメリットと言えますね。
上野さん
3つ目は、2ヶ月間で正社員の仕事を学べる「東京しごと塾」。
今まで離退職を繰り返してきた方、ずっと非正規社員で今度こそ正社員になりたいと、悩んでいる方に向けて支援を行っています。
働く上で必要なビジネススキル等を身につけるとともに、求人企業とのマッチングにより正社員就職を目指します。
編集部
お話ししていただいた20日間の「Jobトライ」、2ヶ月間の「東京しごと塾」は職場体験もでき、とても魅力的な内容ですが、プログラムを受けている間の生活費が心配になります。
みなさんはどうされているのでしょうか。
上野さん
「Jobトライ」も「東京しごと塾」も、求職者へ1日5,000円の補助金が支給されます。(支給要件あり)
編集部
生活費の不安もなく参加できるのは安心ですね。
編集部
コロナ禍の影響により、女性の失業率が上がっていると聞きますが、女性の利用状況に変化はありますか。
上野さん
2020年末からここ数ヶ月で、女性の利用者が本当に増えました。
今までも女性の利用が半数を占めていたんですが、コロナになってから6割以上になりました。
特にミドル層の女性の利用が増えています。
どうしてもアパレル系や飲食店など、女性が多く勤めていらっしゃるような業界・職種がコロナによって打撃を受けています。
編集部
『東京しごとセンター』では、女性の再就職をサポートするケースはあるのでしょうか。
上野さん
『東京しごとセンター』では、先程お話しした年齢別の支援のほかに、「女性しごと応援テラス」という女性向けのサポートがあります。
編集部
「女性しごと応援テラス」はどういった方が受けられるのですか。
上野さん
結婚や出産、育児、介護等で離職した女性や、家庭と仕事を両立して働きたい方が、再就職するために利用できるコーナーです。
女性のライフイベントに合わせ、働く上でのノウハウや課題解決のヒントをセミナーやプログラムで伝えています。
さらに、お子様を連れてご利用いただけるよう、キッズスペースや託児サービスも用意しています。
編集部
復職したいママさんたちに嬉しいサポートがいっぱいですね。
家庭と仕事の両立となると求職者にとってメンタル面の負担も心配ですが、どうですか。
上野さん
やはり自分の悩みを持ちつつ、就職活動って孤独な作業だと思うんです。
そのような場面でアドバイザー・カウンセラーが寄り添い、いろいろお話を聞いてアドバイスを行います。
一人ひとりに専任の就職支援アドバイザーがつくので、就職活動を始めるにあたっての不安なども気軽に相談できますよ。
最後に就職先を決めるのはご本人ですが、いろいろ選択肢の幅をみていただいて、「こういう職業選択もありますよ」とお話をしていきます。
編集部
その方の背景を理解してアドバイスやサポートされているんですね。
編集部
東京で就職活動・転職活動をされる方へ、アドバイスやメッセージをお願いします。
上野さん
まずは「あきらめない」という気持ちですね。
その上で、時代に合わせて柔軟な考え方も必要だなと思います。
例えば、自分の狭い範囲だけでの情報で決めるのは、勤めてから後悔をすることになるかもしれません。
ひとりで悩まずに、私たち『東京しごとセンター』やさまざまなサポートを利用して、仕事に関する幅広い情報を集めていただければと思います。
『東京しごとセンター』では職業興味検査や、適性検査などもすべて無料です。
自分にはどんな仕事が向いているのか、キャリアの方向性をどうしたらいいのかなど、アドバイザーと一緒に考えていくことができますので、悩んだらまずお気軽にご相談ください。
取材を終えて、年齢やその人の背景、女性の悩みに合わせて柔軟なサポートをしていると思いました。
また、未就職の方へのサポートも手厚く、一歩踏み出すのにはぴったりなサービスなのではないでしょうか。
東京都で就職・転職に悩んでいる方は、『東京しごとセンター』をぜひチェックしてみてください。
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