
コンサル業界の「big4」とは?企業の特徴や違いを比較
就活でコンサル業界を志望している人は「BIG4」と耳にしたことはあるでしょう。本記事では、BIG4の意味や各社の基本情報、BIG4の社員数、売上高・営業利益・純利益、年収での比較をしていきます。ぜひご覧ください。
コンサル業界におけるBIG4とは?
コンサル業界における「BIG4」とは、世界4大監査法人と呼ばれており、以下の4つの会計事務所グループを指しています。
- 有限責任あずさ監査法人(KPMG)
- EY新日本有限責任監査法人(EY)
- 有限責任監査法人トーマツ(デトロイト トーマツ)
- PwCあらた有限責任監査法人(PwC)
上記4つの会計事務所がBIG4と呼ばれるのは、規模の大きさが理由ではありません。
BIG4は、単なる会計コンサルだけではなく、M&Aアドバイザーや企業再生業務、ERP導入のためのITコンサルなどの業務なども行っています。
単に会計の領域に留まるのではなく、会計の知識を活かしてあらゆる領域に事業拡大しています。
そういった事業拡大をしている4社をBIG4と呼ぶようになったのです。
BIG4の主な業務内容
BIG4の主な業務内容として以下の3つがあります。
- 法定監査
- 任意監査
- アドバイザリー業務
監査法人の主な業務は監査業務です。
法定監査は、企業が上場企業や資本金が5億円以上または負債総額が200億円以上の会社を対象とした監査業務です。
任意監査は、監査の目的・内容・対象の範囲等が当事者間の契約によって任意に定められた監査を行う業務のことであり、法律上での強制はありません。
アドバイザリー業務は、クライアントの抱える課題やニーズに対して、専門知識を活かしながら経営のサポートやアドバイスを行う業務です。
BIG4各社の基本情報
ここでは、BIG4各社の基本情報を解説していきます。
有限責任あずさ監査法人(KPMG)
社名 | 有限責任あずさ監査法人 |
設立年 | 2003年2月 |
従業員数 | 6,317名(2022年6月現在)(内 公認会計士2,960名) |
有限責任あずさ監査法人は、全国主要都市に6,000人以上の社員を持ち、監査や補償業務をはじめ、IFRSアドバイザリー、アカウンティングアドバイザリー、企業成長アドバイザリー、IT関連アドバイザリーを提供しています。
また、金融業、製造業、流通業、IT・メディア、ヘルスケア、官公庁など業界特有のニーズに対応した専門性の高いサービスを提供する体制を有しています。
さらに、140ヶ国以上に拡がるネットワークを通じ、グローバルな視点からクライアントを支援することも可能です。
以下の記事でKPMGの平均年収や福利厚生などについて解説しています。ぜひご覧ください。
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EY新日本有限責任監査法人(EY)
社名 | EY新日本有限責任監査法人 |
設立年 | 2000年4月1日 |
従業員数 | 5,566名(2022年6月現在)(内 公認会計士2,902名) |
EY新日本有限責任監査法人は、150以上の国や地域でデータとテクノロジーを駆使しながらクライアントの成長・変革・事業展開を支援しており、コンサルティング、税務・法務サポート、テクノロジーサポートなどのサービスを提供しています。
また、EY新日本有限責任監査法人は、人工知能(AI)、ブロックチェーン、モノのインターネット(loT)、サイバーセキュリティなど、最先端のテクノロジーも活用し、画期的なサービスを生み出すために、アライアンス企業と協働しています。
今後、最先端技術を用いた新たなサービス展開も期待できるでしょう。
以下の記事でEY新日本有限責任監査法人の年収や評判について解説しています。ぜひご覧ください。
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有限責任監査法人トーマツ(デトロイト トーマツ)
社名 | 有限責任監査法人トーマツ |
設立年 | 1968年5月 |
従業員数 | 7,403名(2022年6月現在)(内 公認会計士2,679名) |
有限責任監査法人トーマツは、1968年に複数の監査法人会計事務所が合同で設立した監査法人です。
「Quality first」をスローガンに掲げており、品質を最も重要視しているのが特徴です。
監査・保証業務・コンサルティング、リスクアドバイザリー、ファイナンシャルアドバイザリーなどのサービスを提供しています。
以下の記事でデトロイト トーマツの年収や福利厚生について解説しています。ぜひご覧ください。
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PwCあらた有限責任監査法人(PwC)
社名 | PwCあらた有限責任監査法人 |
設立年 | 2006年6月 |
従業員数 | 2,892名(2022年6月現在)(内 公認会計士877名) |
PwCあらた有限責任監査法人は、世界で長年にわたる監査実績を持つPwCネットワークの監査手法と最新技術により世界水準の高品質な監査業務を提供しています。
また、高度な知見を活用したブローダーアシュアランスサービスを通じて社会の重要な課題解決を支援しています。
ブローダーアシュアランスとは、非財務情報にかかわるアシュアランス業務のことです。
その他にも、データ分析サポート、サステナビリティ経営支援、コンサルティングなどのサービスも提供しています。
以下の記事でPwCあらた監査法人の会社情報や福利厚生について解説しています。ぜひご覧ください。
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BIG4をさまざまな分野で比較
ここでは、BIG4を以下の3つのジャンルで比較していきます。
- 社員数
- 売上高・純利益
- 年収
それでは、BIG4における上記3つのジャンルの比較結果を解説していきます。
社員数で比較
まず、2022年6月におけるBIG4各社の社員数での比較をしていきます。
監査法人 | 全体社員数 | 公認会計士数 | 公認会計士試験合格者 |
有限責任あずさ監査法人 | 6,317名 | 2,403名 | 1,331名 |
EY新日本有限責任監査法人 | 5,566名 | 2,388名 | 1,274 名 |
有限責任監査法人トーマツ | 7,343名 | 2,485名 | 1,371名 |
PwCあらた有限責任監査法人 | 3,251名 | 897名 | 576名 |
※各社2022年6月時点のデータ
上記の表からもわかるように、BIG4の中で全体社員数は有限責任監査法人トーマツが最も多くなっています。
全体社員数、公認会計士数、公認会計士試験合格者の全て、有限責任あずさ監査法人が最も多くなっています。
有限責任あずさ監査法人、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツの3社は社員数、公認会計士数、公認会計士試験合格者に関して、大きな差は見られません。
一方で、PwCあらた有限責任監査法人に関しては、他の3社と比べて社員数、公認会計士数、公認会計士試験合格者の数は少ない結果となっています。
売上高・営業利益・純利益で比較
次に、2022年6月におけるBIG4各社の売上高・営業利益・純利益の比較をしていきます。
監査法人 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 |
有限責任あずさ監査法人 | 1,110億9,800万円 | 13億5,200万円 | 3億1,100万円 |
EY新日本有限責任監査法人 | 1,064億3,100万円 | 2億8,600万円 | 4億3,200万円 |
有限責任監査法人トーマツ | 1,388億1,400万円 | 9億7,700万円 | 25億5,000万円 |
PwCあらた有限責任監査法人 | 564億5,800万円 | 17億8,700万円 | 12億700万円 |
売上高では有限責任監査法人トーマツ、営業利益と当期純利益ではPwCあらた有限責任監査法人が最も高い結果となっています。
一方で、最も低い結果となったのは、売上高ではPwCあらた有限責任監査法人、営業利益ではEY新日本有限責任監査法人、当期純利益では有限責任あずさ監査法人です。
年収で比較
次にBIG4各社の年収の比較をしていきます。
監査法人 | 平均年収 |
有限責任あずさ監査法人 | 763万円 |
EY新日本有限責任監査法人 | 770万円 |
有限責任監査法人トーマツ | 806万円 |
PwCあらた有限責任監査法人 | 810万円 |
BIG4の中で最も年収が高いのは、PwCあらた有限責任監査法人であり、810万円でした。
最も低い結果となったのは、有限責任あずさ監査法人の763万円でした。
ただし、役職や個人によって年収は異なるため、上記の表は参考程度にご覧ください。
また、日本の平均年収は約461万円なので、BIG4各社は日本の平均年収と大きく上回っています。
BIG4の就職難易度はどれくらい?
BIG4の就職難易度について気になる人もいるでしょう。
ここでは、就職偏差値を用いて就職難易度を示していきます。
BIG4各社の就職偏差値は以下のようになっています。
- 有限責任監査法人トーマツ (就職偏差値66)
- PwCあらた有限責任監査法人 (就職偏差値65)
- 有限責任あずさ監査法人 (就職偏差値63)
- EY新日本有限責任監査法人(就職偏差値63)
ただし、就職偏差値は、公式なデータではなく一般人の主観によって作成されています。そのため、参考程度にご覧ください。
BIG4各社の違いを理解しよう
本記事では、BIG4の業務内容、基本情報、従業員数・売上高・年収などの比較結果を解説しました。
BIG4は、世界4大監査法人と呼ばれており、従業員数、売上高、年収は国内企業と比べると大きく上回っています。
また、大企業である分、就職難易度も高くなっています。
BIG4への就職を狙っている人は、本記事を通してBIG4各社の情報を把握しておきましょう。
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