
【スポーツ産業の市場規模】世界と日本の現状の課題と将来性とは?
スポーツと聞くと選手や監督がフォーカスされ、なかなか運営には注目が集まりません。2025年に日本のスポーツ産業の市場規模を15兆円に上げるとスポーツ庁が発表し、スポーツ産業が現在注目を集めています。この記事では日本と世界のスポーツ産業の現状と将来性をお伝えします。
スポーツ産業の現状
現在日本スポーツ界が活気付いています。
元々世界的に強い野球、ワールドカップで健闘を繰り広げたサッカー、日本人史上2人目の世界最高峰のバスケットリーグであるNBAプレイヤーが誕生したバスケットボール。
これから日本のスポーツ界はさらに世界での地位を高めていくと思われますが、それには選手だけでなく経営、教育などあらゆる分野から日本のスポーツ産業を成長、拡大していかなければなりません。
それでは世界と日本のスポーツ産業の市場規模と今後の見通しについて見ていきましょう。
世界のスポーツ産業の市場規模について
世界のスポーツ市場は近年、着実に成長を続けています。
2009年から2013年にかけて、スポーツイベントの収入は584億ドルから761億ドルに成長しました。2005年から比較すると、2017年には倍近く成長しており、今後の成長も期待されています。
世界最大50兆円とされるアメリカの市場規模
2016年のアメリカのスポーツ産業の市場規模は50兆円とも言われ、世界のスポーツ産業をリードしています。
アメリカには有名な4大プロスポーツリーグがあり、これらが大きな収益を生んでいますが、それらよりも人気があると言っても過言ではない大学スポーツも大きな市場を生んでいます。
世界でスポーツツーリズムが発展
スポーツツーリズムとはスポーツの観戦者などと開催地周辺の観光を結びつける試みです。
国連世界観光機関が2016年に行われた国際会議で
ツーリズムとスポーツに 関する国際会議(International Conference on Tourism and Sports)」のウェブサイトでは、ツーリズムとスポーツは、世界中の数百万人もの人々を動かす 21 世紀を代表する 2 つの社会現象であり、また、今日の 社会において、活発な経済活動を促す原動力であり、非常に幅広い経済波及効果を生み出す巨大な可能性を持っている
米国スポーツ市場・産業動向調査 日本貿易振興機構(ジェトロ)サービス産業部より
と指摘していたようです。
大規模なスポーツイベントの開催がスポーツツーリズムの成長のカギであると言われているため、ホスト国の地域や国でのスポーツの投資も拡大されています。
今後は観戦型のスポーツツーリズムだけでなく、参加型のスポーツツーリズムも成長されると期待されています。
話題のEスポーツ
最近話題のEスポーツも世界のスポーツ産業を拡大させている要因の1つです。
Eスポーツとは電子機器を用いて行うゲーム対戦をスポーツとして捉えるものなのですが、オリンピックでの正式種目化も検討されている立派なスポーツ産業です。
Eスポーツ大国である中国ではゲームキャスターと呼ばれる、ライブでゲームの解説をする職業も生まれ、年間数億円を稼ぐインフルエンサーも出てきているといいます。
このことからも世界のスポーツ産業の将来性を期待できます。
日本のスポーツ産業の市場規模と将来性について
日本のスポーツ産業は世界市場の成長の流れに反して2002年から2012年の10年間は縮小傾向です。
しかし、世界では成長を続ける市場であるため日本でも拡大が期待されています。
2025年までに市場規模を3倍の15兆円へ拡大
2025年までに日本の市場規模を現在の5兆円から3倍の15兆円に上げるとスポーツ庁が目標に掲げました。
IT技術の効果的な活用や、スポンサーシップ市場の拡大、企業や他の産業と連携した活動など次々と新たな施策を行っています。
オリンピック・パラリンピックでの国民の注目
2020年東京オリンピックを代表とする世界規模のスポーツイベントは、日本スポーツ産業を盛り上げる大きな要因です。2020年を機に日本のスポーツ産業は巨大な産業へ成長するかもしれません。
ラグビーやサッカーのワールドカップ、世界陸上など大型スポーツイベントが開催されると、国民からの注目度が上がります。結果として、スポーツ産業に投資が集まり、発展へと寄与するわけです。
日本のスポーツ産業の現状と課題について
日本スポーツ産業では現在2つのことが課題にあげられています。
- 人材不足
- グローバル化拡大
一つずつお伝えします。
スポーツ経営人材の質・量の充実が急務
最近いくつかの大学でスポーツビジネス関連の講座や教育プログラムが設置されてきてはいるのですが、質、量共にまだ圧倒的に少ないのが現状です。
また、団体の経営改革や新たなプロリーグの誕生によって徐々に雇用は増えつつありますが、その数はまだまだ少なく、即戦力を求められているのもあって新卒の就職を困難にしている要因の一つです。
日本だけでなく世界への市場拡大
世界の人気クラブは世界中にファンがいるためスタジアムの動員収入だけでなく、様々なコンテンツで収入を上げることができています。
しかし、日本国内では今まで地域密着という言葉が根ざしていたため、世界に進出してきませんでした。
それの影響もあり、チケットの売り上げ以外に収益を上げにくいというのが現状です。
国内人口の減少とインバウンド(外国人観光客)の増加が予想されているため、世界市場への拡大は至上命題でしょう。
スポーツ産業に求められている人材とは?
未経験でもスポーツが好きで熱量を持って自ら動ける人を採用する企業もあるようです。
しかし、基本的には中途採用が多いので専門性があり、即戦力として働ける人が求められているようです。
スキル的なところだと、WEBリテラシーの高い人や、動画編集ができる人、WEBマーケティングの知識を持つ人材を求めている業態は増えているようです。
スポーツ産業の市場規模のまとめ
エンタメ産業の一つであるスポーツ産業はこれからさらに成長するでしょう。
それでも日本のスポーツ産業の課題は山積みで人材も不足しています。
これから転職を考えている社会人の方、就職活動を控える学生の方はスポーツ産業も検討してみてはいかがでしょうか。
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