
リアリティショックとは?なりやすい人の特徴や原因・克服法などをご紹介!
みなさんはリアリティショックという言葉をご存知ですか?リアリティショックとは、ビジネスシーンにおいて自分が想定していた仕事内容やその環境と実際に経験している状況とのギャップに悩むことを意味しています。今回はリアリティショックの意味や原因、なりやすい人、企業側の対策や克服法などをご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください!
リアリティショックとは?意味や不安要素など
近年では、さまざまなカタカナ語が多用されるようになり、それぞれのなんとなくの意味はわかっているがその使い方に自信がない、というケースも多く見受けられます。
特に、ビジネスにおいてはグローバル化が進む中で、日々注意して確認する必要があります。
今回は、人事関係者が留意しておくべき言葉として、「リアリティショック」の意味や詳細についてまとめてご紹介します。
エドガー・シャインが提唱した「リアリティショック」の意味とは
「リアリティショック」とは、英語の「Reality Shock」からきています。
アメリカの心理学者エドガー・シャインが、1958年の著書で命名した「理想と現実の差異に衝撃を受けること」を定義した言葉です。
ビジネスシーンにおいては、自分が想定していた仕事内容やその環境と実際に経験している状況とのギャップに悩むことを意味しています。
新入社員が、入社前の理想と入社後の現実の差を感じることとして、特に人事担当者が留意すべきポイントとして使われています。
リアリティショックにおける不安要素について
新たに採用した従業員がリアリティショックの状態に陥ることは、企業としては避けたいものです。
そこには、次のような不安要素を抱えることと同じことになるという背景があります。
・従業員のモチベーション低下
「リアリティショック」の状態にある、ということは、理想とのギャップを消化しきれていない状態であり、その状態が続くことで、日々の業務やキャリアに対する不安が生まれ、仕事に対するモチベーションが大きく低下する可能性があります。
またモチベーションが低いことで、仕事の成果も出ず、また現実に辟易し、さらにモチベーションが下がるという悪循環が発生します。
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リアリティショックの対象や原因について
ここでは、「リアリティショック」が起こる状況について、その対象や原因をもとに確認してみましょう。
リアリティショックは誰に起こりやすい?
「リアリティショック」は、先述の通り新たに採用された従業員、つまり新入社員に起きやすいと考えられます。
入社前にもつ会社のイメージや業務のイメージ、その環境など、理想値としてもつものと現実との相違が大きければ大きいほど「リアリティショック」は強く出るものです。
社会での経験や社会の実情に対して知識があまりない新卒者は特に「リアリティショック」が起こりやすいといえるでしょう。
一方で、中途採用者といったある程度の経験値を積んでいる場合でも、経験を踏まえた想定とのギャップに悩む、つまり「リアリティショック」が起こることはあります。
リアリティショックの主な原因とは
「リアリティショック」が起こる主な原因としては、何よりも「理想」が第一に挙げられます。
理想をもつことは、場合によっては必要なことですが、理想をもとに「こうあるべき」という自己中心的な理論に固執していまい、現状をうまく処理できなくなることが「リアリティショック」の原因になります。
また、あらゆる情報が真偽を問わず簡単に手に入るようになり、自分のスキルなど自己評価を高く持ちすぎてしまう、というのも原因のひとつと考えられるでしょう。
看護師におけるリアリティショックについて
英語圏で「リアリティショック(Reality Shock)」という言葉は、特に看護業界で使用されています。
ここでは、看護師における「リアリティショック」について確認してみましょう。
看護師にリアリティショックが多い理由や問題点など
看護師においては、その職業の性質から、神聖化されたイメージがあり、「命の現場を支える」という人間としての倫理観に直接的に関係することから、現実のその過酷な現場とのギャップが原因でリアリティショックが起きることが、多くみられれます。
患者の精神的な支えとしても大きな役目を果たす看護師は、医師と患者そしてその家族の間に立つことで精神的なストレスも多く、「リアリティショック」が起きやすい環境にあると考えられます。
病院や医療施設では、「リアリティショック」が原因の離職も多い一方で、長く勤務を続けている看護師は「リアリティショック」を自身で克服した人が多く、「誰にでもあること」「耐えれば乗り越えられる」といった考え方が蔓延し、事態を悪化させているのも現状です。
リアリティショックに対する企業側の対策について
ここでは、「リアリティショック」に対して企業側がどのような対策を講じているのかを確認してみましょう。
入社前の対策事例
入社前の期間は、いわゆる「理想」を作り上げる時間と捉えることができます。
ここで、企業が対策として取り入れているのが、「職場見学」のような機会です。
採用活動などでは、自社で働くことのメリットなど期待値が上がるような内容だけが前面に出てしまい、「リアリティショック」の根源となる「理想」をもつことを助長します。
実際の職場環境を体感し、働いている社員の話を直接聞く機会を設けることで、リアリティ(現実味)を伝えることができます。
入社後の対策事例
入社後は、新卒であれ中途であれ、新しい環境で業務を開始するという状況の中で、程度の差はあるものの誰しもが「リアリティショック」を経験するものです。
既存の社員は、その状況に「慣れている」ことから、新入社員の感じ方に同調しにくいことも多々あるはずなので、まずは長く勤めている社員が常にフォローし、声をかけるような環境を整えることが、「リアリティショック」の対策にもなります。
職場でのコミュニケーションは生産性にもつながるので、意識の高いコミュニケーション・フォロー体制が重要です。
リアリティショック克服法とは
ここでは、「リアリティショック」をどのように乗り越え、克服すればいいのかを確認してみましょう。
新入社員におすすめの克服法について
新入社員に特に起こりやすい「リアリティショック」ですが、少しでも初めての職場環境に違和感を感じたら、次のようなことを試してみましょう。
・自分の現状を受け入れる
自分がイメージするように仕事が覚えられない、自分の想定ほど成果が出せていない、このように自分の現状を「否定」することが「リアリティショック」を深刻化させます。
まずは、「失敗してもいい」「新しいことに挑戦している」と、まず自分の今の状況を自分で受容することがポイントです。
・自分と同じような立場の人と共有する
現実の状況に悩みをもっている状態で、職場の先輩や上司とコミュニケーションをとることそのものが負担になるケースもあります。同期や同じような状況にいる人に、自分の感じていること・考えていることを、聞いてもらいましょう。言語化して外に出すだけで、自分ひとりだけに起きていることではないと、気を楽にもてるようになります。
ベテラン社員にも役立つ克服法について
「リアリティショック」は、ベテラン社員でも部署異動といった業務環境の変化に伴って起きうることです。
経験があるからこそ、部署異動などが決定したら、事前に異動先の組織や人間関係について下調べし、どのように適応できるかを自分なりにシミュレーションすることが、まず予防になります。
「リアリティショック」は、理想と現実のギャップが原因です。完璧に何でもこなし、誰からも信頼される、これは現実世界では不可能なのです。
「失敗すること」「思い通りにいかないこと」があるのは当然で、そこから学べると受容の思考回路をもつことが有効な克服方法と考えられるでしょう。
まとめ
キャリアアップを考える上で、新しい環境への適応力は重要な課題です。
「リアリティショック」は、些細な変化でも起こりうるものなので、日頃から、さまざまな状況を冷静に理解しようとする姿勢、そして自分が対峙する環境を受容しそこから学ぼうとする姿勢をもつことで、ポジティブに転換することができるでしょう。
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