
【素材メーカー】仕事内容や研究開発の必要なスキルについて
素材メーカーの仕事内容とは何でしょうか?それは、洋服など身に付けるものはもちろん、製品を作るためには素材(材料)を選ぶところから始まります。製品を作るため開発も大切が、素材自体の品質や強度を追求することも重要な仕事です。そこで今回は、洋服などの衣料品や、自動車などの乗り物の素材メーカーの仕事内容について、お伝えしていきたいと思います。
繊維に関する仕事内容
衣料品などの素材として研究されているのは、主に繊維です。繊維にはオーガニックと呼ばれる綿や麻の他に、化繊などの化学製品があります。
身近な製品としては、下着や洋服に使われている保湿や、保温効果に優れた生地などです。
宇宙服などの服地も、素材の研究開発によって生まれます。
高温や低温などの厳し環境でも、人の命を守るための大切な服地です。研究者たちは、着心地や触り心地だけでなく、分子レベルでの機能まで追求します。
これらを研究するためには、理工学系の中でも、繊維に関する知識が求められるでしょう。化学繊維を対象とするなら、応用化学の知識も重宝されます。
また金属を織り込むような服地には、金属工学の技術も大切です。実際の仕事内容は、服地の素になる化学繊維や金属を、分子レベルで解析するところから始まります。
様々な物質を合わせて、作り出した生地の強度などを計測して、実際に実用化できるかどうかを、判断するのも研究の一部です。
材料に関する仕事内容
自動車や飛行機の乗り物などに使われる、素材(材料)も研究されています。乗り物に使われるアルミを始めとした金属は、強度だけでなく軽さなど、様々なことが求められているからです。
金属を作るための鉱物を対象とする研究も、一部では行われています。金属の場合、性質(物性)に関する、細かなデータを取得することが大切です。また、最終的に加工しやすいかどうかも研究の中で判断します。
金属を対象とした研究をするためには、工学系の金属工学や、材料工学といった分野の知識が必要です。
金属の材料に目を向けるなら、理学系の鉱物学に関する知識も求められます。
乗り物はもちろん、私たちの生活の中でよく使われているのが、プラスチックです。プラスチックと言っても、用途によって様々な性質が求められています。
乗り物などには、軽くて金属のように丈夫な性質が求められることも珍しくありません。様々な性質のプラスチックを作るために、作成方法や加工方法などについて、様々な研究が行われています。
主に必要とされるのは、応用化学の知識です。
基礎研究と応用研究について
素材の研究には主に「基礎研究」と「応用研究」があります。
基礎研究は、素材や原材料の研究が中心で、未確認の機能や未開発の性質や物質などを追及、研究したりします。基礎研究の仕事は、未知の素材や物質、原材料の解明や発見、研究を中心としていますので、幅広い業種に関わっています。
例えば化粧品メーカーで新製品などに使おうとしている原材料の性質を研究したり、酒造メーカーであれば、使用する酵母の研究を行ったりというようなことなど様々です。
そういった研究をするにあたっては、目標設定も明確にすることが大切です。
主な例としては、自動車航空機などの運輸機の分野では、「強度の向上と軽量化」が目的であったり、繊維メーカーであれば、「軽くて暖かい新素材」や「しわを防ぐ清涼素材」などです。
このように、はっきりとした目標を持って取り組む必要があります。
その他にも医療分野での新薬の開発、化学品などの素材の開発に関わる仕事など、各分野でのたくさんの仕事があります。
基礎研究と応用研究の仕事内容
新素材を作り出すことだけにとどまらず、その精製法や合成法、成型法などの技術の改善の為の機械の開発も必要となる場合があります。
その際に、各分野の専門家と一緒に開発を進める必要があることもありますので、広い視野で物事を見ることが出来るスキルも大切です。
時には、研究した内容をレポートにまとめてそれを論文として発表することもあります。
また、新製品を開発することに成功して、世の中に送り出すことになれば、特許の申請も大切な業務となります。場合によっては、最終的な目標はこの特許の申請ともいえるでしょう。
では、基礎研究と応用研究の仕事内容をそれぞれ見ていきましょう。
基礎研究の仕事内容とは?
このように、あらゆる商品の基礎となる素材の開発を行う基礎研究の仕事は、非常に地道な努力が必要な仕事内容となります。
また、商品の新素材を開発するための勉強を常に行い、書物や論文などで新しい情報を収集し、研究材料としていくことも重要な仕事のひとつです。チームのメンバーやほかの分野の専門家とのコミュニーケーションをとりながら、一緒に良い素材を開発していきますのでやりがいがある仕事といえるでしょう。
しかし、場合によっては研究内容や、納期の関係で長時間労働となる場合もありますので、心身のバランスを崩してしまうひとも少なくはありません。
応用研究の主な仕事内容とは?
応用研究の主な仕事の内容は、基礎研究の成果を利用して実用化を試みることなどです。
いずれにしても、高いレベルの専門性が必要とされる仕事ですので、大学や大学院などで学んだ分野と同じ業種や関連している分野の研究をしておくことが良いでしょう。
また、研究をするにあたっては、基本的にチームを組んで行われることが多いので、会議やミィーティングなどで発言したり議論を重ねて話し合うことも必要な仕事となります。したがって、スムーズに研究を進めていくには、コミュニーケーション能力も身に付けておく必要があります。
一般的には、研究を始めるにあたって、情報収集をし、調査をした後、仮説をたてて、その有効性などをチームで検討してから取り掛かることが多いです。
その中で、素材の候補とされた物は、何度も繰り返し実験を行いさらに、実験結果を検証して、改善が必要である場合には修正を行っていきます。
地道な研究と実験等が大切です。
そのためには、世界中で発表される最新論文などにも目を通し、利益となる方法を探したり常に情報を収集することも大切な仕事のひとつになります。
求められる知識や技術
研究対象となる素材によって、求められる専門知識や技術は異なります。ただし、基本的な研究者たちの仕事内容は同じです。
どの分野でも分子レベルで素材に関する、データを取得して研究を始めます。最終的には、素材に関する情報を、論文としてまとめることも研究の一環です。
素材に関する新しい発見などがあれば、論文だけでなく特許を取得することもできます。
また一般的に研究は基礎と応用に大きく分かれますが、素材の研究は応用が中心です。
金属を作るための鉱物を研究するなど、素材の素となる物質を対象にする場合は、基礎研究として扱われます。研究に必要な専門知識は、主に大学や大学院で取得する人が殆どです。
就職した後、各研究機関で、さらに知識と経験を積むことで、研究者になることができます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
素材を研究する研究者を目指すなら、大学は理学部もしくは工学部がおすすめです。
さらに最新の科学に関する知識を身につけるために、大学4年生や大学院では、素材を対象とした研究をします。
ただし、国の研究機関で研究者になるためには、大学院の博士課程(後期)まで出ることが必要です。大卒や修士でも研究の場で働くことはできますが、あくまでも研究室補助という形になります。
一部の企業であれば、大卒や修士卒でも研究者として働くことが可能です。
大卒や修士でも素材に関する、論文を書き上げて国際的な学術雑誌に取り上げられると、博士号取得に繋がります。
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