
【原子炉主任技術者の年収】600万以上稼げる職種って本当?
原子炉主任技術者という職業を皆さんは聞いたことがあるだろうか?あまり聞いたことのない人の方が多い職業だと思います。ほとんどの方が原子炉主任技術者になるには難しい資格など取らないといけないんでしょ?と思ったと思います。実は高卒でも取る事ができる。資格なのです。この記事では原子炉主任技術者とは実際どのような仕事内容なのか、資格の取り方まで細かく解説しています。
原子炉主任技術者とは
国家資格である「原子炉主任技術者」はほとんどの方が聞いたことないと思われますが、特定の分野において大変重要な役割を果たすものなのです。
この資格を取得して原子炉主任技術者になった人は原子炉が安全に運転されるよう保安および監督するという役割を与えられます。
また、1つの原子炉に対して1人の原子炉主任技術者が選任でついていなければなりません。原子炉を運用するという責任の重い仕事ですが、専門性が高く、人によっては強いやりがいを感じられるでしょう。
原子炉の運転に関わるだけならこの資格は必要ありませんが、責任者として現場をまとめるにはこの資格を取らなければなりません。
また、原子炉運転の実務経験が半年以上なければ受験資格を得られませんので、まずは原子炉主任技術者の下で働き、会社からの指令を受けて原子炉主任技術者資格を受験するという流れが大半でしょう。
関連する資格として、核燃料取扱主任者や放射線取扱主任者がありますので、興味のある方はぜひ調べてみてください。
原子炉主任技術者の年収情報
原子炉主任技術者の初任給は?
原子炉運転の実務経験を半年以上積まなければ原子炉主任技術者どころか受験資格すら得られませんので、そもそも初任給という概念がありません。
しかし、求人情報を見ると原子炉主任技術者の年収の最低ラインはおよそ350万円ほどといえそうです。
原子炉主任技術者全体の平均年収が400万円ほどですから、350万円をスタートラインに年々上がっていくのでしょう。原子炉主任技術者資格を取得してからは給料の上り幅もそれまでより大きくなると見込めます。
原子炉主任技術者の平均年収は?
原子炉主任技術者の平均年収はおよそ400万円ほどとのことです。また、現場での経験を積み重ねて中堅クラスになると年収は600万円以上にもなると言われています。
こうした高い給料の理由は、やはり専門性が高い仕事であること、背負っている責任が大きい仕事であることなどが挙げられるでしょう。
原子炉主任技術者資格を取得する人は原子力関係の企業や電力会社で働いている場合が多く、キャリアを上げるきっかけにもなります。ですから、資格取得を機に手当が増えたり、昇進したりするケースが多いのでしょう。
原子炉主任技術者の仕事内容とは
原子炉主任技術者のやりがい
原子炉主任技術者は専門性の高い資格であり、電力会社や原子力発電所などが原子炉を運転するにはこの資格を持っている人が不可欠です。
そのため、原子炉主任技術者は替えの利かない貴重な人材と言えますし、仕事内容に誇りを持って働くことができるのです。
日本は先進国の中でも原子力発電の占める割合が高く、いろいろな意見もありますが今後も核燃料を使用したエネルギーの供給はなくならないでしょう。こうした将来の安定性も、原子炉主任技術者が安心して働ける理由の一つとなっています。
原子炉主任技術者になるには
原子炉主任技術者の試験を合格しよう
原子炉主任技術者の資格試験は筆記試験と口述試験に分かれており、第一段階である筆記試験を受験するにあたって求められる条件はありません。
筆記試験に合格することができれば口述試験に進めますが、こちらは受験するための条件が定められています。具体的には、少なくとも半年間の原子炉運転経験を持つこと、もしくは指定の講習を修了していることのどちらかです。
指定されている講習は世界中に10個しかない講習機関でしか受けられないもので、現場経験のない方はまずこちらで講習を受講しなければなりません。
講習課程は日本だけでなく、アメリカのペンシルベニア州にあるシッピングポート原子力発電所訓練課程や、テネシー州にあるオークリッジ国立研究所原子炉技術学校運転管理過程なども含まれます。
こうした海外での研修も受験資格として認められるのは、日本の国家試験のなかでは珍しいと言えます。
原子炉主任技術者の難易度は?
原子炉主任技術者資格は試験難易度が高いことで知られており、その合格率の内訳は筆記試験が10%程度、口述試験が50%程度となっています。
このレベルの難易度ですと、二級建築士や電気通信主任技術者などが同じくらいの難しさと言えます。
そもそも原子炉主任技術者は毎年受験者数が少なく、200人を超える程度ですので、筆記試験の段階で20~25人ほどまで絞られてしまうのです。
合格率はどれくらいなの?
ここで、詳しい合格率を見ていきましょう。2018年は筆記試験の合格率が13.3%、口述試験では27.7%でした。
その前年の2017年では筆記試験が15.5%、口述試験が13.8%となっています。さらにその前年の2016年では、筆記試験8.6%、口述試験16.7%と、どの年も狭き門であるということがお分かりいただけるでしょう。
原子炉主任技術者に関する疑問
高卒でも原子炉主任技術者になれる?
まず原子炉主任技術者の筆記試験ですが、こちらは受験するのに必須の事項がありませんし、年齢や学歴の制限もありません。そのため、言ってしまえば受験だけなら誰でも出来るのです。
最終学歴が高校であっても、十分な知識を有していれば筆記試験を通過することはできるでしょう。
また、口述試験も実務経験があること、指定の講習を受けていることなどの条件こそありますが、学歴は不問となっています。つまり、口述試験の受験資格を満たしていれば学歴は関係なく、原子炉主任技術者を目指せるということです。
原子炉主任技術者の試験免除とは?
原子炉主任技術者の資格試験には科目の免除が設定されています。
原子力規制委員会の認定を受けた大学院で原子力専門職学位を修めていれば、「原子炉理論」や「放射線測定及び放射線障害の防止」など、筆記試験のほとんどの科目(「原子炉に関する法令」科目以外)が免除されるのです。
加えて、こうした教育機関で学んだ人は専門知識が十分身に着いていると判断され、口述試験の受験資格も得ることができます。
ただし、こうした科目免除制度を利用できるのは学位を修了してから5年以内と定められていますので、受験するまでに期間が開いてしまったり、不合格が続いてしまったりすると免除制度を利用できなくなってしまうことにご注意ください。
まとめ
今回は原子炉主任技術者について解説いたしました。
あまり知名度の高くない資格ですが、電力会社など、特定の業種では重宝される資格です。これを機に理解を深めていただければ幸いです。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
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