
【定年退職後の失業保険】支給額はいくら?計算方法や貰い方について
定年退職後に、失業保険の支給を考えている方も少なくないでしょう。しかしながら、失業保険を貰うには様々な手続きや条件があります。1から調べるのは、労力が掛かってしまうでしょう。そこで今回は定年退職後の失業保険の貰い方や給付額などについてご紹介します。ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか?
定年退職後の失業保険の待期期間や給付日数
定年退職後に失業保険を受け取る場合、待期期間や給付日数はどうなるのでしょうか。
定年退職後の失業保険の待期期間
失業保険の申し込みを行ってから支給されるまでの期間を待期期間といいます。定年退職の場合にも待期期間があるかどうかですが、この点に関しては倒産や解雇による失業の場合と同様です。
すなわち、待期期間は受給資格決定日から通算して7日間になります。
定年退職後の失業保険の給付日数
これに対して、定年退職者(=高年齢被保険者)の給付日数に関しては一般の被保険者と異なります。すなわち、被保険者であった期間に応じ基本手当日額の30日分又は50日分に相当する高年齢求職者給付が支給されることになるのです。
具体的には、被保険者であった期間が1年以上の場合50日分、1年未満の場合30日分になります。
定年退職後の失業保険はいくら?いつから支給?
では、定年退職後の失業保険は、いくらもらえるのでしょうか。また、いつからもらうことができるのでしょうか。
定年退職後の失業保険の計算方法
定年退職後の失業保険(高年齢求職者給付金)の受取金額は、上記の給付日数に基本手当日額を掛けることによって、算出することができます。
基本手当日額は、一部の例外を除き、離職日から遡って6ヶ月分の給与総額を180で割ったもの(これを賃金日額といいます)に給付率を掛けたものです。給付率は50~80%で、賃金日額によって変わります。賃金日額ごとの基本手当日額計算式は、基本手当の30歳未満の受給資格者と同様で、以下の通りです。
賃金日額が、
2,480円以上4970円未満の場合、賃金日額×80%
4,970円以上12,210円以下の場合、0.8×賃金日額-0.3×{(賃金日額-4,970)÷7,240}×賃金日額
12210円以上13,500円以下の場合、賃金日額×50%
13,500円を超える場合、6,750円(上限額)
定年退職後の失業保険はいつからもらえるの?
支給日は、自己都合退職の場合と会社都合退職の場合で異なります。自己都合の場合、3ヶ月間の給付制限の後の最初の失業認定日から約5日前後、会社都合の場合、最初の失業認定日後、約5日前後です。
なお、いずれも前述の待期期間の後ですのでご注意ください。
定年退職後の失業保険のもらい方
失業保険の基本手当は、通常、数ヶ月に分けて支給されます。
これに対し、定年退職後の失業保険(高年齢求職者給付金)は、通常と異なり、一括支給されるという違いがあります。
そのため、ハローワークで失業認定を受けるのも1度だけです。
定年退職後は職業訓練の活用方法
実は、定年退職後に職業訓練を利用すると、多くのメリットがあります。そこで、ここでは定年退職後の職業訓練の活用方法をご紹介します。
定年退職後の職業訓練校を活用しよう
職業訓練校は、ハローワークで求職申込をした人に、再就職に役立つ知識や技能を無料で習得することをサポートしてくれる国の学校制度です。理論や知識、技術を習得できるほか、実はさまざまなメリットがあります。
まず、退職理由が自己都合であっても失業給付をすぐに受け取れるというメリットがあります。自己都合退職の場合、前述したように、3ヶ月の給付制限がありますが、これが解除されるということです。
また、一定の条件を満たした場合、入会金や受講料などの一部を負担してくれる教育訓練給付金の支給も受けられます。これは、高年齢求職者給付金とは別に受け取ることができるので、利用できる場合には利用しておきたいところです。
職業訓練は60歳以上?
職業訓練のコースには、ほとんどのものに年齢制限はついていません。したがって、60歳を超えていても受講することができます。むしろ、昨今の高齢社会に対応して、各都道府県で高年齢者向けのコースが設定されているくらいです。
退職後もまだまだ働きたいが、できれば新しい挑戦をしたい、という方は、積極的に挑戦してみることをおすすめします。
コースの開始2~3ヶ月前から、ハローワークで募集がかけられますので、締め切りをすぎないよう応募しましょう。また、職業訓練は上記のようにお得な制度でもあるので、選考はかなり激戦です。ほとんどのコースで選考試験があり、入校の意欲や就職の必要性も重視されますので、事前にしっかりと準備して臨みましょう。
年金と失業保険を同時にもらう方法とは?
老齢厚生年金と失業保険は同時に受け取ることはできるのでしょうか。
年金と失業保険を両方もらう方法
まず、失業保険の基本手当は、65歳未満の場合に受け取ることができますが、これを受け取る場合には、老齢厚生年金は全額支給停止になるので、年金の受給はできないことになります。
また、65歳以上の場合、高年齢求職者給付金を受け取れるのは前述した通りですが、この場合も、老齢厚生年金が受け取れないことは同様です。しかし、65歳の誕生日の直前に退職することにより、失業保険の基本手当の受給資格を取得しつつ、65歳になった後に失業手当を受け取ることで、老齢厚生年金も受け取ることが可能になります。
具体的には、65歳未満として認められるのは65歳になる前の2日前までですので、このタイミングで退職し、65歳になった後、各種の書類をハローワークに持っていきます。
そうすると、失業保険の基本手当を受け取れる資格を持ちながら、65歳未満で基本手当を受給するわけではないので、老齢厚生年金との併給調整をされずに年金も受給できるというわけです。65歳以上で退職すると、失業保険の給付としては高年齢求職者給付金を一時金として受け取れますが、前述したように給付日数は最大でも50日分しかもらえません。
これに対し、基本手当では、加入期間に応じて給付日数は最大150日となるので、その点でもこの方法はメリットがあります。
最後に
今回は、定年退職と失業保険について解説してきました。
退職日によって給付金の受取額が全く異なることがご理解いただけたと思います。退職が決まると、何かとバタバタしがちですが、しっかり日程を調整して、給付金をうまく利用しましょう。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。