
【LLP(有限責任事業組合)の意味】メリットやデメリットについてもご紹介
ここでは、LLPの意味を解説しています。LLPとはLimited Liability Partnershipの頭文字をとった略語です。
日本語では、有限責任事業組合という呼び方があります。また、LLPのメリットやデメリットについても詳しく記載されているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
LLPについて
まずLLPとはどんなものなのか、概要について紹介します。
LLPとは何の略?
LLPは、Limited Liability Partnershipの頭文字をとった略語です。
日本語では、有限責任事業組合という呼び方があります。LLPは株式会社や合同会社の代わりになる新しいタイプの組織形態のことです。
有限責任事業組合をわかりやすく説明すると?
有限責任事業組合をわかりやすく説明すると、万が一事業に失敗して損失が出ても、LLCの場合は自分が出資した金額以上の責任を追わなくてよいのが特徴です。
たとえば、LLCに100万円出資したのなら、事業に失敗して多額の損失が出ても、出資した100万円が損失になるだけで、それ以上の責任を負う必要がありません。
責任が有限なので、有限責任事業組合と呼ばれます。一方、株式会社は無限責任となり、事業で失敗して損失が出たなら、それは債務として返済しなけれびならなくなります。
LLPとLLCの違い
LLPと共通点のある似た制度としてLLCというものがあります。LLCとはLimited Liability Companyの略です。日本語では合同会社となりますが、LLCよりも合同会社の方が聞き覚えがあるかもしれません。
この2つの違いは、LLPは法人ではなく組合組織なのに対して、LLCは法人であるという組織の基本的な部分です。組合組織であるとどのような違いが出るかというと、法人ではないため法人税が課税されないというのが大きな特徴になります。
LLCは法人税が課税されることになります。もう一点、LLPは株式会社に変更することはできないのに対して、LLCはあとから株式会社にできるという違いもあります。
LLPの事例について
実際のLLPの事例について紹介します。
LLPと物流の事例について
LLPは実にさまざまな分野で活躍しています。コストダウンのために物流でLLPを活用するという事例もあります。
もとから何らかの事業を行っている株式会社が、事業の一部をLLPで運営するという事例はLLPのよくある活用方法です。
LLPと医療の事例について
医療の現場でも組織形態がLLPになっている場合があります。
たとえば、医療分野での基礎的な研究を行う組織を、医療法人や株式会社ではなくLLPで運営する場合があります。
LLPの設立について
LLPを設立する手続きの流れやLLPを設立するのに必要な費用について紹介します。
LLPの設立方法
LLPの設立方法は、組合の基本事項を決定し、契約書の作成をしたあと、法務局で登録を行うという流れになります。
まず、一番始めにLLPの立ち上げ発起人を決める必要があります。この発起人が合意した組合基本事項を決定して、それにもとづいて組合契約書の作成を行います。
組合契約書に記載されている通り出資金の払い込みを完了したあとに法務局に行って登録をすれば設立完了ということになります。
LLPの設立費用とは?
LLPを作るときに必ず必要になる料金は6万円です。
これは登録免許税といって、法務局で登記するときに納めるお金です。
LLPの設立費用はどのくらい?
LLPの設立に必ず必要なのは登録免許税ですが、設立代行業者や税理士などに手続きを任せる場合はそちらの費用も必要になります。
どんな業者を使うのかによっても違いますが、登録免許税を含めてだいたい10万円程度で設立できることが多いです。
LLPと節税について
LLPの税金関係での特徴について解説します。LLPによる節税効果も紹介します。
LLPは節税になる?
LLPの税金での特徴は、組織にではなく個人に所得税という形で課税されるところです。
このような仕組みのことを、組合の構成員に課税することから構成員課税と呼ぶことがあります。組織の運営状況や利益の状況によってはLLPの方が節税になる場合があります。
LLPの節税効果について
LLPは法人ではありませんので、法人税の課税がなく、LLPの構成メンバーの所得税が課税されます。
株式会社の場合は法人として法人税が課税され、さらに給料を受け取った従業員に所得税が課税されますので、2度課税されることになります。
LLPの場合は構成員の所得税が一回だけですので、その意味では節税効果があると言えます。
LLPの節税術はある?
LLPの節約術としては、LLPが赤字になったときの確定申告での損益通算があります。LLPの事業運営で赤字になった場合、LLP以外の所得からLLPの赤字を引くことができます。
そうすることで課税所得が低くなり、所得税や住民税が安くなります。また、複数人で出資してLLPで事業を行うなら、消費税の納税でも有利になります。顧客から預かった消費税を国に納める義務が生じるのは売上が1000万円を超えてからです。
個人事業主の場合、売上が1000万円を超えると自動的に納税義務が発生しますが、LLPの場合は売上の金額を組合員の人数で割ることができます。
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▶︎【LLPは節税になるのか】設立費用についてもご紹介
LLPのメリットとデメリットについて
LLPのメリットはどんなところにあるのか、注意点やデメリットについて解説します。
LLPのメリットは?
LLPのメリットとして大きいのは、法人税が課税されないというところでしょう。LLPは法人という形ではないことから、当然法人税が課税されません。
LLPの税金は、組合員の所得税のひとつだけになりますので、法人税と従業員の所得税の2重課税になる株式会社よりも税金が安くなる場合があります。また、LLPのメンバーは従業員ではなく組合員ですので、給料の支払いはなく、福利厚生や社会保険の負担が強制されないのもメリットです。
また、LLPは組織の柔軟性が高く、LLPの事業で出た利益をどんな比率で誰に分配するかは自由に決めることができます。
LLPのデメリットは?
LLPのデメリットは銀行など金融機関から事業資金の融資が受けにくいところです。
また、LLPとして設立した組織は、後で株式会社に変更できないのもデメリットです。このようなデメリットとメリットを総合的に検討することが大切です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回はLLPについてご紹介しました。
ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか。
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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