【ヒューマンスキルとは？】低いスキルを上げる方法と研修例

キャリアアップを目指した場合、まず考えることがスキルアップです。
語学といった特定の資格だけではなく、近年ではあらゆる場面で「スキル」が求められるようになりました。
 
今回は、最近注目されている「ヒューマンスキル」についてご紹介します。

ヒューマンスキルとは？

 「ヒューマンスキル」とは、アメリカの経営学者であるロバート・カッツ氏によって提唱されたマネジメントに必要とされるスキルのひとつで、日本語では「対人関係能力」と言われています。
 
この「ヒューマンスキル」は、人間関係を良好に保つために必要な能力（スキル）を意味します。

具体的なヒューマンスキルは？

 他者との関係性を良好に保つために必要な「ヒューマンスキル」には、いくつかの種類や分類があります。
代表的なヒューマンスキルには次のようなものがあります。
 

・ヒアリング
これはその言葉の通り、「聞く」というスキルです。

自分から一方的に話すのではなく、相手の言葉を聞き取りその考えを理解する、ということは関係性を築きあげるために不可欠なことです。

傾聴力とも同じ意味で、相手の話を正しく理解するスキルもヒューマンスキルのひとつです。
 

・ロジカルシンキング
これは、物事を主観や感情を軸にせず論理的に思考するスキルです。

特にビジネスシーン、ことマネジメントにおいて、いかに理論的に冷静に客観的に物事を思考し判断できるかは重要なスキルとしてとらえられます。
 

・ネゴシエーション
あらゆる場面で、「交渉（ネゴシエーション）」のスキルが活用されています。
営業などで取引先との条件交渉はもちろん、社内でもチームワークを生産的に進めるには常にネゴシエーションが発生します。

このヒューマンスキルも、幅広い場面で必須となる能力のひとつです。

ヒューマンスキルが注目される理由は？

 ヒューマンスキルが注目されている理由としては、次のようなことが挙げられます。

・柔軟性を高める必要性

社会情勢やそれによるビジネスの情勢は常に変化し続けています。
さまざまな働き方が導入される中で、特にマネジメントクラスは従業員全体に対してその状況に応じた指示を的確に出していく必要があります。

そこで求められる柔軟性を支えるのがヒューマンスキルなのです。

・生産性の向上

企業としての業績を上げるためには、従業員の生産性を向上させていくことが求められます。
その中で、現場での問題点を聞き取り、どのように全体としてのバランスを取りつつ判断していくかが、人材育成という点でも重要です。

そこで高いヒューマンスキルが求められています。

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▶︎【ヒューマンスキルの意味とは】スキルを磨くためには？

ここでは、ヒューマンスキルを測定する「ICP人材力診断」について確認していきましょう。

ヒューマンスキルが測定できるＩＣＰ人材力診断とは？

 CP人材力診断とは、9つのビジネス・ヒューマンスキルの測定と4つの資質の測定を行う診断です。
 
企業が特に若手人材に求めている人材像をヒアリングしその結果をベースにした「ビジネスシーンの未来に求められるヒューマンスキル」を網羅的に測定できるように設計されたものです。

ＩＣＰ人材力診断によるヒューマンスキルの測定項目は？ 

ICP人材力診断における測定項目は9項目に分かれています。

1.  指導・決定力

2.  支援・協調力

3.  交渉・説得力

4.  分析・解釈力

5.  創造・概念化力

6.  組織化・遂行力

7.  適応・対処力

8.  成果・達成力

9.  冷静・安定力
 
それぞれを九角形のバランスチャートで確認することができます。

ＩＣＰ人材力診断によるヒューマンスキルの分析方法とは？

ICP人材力診断におけるヒューマンスキルは、1000を超える組織で活用実績のあるアセスメント（評価）ツールをベースに、組織心理学の専門家である慶應義塾大学大学院の渡辺直登教授の監修のもとに開発されたツールで分析されます。

「ヒューマンスキル」が低いとどのような影響が考えられるのでしょうか。
ここでは、ヒューマンスキルの重要性について確認してみましょう。

ヒューマンスキルの重要性について

ヒューマンスキルが指す範囲は非常に幅広く、ビジネスという人との関わり合いがすべてのベースにある場面では、あらゆる場面でそのスキルが求められます。

コミュニケーション能力（ヒアリング・ネゴシエーションなど）はもちろん、スケジュールマネジメントや、コーチングなど、特にマネジメントクラスにはヒューマンスキルは必須ともいえます。

ヒューマンスキルが低いと？

 ヒューマンスキルが低い、つまり、対人関係能力が低いと、ビジネスにおけるさまざまな場面で何らかの不具合が生じたり、効率が落ちることが考えられます。

会議ひとつを例にしても、ヒューマンスキルが低い人がファシリテートすると、まず全体の意見を聞き取り、状況に応じた進行がされず、会議の本来の目的を達成できない可能性もあるということです。

専門性だけでは難しいのはなぜ？

高い専門性はビジネスで確かに重宝されるスキルのひとつです。

しかし、専門性だけでは成果を上げることは不可能なのです。チームとして相互協力しながらプロジェクトを推進することが成果に結びつくからです。
 
いかにその専門性を活かすかは、専門外の人に理解させるコミュニケーション力、そしてより高い専門性を目指してチームで業務を遂行するための推進力が求められ、つまりヒューマンスキルがここでも必要となるということになります。

ヒューマンスキルを向上させるためには、どのような方法があるのでしょうか。
ここでは、ヒューマンスキルを上げる方法について確認してみましょう。

ヒューマンスキルを上げるために大切なことは？

幅広いスキルを網羅するヒューマンスキルを上げるために大切なことには、次のようなものがあります。
 
・自分を理解する

・他者を理解する

・状況を理解する

・人間を理解する
 
あらゆる視点で、社会に属する集団全体としてだけではなく、個々人を双方向で理解しようとする姿勢がヒューマンスキルを上げるためにまず求められる姿勢です。

ヒューマンスキルを上げるには？

ヒューマンスキルを上げるために、すぐに取り組むことができるのが「ヒューマンスキルを意識して行動する」ことです。

ビジネスシーンだけではなく、日常生活から相手の話の聴き方を意識してみたり、全体を取りまとめる方法について考えてみたりと、常に自分の言動、相手の言動を意識することが、ヒューマンスキルの向上に効果的です。
 
また、ヒューマンスキルに関する講座や研修も多く実施されており、積極的に参加するのも有効な方法のひとつです。

ヒューマンスキルの研修例について

ヒューマンスキルには、先述の通りさまざまな種類のスキルが含まれており、研修ではそれぞれのテーマに分けて構成されています。

例えば、ロジカルシンキングをテーマにしている研修やヒアリングに特化した研修などがあります。
 
また、年代別に分けて、若手社員向けやエグゼクティブ向けなど、キャリアのそれぞれの段階に求められるヒューマンスキルを効率的に学べる研修もあり、自身の目的に合わせて選択することが可能です。

ビジネスシーンではもちろん、社会の一員として健全に生活していく上で、ヒューマンスキルはとても重要な役割を果たしています。
 

まずは自分を理解すること、そして目の前にいる相手を理解しようと努力する姿勢、これだけでも、ヒューマンスキルの習得の大きな一歩になるのです。