
派遣から直接雇用はあり?メリット・デメリットや実際の流れも解説
「派遣先から直接雇用を打診されたけれど迷っている」「そもそも派遣先からの引き抜きは違法では?」と不安になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では派遣から直接雇用になるメリット・デメリットや実際の流れを紹介します。直接雇用へ切り替える際の履歴書の書き方も紹介しますので、気になる方は最後までお読みください。
直接雇用とは?派遣・直接雇用・正社員の違い
「そもそも直接雇用は派遣と何が違うの?」と疑問に思っている人も多いかもしれません。
本章では、直接雇用の定義や正社員との違いについて解説します。
直接雇用とは?
直接雇用とは、企業と労働者が直接雇用契約を結ぶことです。
派遣の場合は派遣会社と労働者が雇用契約を結ぶため、派遣先企業と労働者に雇用関係は発生しません。
そのため、直接雇用の場合は契約を結んでいる企業から直接給与が支払われますが、派遣は派遣会社から給与が支払われます。
つまり、派遣と直接雇用は「労働者が誰と雇用契約を結んでいるか」という点が異なり、給与の支払元も変わります。
派遣と直接雇用の違い
「直接雇用=正社員という意味ではないの?」と考えている方もいるかもしれません。
いずれも雇用形態に関する用語ですが、厳密には意味が異なります。
直接雇用は雇用形態を表し、正社員は直接雇用における条件を指します。
直接雇用は契約社員やアルバイトも含まれるため、直接雇用は必ずしも正社員として雇用されるわけではない点に注意しましょう。
直接雇用と正社員の違い
「派遣から直接雇用に切り替えるのは契約違反ではないか?」「違約金はかかる?」と不安になる方も多いでしょう。
結論、契約期間終了後に派遣先企業が引き抜きを行うことは違法ではなく、労働者本人が違約金を支払うこともありません。
労働者派遣法第33条では、以下のように「派遣労働者に係る雇用制限の禁止」を定めています。
第三十三条 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者又は派遣労働者として雇用しようとする労働者との間で、正当な理由がなく、その者に係る派遣先である者(派遣先であつた者を含む。次項において同じ。)又は派遣先となることとなる者に当該派遣元事業主との雇用関係の終了後雇用されることを禁ずる旨の契約を締結してはならない。
2 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者に係る派遣先である者又は派遣先となろうとする者との間で、正当な理由がなく、その者が当該派遣労働者を当該派遣元事業主との雇用関係の終了後雇用することを禁ずる旨の契約を締結してはならない。
引用元:e-gov法令検索|労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
労働者には憲法上の権利として職業選択の自由があるため、派遣契約終了後に元派遣先と直接雇用契約を結んでも問題ありません。
引き抜きによって、派遣会社が元派遣先である企業へ紹介手数料を請求する可能性はありますが、労働者本人が負担することはありません。