
【問題例7選】SPIの推論は難しい?解くコツや対策方法を解説
SPIの推論は、与えられた情報をもとに正しい結論を導き出す問題です。推論は公式や暗記では通用しないため、難しいと感じる人が多いでしょう。本記事では、SPI推論を解くコツや対策方法を徹底解説しています。
SPIの推論とは?難しい?
SPIの推論とは、就活で行われるSPI能力検査の非言語分野で出題される問題ジャンルの一つです
SPIの中でも難易度が高い問題であり、対策が非常に重要となります。
そもそも推論とは、与えられた情報をもとに正しい結論を導き出すことであり、問題を解くための公式や特別な知識は必要ありません。
問題を整理しながら、答えに辿り着く必要があります。
SPIの推論にはどんな問題がある?
SPIの推論の出題パターンは、主に以下の7つがあります。
- 順序
- 密度
- 発言の正誤
- 対戦
- 位置
- 平均
- 内訳
それでは、それぞれの出題パターンを詳しく解説していきます。
問題1.順序
「順列」は、与えられた情報をもとに、正しい順列を答える問題です。
以下で「順列」の例題をご紹介します。
K、R、N、O、Tの5つのチームでバスケットボールの大会を開いた。去年と今年の順位について、次のことがわかっている。ただし、同率同位のチームはない。
1. Kは今年、昨年から3つ順位が下がった。
2. 昨年も今年もOはTより1つ下の順位だった。
3. Rの今年の順位は2位だった。
左から順に1位〜5位のチームを並べた。今年の順位として正しいものはどれか。AからDの中で1つ選びなさい。
A.TRONK
B.TROKN
C.NRTOK
D.NRTKO
答え:C
解説
「3.Rの今年の順位は2位だった。」
今年の順位:◯R◯◯◯
「1. Kは今年、昨年から3つ順位が下がった。」
去年の順位:K◯◯◯◯ → 今年の順位:◯R◯K◯
去年の順位:◯K◯◯◯ → 今年の順位:◯R◯◯K
「2.昨年も今年もOはTより1つ下の順位だった。」
→上記からKとOはワンセットだとわかる。
今年の順位:◯R◯K ←ワンセットのKOが入る順位がないので正しくない。
今年の順位:◯RTOK ←KOが3位、4位に入る。残るNが1位に確定する。
今年の順位:NRTOK
よって、答えはCの「NRTOK」の順番になる。
問題2.密度
「密度」は、与えられた情報をもとに、密度を算出する問題です。
以下で「密度」の例題をご紹介します。
市名 | 人口密度 |
O市 | 780 |
P市 | 540 |
Q市 | 930 |
次の推論のア、イを考え、AからIまでの中から正しいものを1つ選びなさい。
ア.Q市の人口密度は、O市とP市を合わせた地域の人口密度に等しい。
イ.O市の人口とP市の人口の和は、Q市の人口の2倍である。
A.アもイも正しい
B.アは正しいが、イはどちらとも言えない
C.アは正しいが、イは誤り
D.アは誤りだが、イは正しい
E.アはどちらとも言えないが、イは正しい
F.アはどちらとも言えないが、イは誤り
G.アは誤りだが、イはどちらとも言えない
H.アもイもどちらとも言えない
I.アもイも誤り
答え:D
解説
P,Q,Rの面積を計算していく必要がある。
O市とQ市の面積は同じであるため、仮に面積を1㎢とし、P市は2㎢と置く。
まずは人口密度の公式から、人口を計算する。
人口密度の公式:人口=人口密度 × 面積
「アの推論」
O市の人口:780 × 1 = 780人
P市の人口:540 × 2 = 1,080人
二つの市の面積の合計:1 + 2 = 3㎢
人口密度は、人口密度=人口/面積で計算できるため、
(780 + 1,080)÷ 3 = 620 となる
Q市の人口密度は930なので、アは誤りであることが分かる。
次にイの推論を確かめてみる。
O市の人口は780人、P市は1,080人なので、人口の和は、780+1,080=1,860 となる。
さらにQ市の人口(930 × 1)の2倍は、930 × 2 = 1,860 となる。
よって、P市とP市の人口の和はQ市の人口の2倍と同じになり、イの推論は正しいことが分かる。
この推論によりアは誤り、イは正しいことが分かる。
よって、答えはDとなる。
問題3.発言の正誤
「発言の正誤」は、1人もしくは数人の発言をもとに、矛盾を見つけ出す問題です。
以下で「発言の正誤」の例題をご紹介します。
ある企業のメンバーについて、次の3つの情報がある。
1.少なくとも2カ国のアジア国籍のメンバーがいる。
2.少なくとも日本国籍が2人と韓国国籍が2人いる。
3.少なくとも3人のアジア国籍のメンバーがいる。
1〜3までの情報は信頼できるとは限らない。そこで、次のアからウの推論がなされた。
アからウの推論のうち、正しいものをA〜Hから選びなさい。
ア.1が正しければ、2も必ず正しい
イ.2が正しければ、3も必ず正しい
ウ.3が正しければ、1も必ず正しい
A.アだけ
B.イだけ
C.ウだけ
D.アとイの両方
E.アとウの両方
F.イとウの両方
G.アとイとウのすべて
H.正しい推論はない
答え:B
解説
ア:1が正しければ、2も必ず正しい×
中国国籍やインド国籍の人がいる可能性もある。
イ:2が正しければ、3も必ず正しい◯
ウ:3が正しければ、1も必ず正しい×
日本国籍の人が3人いる可能性もある。
よって、答えはBとなる。
問題4.対戦
「対戦」は、与えられた情報から対戦結果を導き、選択肢の中から正しいものを選ぶ問題です。
以下で「対戦」の例題をご紹介します。
A、B、Cの3人がジャンケンを行った。1回目は勝負がつかず、2回目は二人が勝った。この時、次のことがわかっている。なお、3人が同じものを出したか、3人とも違うものを出した場合は、勝負がつかないものとする。
1.Bは2回ともチョキを出した。
2.Cは1回だけパーを出した。
3.2回目にAはチョキを出した。
1回目のジャンケンについて、必ずしも誤りとは言えない推論はどれか。AからHの中で1つ選びなさい。
A.アだけ
B.イだけ
C.ウだけ
D.アとイ
E.アとウ
F.イとウ
G.アとイとウ
H.必ずしも誤りとは言えない推論はない
答え:D
解説
1:Qは2回ともチョキを出した。
2:Rは1回だけパーを出した。
3:2回目はPはチョキを出した。
1回目・アイコ | 2回目・2人勝ち | |
A | 1 | チョキ |
B | チョキ | チョキ |
C | 2 | 3パー |
1がパーであれば、2がグーで成り立つ。
2がチョキであれば、1がチョキで成り立つ。
2がパーだと、3はパー以外になり、2回目の2人勝ちが成り立たない。
よって、答えはウになる。
問題5.位置
「位置」は、位置関係に関する情報から、想定される位置関係を洗い出し、選択肢の中から正しいものを選ぶ問題です。
以下で「位置」の例題をご紹介します。
赤、緑、青のコップが全部で5個ある。これらを次の条件で横一列に並べた。
1.赤いコップは2個あり、赤いコップ同士は隣り合わない。
2.赤いコップと青いコップは隣り合わない。
このとき、青いコップの位置としてあり得るものはどこか。1〜5の当てはまる番号を選びなさい。
左←1 2 3 4 5 →右
答え:1,3,5
解説
条件より、赤いコップは2枚あり、緑のコップとしか隣り合わないため、配置は◯緑◯緑◯にあり、コップの並びは下の3パターンとなる。
青緑赤緑赤
赤緑青緑赤
赤緑赤緑青
よって、答えは、1,3,5になる。
問題6.平均
「平均」は、平均額をもとに、各々の金額を算出する問題です。
以下で平均の例題をご紹介します。
50個のぶどうをP、Q、R、S、Tという5人に配った。配られた個数について、次のことがわかっている。
1.同じ個数の人はいない。
2.P、Q、Rの平均は12個である。
3.PとRは11個差である。
4.QとS、QとTはそれぞれ3個差である。
10個配られた人はだれか。当てはまるものをすべて選びなさい。
ア.P
イ.Q
ウ.R
エ.S
オ.T
答え:エとオ
解説
「2.P、Q、Rの平均は12個である。」
P+Q+R=12×3=36個
P+Q+R+S+T=50個なので、
S+T=50−36=14個となる
4.QとS、QとTはそれぞれ3個差である。
SとTは6個差または同じ個数だが、1より、同じ個数はないのでSとTは6個差に確定。
S+T=14個で、6個差になる数なので、S+Tは4個と10個に確定。
よって、10個配られた人はSかTとなる。
問題7.内訳
「内訳」は、与えられた情報をもとに、何が何個あるのか、どこに何人いるのかの内訳を答える問題です。
以下で内訳の例題をご紹介します。
りんご、みかん、ぶどうを9個買った。3種類について、次のことがわかっている。
1.りんごの数はみかんの数より多い。
2.3種類とも少なくとも1個は買った。
必ず正しいと言える推論はどれか。AからHの中で1つ選びなさい。
ア.ぶどうが2個ならば、みかんは3個である。
イ.ぶどうが4個ならば、みかんは2個である。
ウ.ぶどうが5個ならば、みかんは1個である。
A.アだけ
B.イだけ
C.ウだけ
D.アとイ
E.アとウ
F. イとウ
G.アとイとウ
H.ア、イ、ウのいずれも必ず正しいとはいえない。
答え:C
解説
りんご、みかん、ぶどうの合計は9個
→りんご+みかん+ぶどう=9
「1.3種類とも1個は買った。」→ 0個はない。
「2.りんごの数はみかんより多い」→ りんご>みかん
「合計9個」「りんご>みかん」の条件で、選択肢の例外を考える。
ア:ぶどう2個であれば、りんご+みかん=9−2=7
7個を「りんご>みかん」で分ける → りんご6個、みかん1個なども成り立つ。
イ:ぶどう4個であれば、りんご+みかん=9−4=5
5個を「りんご>みかん」で分ける → りんご4個、みかん1個も成り立つ。
ウ:ぶどう5個であれば、りんご+みかん=9−5=4
4個を「りんご>みかん」で分ける → りんご3個、みかん1個だけが成り立つ。
よって、答えは、「ウだけ」である。
SPIの推論の問題を解く4つのコツ
- ・問題の内容を理解する
- ・全ての事象を書き出す
- ・図やグラフを使って整理する
- ・当てはまるパターンを絞る
例題を紹介しましたが、難しいと感じた就活生も多いのではないでしょうか?
ここではSPIの推論の問題を解くコツを紹介します。
- 問題の内容を理解する
- 全ての事象を書き出す
- 図やグラフを使って整理する
- 当てはまるパターンを絞る
SPIの推論を解くコツは、上記の4つがあります。
順に解説していきます。
問題の内容を理解する
推論の問題は、文章の言い回しが難しい場合があります。
文章の解釈によっては、回答を誤ってしまう可能性があるため、まずは問題の内容を理解することが大切です。
表現が遠回しだったり、選択肢によって言い方が異なったりする場合には、自分が理解しやすい文章に直してみると理解しやすくなりますよ。
落ち着いて問題文を読み、設問や条件をしっかりと理解するようにしましょう。
全ての事象を書き出す
問題が複雑になると、問題の内容を頭だけでは整理できなくなります。
整理できなくなると、ケアレスミスをしたり、もう一度問題を読み直したりしなければならないので、効率が下がります。
そのため、全ての事象を書き出すようにしましょう。
図やグラフを使って整理する
文章だけでは理解しづらい問題は、図やグラフを使って整理すると良いでしょう。
図やグラフで直感的に理解することができれば、スピーディーに問題を解けるようになります。
当てはまるパターンを絞る
SPIの推論問題には出題形式のパターン(順序の計算・密度の計算など)があります。
問題を解くときには、推論の出題形式の「どのパターンに当てはまるか」を考えるようにしましょう。
そのため繰り返し推論の問題を解いて、パターンを覚えておくと良いでしょう。
SPIの推論の苦手を克服する対策方法4選
- ・問題集を解き問題のパターンに慣れる
- ・就活サイトの模擬テストを受ける
- ・毎日問題に触れる
- ・文章を丁寧に読む
SPIを受ける前の対策方法は、主に上記の2つがあります。
それでは、SPIを受ける前の対策方法をそれぞれ解説していきます。
問題集を解き問題のパターンに慣れる
SPIの対策方法の1つ目は、「問題集を解き問題パターンに慣れる」ことです。
問題集を解き、問題のパターンを覚えることができれば、言葉や数字が変わったとしても、スラスラと問題が解けるようになります。
そのため、ただ問題を解くのではなく、パターンを覚えることを意識して練習するようにしましょう。
推論の解説動画を見る
SPIの対策方法の2つ目は、「推論の解説動画を見る」ことです。
YouTubeに推論の解説動画が多数あり、それらを見て勉強する方法もおすすめです。
映像で丁寧に解説してくれるため、文字だけで見るよりも理解しやすいのが特徴です。
分からなかった問題や苦手な問題は、動画で理解を深めて問題を解くと良いでしょう。
毎日問題に触れる
SPIの対策方法の3つ目は、「毎日問題に触れる」ことです。
SPIの推論は難易度の高いものになりますが、毎日問題に触れることで自分なりに考え方のコツが見えてくることもあります。
苦手だからといって避けるのではなく、毎日少しでも問題に触れて慣れるように取り組んでみましょう。
文章を丁寧に読む
SPIの対策方法の4つ目は、「文章を丁寧に読む」ことです。
SPIの推論は、頭の中だけで整理することが難しい問題が多いです。
初めからテンポ良くスピードで解くのではなく、問題文をよく読んで整理しながら解く練習をしましょう。
条件や設問を正しく理解し、図やグラフを用いて考えると解きやすくなります。
SPIの推論対策が重要な2つの理由
- ・推論問題の出題頻度が多い
- ・対策をしていなければ難しいと感じる
ここまでSPIの推論の対策方法について解説してきましたが、そもそもなぜSPIの推論の対策が重要なのでしょうか?
ここではSPIの推論の対策が重要な理由を2つ紹介していきます。
- 推論問題の出題頻度が多い
- 対策をしていなければ難しいと感じる
順に解説していきます。
推論問題の頻出頻度が多い
SPIの非言語分野で、最も出題されやすい問題が推論です。
テストセンター、WEBテスティング、ペーパーテスティングなど、受験方法は複数ありますが、どの受験方法でも推論が最も出題されやすくなっています。
特に、能力検査の主流であるテストセンターでは、非言語分野で前半の問題の正答数が多い場合、後半はほとんど推論の問題になります。
そのため、SPIの非言語分野で高得点を狙うには、推論の対策が重要になります。
対策していなければ難しいと感じる
推論は、SPIの問題の中でも難易度が高い傾向にあると同時に、公式が通用しないため、対策がしにくい面もあります。
しかし、推論の出題形式にはパターンがあるため、パターンと解き方を覚えることができれば、高得点を狙うことは可能です。
SPIの推論は対策次第で得点につなげられる問題であるため、しっかり勉強しておきましょう。
難しいと言われるSPIの推論は事前対策が重要!
今回はSPIの非言語分野で出題される推論の例題を紹介し、解くコツ、対策方法などを解説しました。
推論は、難易度が高い傾向にあるため、対策が非常に重要になります。
しかし推論には、順序・密度・発言の正誤・対戦・位置・平均・内訳といった出題形式のパターンがあるため、それぞれの解き方を理解することで高得点を取れるようになります。
勉強してもなかなか理解できないときは本やYouTubeなどを活用して、外部からの知見も得ながら理解を深めていきましょう!
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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