【カンパニー制を失敗させない為に】失敗の経緯と原因とは？

カンパニー制という言葉を一度は聞いたことがあるかと思います。

これまでマスコミや新聞でカンパニー制が成功した企業、あるいは取りやめた企業を耳にすることもあったと思いますが、ここではカンパニー制の概要やメリット・デメリットに触れながら導入企業の事例や失敗した事例などをご紹介します。

またどのようにすればカンパニー制がうまくいくのかの情報にも触れていきます。

○カンパニー制とは

カンパニー制とは社内にて事業会社を設立し分社化することです。それぞれを分社化して大きな権限を委譲するなど一つの会社として扱うことで、会社経営の健全化を進めることを意図としています。

○なぜカンパニー制が多く採用されている？

日本のように大企業が多く多角経営を行なっている場合、一つの会社として考えるとどの事業部門が好成績を収めていて、どの事業部門が伸び悩んでいるのか分かりにくくなります。

カンパニー制を導入することで一目で事業採算などが的確に把握できるようになります。

○事業部制や持株会社制との違いは？

事業部制とカンパニー制の大きな違いは権限委譲の大きさによります。

事業部制は重要な事項については経営会議や取締役会に付議することが必須になりますが、カンパニー制の場合は大きな権限移譲があるため、ある程度の重要な意思決定もカンパニー内で行うことができます。

持株会社制とカンパニー制の違いは、持株会社はグループが一緒であってもあくまで別会社になります。一方、カンパニー制は組織としては一つの会社であるため法人登記なども一社になります。

○メリット

カンパニー制のメリットは資源、人材、財政をカンパニーに移譲されるので、迅速な意思決定ができます。

通常であれば本社の意志決定が出るまでプロジェクト実施の判断はできませんが、カンパニー内にで決定された事項はすぐに進めることができるので、競業他社よりも早く結論が出せます。

また本社から権限移譲を受けているため細かい部分で本社報告や説明を省くことができ業務改善に大きく寄与することができます。

○デメリット

カンパニー制のデメリットは迅速な決断ができる一方で、大きな損害が発生したりトラブルが起こる可能性が事業部制より高くなる可能性があります。

本社のきめ細やかなチェックや中有長期的視野における投資判断によって失敗した時には傷口が小さくなることが多いのですが、それがないためハイリスクハイリターンの結果になることもあります。

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○トヨタ自動車

トヨタ自動車は近年大規模な組織変更を行いました。

ヘッドオフィスの下に7つのカンパニーを配置する形にしています。現在の社長は巨大企業であるトヨタの意思決定の速度を高めようと考え、一番事情が分かっている車種担当の部署が企画立案から開発、生産まですべてをカバーするように組織変更しました。

一般的には全社を知っている経営企画部門や経営戦略部門が中心になる傾向が多いのですが、自動車メーカーの中枢である車種担当部門をメインに持ってきたところは本業に自動車製造に絶対の自信があることの証になります。

○ソニー

ソニーはカンパニー制の先駆けになります。

ソニーは二度のカンパニー制見直しがありました。最初は1990年前半に創業以来初めての赤字を機に、迅速な意思決定を行うためにカンパニー制が導入され、1990年後半にも経営機構の見直しということで改めてカンパニー制を見直し、業績は劇的な回復を遂げ黒字に転換しました。

○みずほ銀行

メガバンクの一角であるみずほ銀行はみずほフィナンシャルグループ内に「リテール・事業法人」「大企業・金融・公共法人」「グローバルコーポレート」「グローバルマーケッツ」「アセットマネジメント」の5つのカンパニー制を導入しました。

現在はみずほファイナンシャルグループには信託銀行、銀行、証券会社がありますが、これを横串にするような大きな組織改正をして金融業界でさらなる力を備えるように前向きな取り組みをしています。

○過去にカンパニー制が失敗に至った経緯とは

過去にカンパニー制が失敗に至った経緯としては大きく2つあります。

一つは本来のカンパニー制の主旨に反して、本社側からの監視が大きくなり過ぎてしまうことと、反対に権限移譲に頼りすぎた結果、カンパニーの方で大きなリスクを取りすぎて結果が伴わない場合です。

○失敗した理由について

カンパニー制が失敗する理由は権限移譲と監視のバランスがうまく取れないことにあります。権限移譲と放任主義は異なりますし、本社が監視し過ぎてカンパニー制の意味がなくなってしまうことも避けなければなりません。

企業のトップがきちんとカンパニー制の枠組みを考えバランスの良い統制をすることが求められます。

○明確な目標を設定する

カンパニー制で成功する秘訣は明確な目標を設定することです。

しかも誰もが分かりやすいように数値で表すのが望ましいでしょう。

確固とした目標が定まることであとはどのように進むのか手段の話になるので、カンパニー制に所属する人たちは働きやすくなります。

○監視機能を強化する

カンパニー制の良い部分である迅速な意思決定を推進するためにも、できる限り監視機能を強化することです。

本社からは距離が遠くなるため内部での監視強化は必修になります。カンパニー社内での相互牽制ができる組織にするなど誤った方向に進まないように常に意識しておくことが大切です。

カンパニー制の中に外部の監査部門の専門家や弁護士、会計士などを配置して、客観的な視点かつ第三世代の発想を参考にできる環境作りも大切になります。

カンパニー制の概要や導入事例などについてご紹介してきましたが、カンパニー制について更に詳しく知りたい方や、カンパニー制を導入している会社に転職してみたいと考えている人は是非転職エージェントに問い合わせみましょう。

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