ITコンサルタントは、クライアントのビジネスや経営に関わる課題を、ITを切り口として解決へと導く仕事です。必ずしも資格が必要な仕事ではありませんが、専門知識が必要であることから何らかの資格を持つ人が多くいます。そこで、今回はITコンサルタントを目指す方に向けて、ITコンサルタントに必要な資格をご紹介します。SEとの違いを知って、ぜひ資格取得の参考にしてください。
ITコンサルタントに資格は必要ありません。
しかし求められる知識の幅が非常に広く、ほとんどがITに関わる仕事をしていた人といえるでしょう。
雇用企業としては、プロジェクトマネジメント経験が豊富で、開発プロセスや設計手法まで熟知した人材を求める傾向です。
企業によってはポテンシャル採用といって、実践的な能力を問われるケースもあります。
実際に現場で働く際には、クライアントにソリューションを提供することもあり経営的な視点が必要なこともあるでしょう。
よって資格を取得することで、ベーススキルを持っていると雇用企業へアピールになるだけではなく、現場で役立つ知識やスキルを身につけることができるのです。
幅広い知識とコミュニケーションスキルが必要とされるのがITコンサルタントです。
就職と現場で役立つ資格は、難易度が高いからこそ自信になり、説得力があるものになるでしょう。
ITコンサルタントとして働くためにはどのような資格が役立つのかをご紹介します。
ITコーディネータは経済産業省が推進する資格で、2001年に誕生した民間資格です。
資格名 | ITコーディネータ |
試験内容 | 「IT経営推進プロセスガイドライン Ver.3.1」にもとづいて出題。100問120分。 |
合格率 | 72.6%(令和2年度) |
独学での取得 | 可能 |
資格試験合格後は、ケース研修を受講、修了してはじめてITコーディネータと名乗ることができます。
試験自体はしっかりとした対策ができていれば難しいものではなく、独学が可能です。
現場経験がある人にはそれほど難易度が高くはないといえるでしょう。
プロジェクトマネージャーは比較的難易度が高い国家資格です。
ITコンサルタントを目指す人の多くが目標とする資格です。
資格名 | プロジェクトマネージャー |
試験内容 | 午前:情報処理の応用知識やシステム戦略についてマークシート形式 午後:3問中2問選択の記述式、2000字~3000字の論述式。 |
合格率 | 14.1%(平成30年度) |
独学での取得 | 難しい |
試験はそれぞれの試験で60%の点数の取得で合格となります。
独学での取得が難しいため講座を受講したり、通信教育を利用する人が多い傾向です。
中小企業診断士は経営コンサルタントに関する唯一の国家資格です。
資格名 | 中小企業診断士 |
試験内容 | 1次試験:経済学・経営政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策 2次試験:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例14から筆記・口述。 |
合格率 |
1次試験:30.2%(令和元年度) 2次試験:18.3%(令和元年度) |
独学での取得 | 難しい |
中小企業診断士の試験は、独学で合格を目指すには1000時間もの勉強時間が必要といわれています。
ストレート合格はわずか4%とかなり難易度が高い資格といえるでしょう。
1. 年収600万円以上の求人が80%
2. 初回の提案での内定率90%
3. 最速一週間で内定
4. 自分の市場価値を知ることができる
5. 未経験可能な求人も多数保有
プロジェクトマネージャー | 年収 650 〜 1,500万円 |
サーバーサイドエンジニア | 年収 600 〜 820万円 |
フロントエンドエンジニア | 年収 600 〜 800万円 |
QAエンジニア(未経験可) | 年収 600 〜 800万円 |
営業企画(未経験可) | 年収 575 〜 850万円 |
ITコンサル(未経験可) | 年収 450 〜 700万円 |
レバテックキャリアの公式サイト
https://career.levtech.jp/
資格取得は、時間だけではなくお金もかかります。
せっかく取得をしても内外に評価されるものでなければ、すぐに仕事に反映されることはありません。
現場に必要な資格を取得することで、どのようなメリットが生じるのかを就職、価値、信頼に分けてみていきましょう。
資格を取得すると、就職に有利に働くことがあります。
資格は個人の技術力の証明だけではなく、採用すれば企業としても組織の技術力として扱うことができるからです。
よって有資格者を必要とする企業は、雇用後資格手当や一時金を設けていることがあります。
これらの理由により、有資格者は資格がない人と比較すると就職する時も就職してからもメリットが多いといえるでしょう。
資格を取得することで、ITコンサルタントとしての価値を高めることができます。
ITコンサルタントに活かせる資格は、どれも難易度が高いため仕事をしながら資格取得の勉強をすることは評価の対象になるのです。
例えば中小企業診断士の資格は1年間で1000時間もの勉強時間が必要と言われています。
これらの時間を作り合格にこぎつけることができれば、コンサルタントとしての価値が高まり、企業によっては昇給や昇格を期待することもできるでしょう。
資格取得によって、クライアントから信頼を得られることがあります。
ITコンサルタントが取得する資格は、確実な知識の証明と同時に、ITコンサルタントとしての能力の証明ともいえるわけです。
クライアント側からは、「資格」は目に見える評価基準になるといえるでしょう。
また資格によっては、取得後にも活動実績の提出や費用がかかることがあります。
この点からも、「資格」は信頼に値する証明になると言えるのです。
参考サイト:情報処理推進機構 公式サイト
両者の違いは、クライアントとの距離感といえるでしょう。
ITコンサルタントは「企業の経営課題の解決」を仕事とするため、クライアントと近い距離で仕事をします。
SEは「システム開発、システム構築で企業支援をする」ということになるため、縁の下の力持ちといえる仕事をします。
実際に必要とされる能力を比較するとITコンサルタントはビジネススキル、分析、モデリング力を求められ、SEはシステム設計、実装スキルが求められるでしょう。
よってITコンサルタントとして活躍する人の多くは、SEとしての十分な知識やスキル、経験を身につけた後にIT以外の知識や資格を得てキャリアアップを図るという経緯を辿るわけです。
ITコンサルタントに資格は必要ありませんが、資格取得によって就職に有利になったりクライアントからの信頼を得ることにつながります。
SEがキャリアアップしてITコンサルタントになることが多く、その過程で得る資格はどれも難易度が高いものです。
なかでもITコーディネータ、プロジェクトマネージャー、中小企業診断士はITコンサルタントを目指す人が取得する事が多い傾向にあります。