
退職届をいきなり渡すのはよくない?提出のタイミングや渡し方の手順を解説
退職を希望する際、退職の意思を伝えた後に退職届を提出しなければいけません。今後のビジネス人生や今までお世話になった会社に対して印象を悪くしないために提出する際のマナーにも気をつけたいところです。そこで、上司や周囲が納得し円満に退職するために、退職届を提出するタイミングや渡し方について解説します。
退職届をいきなり渡すのは避けよう!
転職を希望したり今の仕事が辛かったりすると、退職をしたくなる場合があります。
ですが、退職したいと強く思ってもいきなり退職届を提出することは避けなければいけません。
なぜなら、今までお世話になった会社に悪い印象を与えるだけでなく、会社自体も困らせてしまうからです。
一般的に、退職が決まったあとも業務の引き継ぎや会社内外のお世話になった人への挨拶回り、次の人材の確保など、しなければいけないことがたくさんあります。
退職届を提出したその日で終了というわけにはいきません。
印象を悪くしないためにも、お互いが納得したうえで、円満に退社できるよう配慮しましょう。
退職届の提出方法
パートやアルバイトの場合、退職届は必要ないことがほとんどです。
しかし、正社員の場合は退職届を提出しなければいけません。
まれに、退職の意思を伝えるだけで構わないという職場もありますので、就業規則を確認しておくと良いでしょう。
また、退職届を提出する場合、法的にはいつ退職届を提出しても問題ありません。
しかし、退職の意思を伝えてから2週間で契約を終了する法律があるため、2週間前には退職届を提出しておく必要があります。
誰に、いつ渡せばいいのかを事前に確認しておくことが重要です。
誰に渡すのか
退職届を誰に渡すのかも重要です。
一般的なマナーは、直属の上司に提出するといいでしょう。
退職届は、勤務している会社の社長や代表宛てに書きますが、特別な指示がなければ、直属の上司に渡します。
しかし、退職理由が上司との人間関係など辛い事情がある場合は人事部、小規模の会社なら代表などに提出しても構わないか、確認しておくといいでしょう。
ただし、上司との問題によって退職を決意しても、直属の上司であるならその人に提出するのがビジネスマナーです。
いつ渡すのか
退職を決めてしまうと、少しでも早く退職したいという考えがあるかもしれませんが、正式な退職日までにはしなければいけないことがあります。
もちろん、自分が行っていた業務の引継ぎをする必要もあります。
事務手続きや引き継ぎ期間を逆算して退職届を提出しましょう。
まずは、退職することが決定したら、上司に退職の相談をし、退職が決まったタイミングで渡すことが望ましいです。
ただし、最低でも退職希望日の2ヶ月以上前には提出することが理想ですので、余裕を持って日にちを設定しましょう。
そうすれば、引き継ぎの後任者にも自分の業務を余裕を持ってしっかり引き継ぐことができます。
円満退職するための退職までのステップ
円満退職するための退職までのステップは以下のとおりです。
- 就業規則を確認する
- 上司に退職の意思表示をする
- 退職届を提出する
- 引き継ぎを丁寧に行う
それぞれ詳しく説明します。
1. 就業規則を確認する
まずは勤務している会社の就業規則を確認する必要があります。
なぜなら、就業規則にはその会社での退職の意思を伝える期限やタイミングが記載されていることが多いからです。
しかし、就業規則よりも法律の方が効力は高いため、規則に書いてある期限を過ぎてから退職届を提出してもほとんど問題はありません。
ただし、少しでも印象良く退職をしたいのであれば、就業規則通りに退職届を提出した方がいいでしょう。
退職の申し出について、民法では原則、退職日の2週間前までに申し出るように決められています。
一方で、「労働基準法」では、社員から退職を申し出る場合の期間の定めはありません。
2. 上司に退職の意思表示をする
上司に退職の意思表示はできるだけ早めに行いましょう。
退職を伝えるタイミングは基本的にいつでも問題ありませんが、繁忙期で忙しい時期などは避けたほうがいいでしょう。
また、大きなプロジェクトの進行中といった明らかに忙しいときも、周囲に迷惑をかける可能性が高いため避けましょう。
退職についての話題は職場の雰囲気などにも関わるので、1対1で話すためにも事前にアポイントを取ることが望ましいです。
ほかの社員に聞かれない場所の確保などの事情もあるため、数日前には連絡をしておくことが大切です。
まずは、いきなり退職届を提出するのではなく、上司への相談が大切ということです。
3. 退職届を提出する
退職届は、直属の上司に渡すことが一般的です。
しかし、企業によっては人事部に提出するよういわれることもあるため、その場合は素直に従いましょう。
退職届の提出先は上司の指示に従ってください。
なお、退職届だけを渡すのはマナー違反です。
退職届を作成したら、必ず「退職届」と書いた白い封筒に入れて渡します。
また、事前に口頭で退職の相談もせず、郵送するのも良くありません。
病的な理由などやむを得ない場合以外は、上司に相談後、退職が決まってから決められたタイミングで退職届を提出しましょう。
4. 引き継ぎを丁寧に行う
退職が決まったら、退職する日まで非常識な行動をすることがないよう最後まで職務を行いましょう。
後に残る人が困らないよう、引き継ぎを丁寧に行うことも社会人のマナーの一つです。
もしも、何らかの事情で引き継ぎができない場合はマニュアルを作成してあげるのも一つの手です。
また、関係各所に挨拶をしておくことも忘れずにしましょう。
退職届を提出した後も円満に過ごしたい場合、提出後の姿勢も大事です。
退職届を渡す前に理解しておくべき注意点
退職届を渡す前に理解しておくべき注意点は以下の2つです。
- 基本的に撤回できない
- 退職理由(会社都合・自己都合)を明確に記載する
それぞれ詳しく解説します。
基本的に撤回できない
「退職届」は退職が確定したあとに提出する書類です。
そのため、合意内容を記録するなどの事務手続きの一環として扱われます。
退職届が受理されると、基本的には撤回できません。
会社が承諾する前ならば、退職届を撤回することは可能ですが、一度会社が承諾してしまうと、撤回にも会社の同意が必要です。
そのため、会社に退職の意思が固いことを示す際に、上司に相談する段階で退職届を提出する場合もあります。
退職理由(会社都合・自己都合)を明確に記載する
退職理由を明確にしておくことはとても重要です。
会社都合なのか自己都合なのかは、その後の転職活動や失業保険の手続きに大きく関係します。
自己都合による退職は、在籍期間やタイミングによっては、勤務態度やスキルに問題があるのかと勘違いされかねません。
そうなると、転職活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
自己都合退職の場合は、転職活動時に前向きだと捉えてもらえる退職理由を考えておきましょう。
会社都合であれば、7日間の待機期間後に失業保険を受給できるようになります。
自己都合なら、7日間の待機期間と3ヶ月の給付制限期間のあとに支給されますので、失業保険が支給されるまでに大きな差が出ます。
さらに、会社都合であれば失業保険を支給される最大期間が、自己都合退職よりも180日多くなります。
まれに、会社都合での退職であるにもかかわらず、自己都合退職と書くように指示されるケースもあるようです。
しかし、自分が後々不利益になるばかりなので退職理由は正しく記載しましょう。
退職届に関するよくあるQ&A
ここからは、退職届を提出する際のよくある質問3つを解説します。
Q:退職届が受理されないと退職できないの?
無期雇用労働の場合は、会社に対していつでも退職の意思を伝えることができます。
労働者は、原則として2週間前に退職の意思を会社側に伝えることにより、退職することが認められています(民法第627条1項)。
たとえ引き留められたとしても、受理してもらいたい場合は、上司の上司へ相談してみるのも良いでしょう。
Q:退職届に書いた退職日を変更できるのか?
一度退職届を提出してしまうと、原則その後の変更はできません。
退職届は、会社などの雇用主に対して、労働者が雇用契約の解除を伝えるための書類です。
そのため、一度でも会社に承諾されてしまえばその後自己都合で変更するのは基本的に不可能です。
したがって、「考え直した結果やっぱり働き続けたい」と思っても、その主張は通らないと考えましょう。
退職届の提出は、それだけ重い書類ですので、本当に後悔しないかどうかよく考えた上で行うことが大切です。
Q:退職届を渡すときに添えた方が良い言葉はある?
退職届は、すでに退職が承認された状態で渡す書類ですので、特別な言葉は基本的に必要ありません。
ただし、これまでお世話になった感謝や誠意を言葉で示したほうが、印象は良くなります。
「今まで大変お世話になりました」などと感謝を伝えることで、印象は良くなり退社後も円満に過ごすことができるでしょう。
円満退職したい場合は退職届を出す前に上司に相談
会社を辞めたい、転職したいと思った場合は退職届を提出する前には上司に相談しましょう。
辞めたいと思ったからといって、いきなり退職届を提出すると、印象はかなり悪くなります。
お世話になった会社ならなおさら、円満退社したいでしょう。
それならば、退職届は適切なタイミング相手に不快感を与えることなく提出することが重要です。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。