
デフォルメとは?言葉の意味・使い方を例文でわかりやすく解説
デフォルメとは対象を変形して表現することです。もともとは芸術作品に対して用いられる言葉ですが、ビジネスシーンでも使われることがあります。デフォルメの意味や使い方とともに例文もチェックしましょう。似た意味の言葉や、反対の意味の言葉も紹介します。
デフォルメとは?意味を簡単に解説
デフォルメとは絵画やイラストなどによく用いられる言葉です。対象を変形させて表現するという意味があります。例えば似顔絵を描くときに、印象的な部位を実際より大きく描くのもデフォルメです。
まずは言葉の意味を把握して正しく使えるようにしましょう。
百科事典の意味
デジタル大辞泉でデフォルメを調べると、以下のように記載されています。
デフォルメ【(フランス)déformer】
読み方:でふぉるめ
[名](スル)デフォルマシオンの技法により、対象を変形して表現すること。「人物を—して描く」
出典:デジタル大辞泉 - Weblio 辞書・百科事典|デフォルメ
デフォルメの語源
デフォルメはフランス語の「déformer」が語源の言葉です。フランス語では「変形させる」「ゆがめる」「偽る」といった意味があります。
英語圏でのデフォルメの意味
英語圏ではデフォルメを「Deformed」「Deformation」「Distortion」などと記載します。日本語で「デフォルメ」と使うときには、悪い意味合いはあまりありません。一方、英語では「悪い意味で形が変わること」を意味します。
「形を悪くする」「醜くする」といった意味で使われる言葉です。
近年の使い方「SD」とは?
近年では「スーパーデフォルメ(SD)」といった言葉も使われています。アニメやマンガなどで、キャラクターを2頭身といった小柄でかわいらしいサイズにして表現する方法です。
スーパーデフォルメされたキャラクターは「SDキャラ」「ちびキャラ」などとよばれています。
デフォルメの使い方
デフォルメという言葉を使うのはどのようなシーンなのでしょうか?例文とともに使い方を紹介します。併せて間違った使い方も確認しておきましょう。
ビジネスでの使い方
ビジネスシーンでデフォルメを使うときには、対象を変形することや、対象に似ていてありきたりであることを示します。使い方の例文は以下の通りです。
・デフォルメされた話なのであまり参考にはならなそうだ
・前回のデザインをデフォルメしたもので新しい印象がない
・デフォルメしたものではなく、新しいアイデアを出してほしい
JobQに寄せられた質問への回答で、デフォルメを使って説明しているケースを紹介します。実際の使用例でニュアンスを把握しましょう。
営業職に従事されている方へ質問です。
上司からの指示とお客様からの要望そのものに板挟み状態になった時に、どのように対処していくべきなのでしょうか。
板挟みの辛い状況の中で、対処としては一度、俯瞰に立ちます。あくまで、中立に私感を入れながら、自分なりに判断してみます。
出た答えは、多分間違ってます。何故なら、自分本位だからです。
おそらく、会社に帰属している人であれば上司側にデフォルメした答えが…続きを見る
イラストや漫画での使い方
イラストや漫画でもデフォルメはよく使われています。人気キャラクターを2頭身で表現してグッズやおもちゃにしたり、実在の人物を特徴を捉えてキャラクターにするときに用いられる技法です。
デフォルメはイラストや漫画では以下のように用いられます。
・人物の特徴をよく捉えてデフォルメする
・デフォルメされたキャラクターがかわいらしく人気を博している
・今回のグッズはデフォルメキャラで作成する
デフォルメの間違った使い方
デフォルメは意図的に対象を変化させることです。キャラクターの一部をあえて誇張して表現します。
一方、同じように対象が変化していても、技術不足による変形やバランスのいびつさはデフォルメとはいいません。また妖怪や妖精などの想像上の生き物を描いた作品の場合、意図的に変形していてもデフォルメにはなりません。
デフォルメに似た言葉
デフォルメの意味をより明確に理解するには、似た言葉の意味を知ることも重要です。
ここでは「デフォルト」「パロディ」「オマージュ」「インスパイア」「トリビュート」について解説します。
デフォルト
デフォルトはデフォルメと発音は似ていますが、全く意味の異なる言葉です。
「当たり前」「通常」と意味で、日常会話では「デフォ」と短縮して使われることもあります。この意味から派生し、パソコン用語として「規定値」「標準」の意味で用いられることもあるでしょう。
また経済分野では「債務不履行」という意味を持っていますし、スポーツの分野では「棄権」を表します。
パロディ
パロディとは他の人の作品の持つ特徴を強調して模倣し、ユーモラスな印象を与える表現のことです。意図的に対象を変化させるという点はデフォルメと共通しています。
違いはユーモアの有無です。パロディがユーモアを含む一方、デフォルメはユーモアを含みません。
オマージュ
オマージュとは、尊敬する作家や作品の影響を受けて似たものを作ることや、作家や作品へ敬意を払って創作することです。対象物を変化させるという点はデフォルメと似ていますが、尊敬や敬意を含んでいるところが違います。
インスパイア
作家や作品から得た発想で創作することや、作者の思想への賛同から創作することをインスパイアといいます。対象物に対して賞賛する気持ちがある点が、デフォルメとの違いです。
トリビュート
トリビュートとは自分の作品を捧げるという意味合いを持つ言葉のことです。例えば有名なアーティストへ捧げる目的で、複数のアーティストが参加したトリビュートアルバムやトリビュート作品が発表されることがあります。
感謝や賞賛の意味を含む点がデフォルメとの違いです。
デフォルメと反対の意味の言葉
デフォルメと反対の意味を持つ言葉の意味もチェックしましょう。代表的なのは「コピー」と「模写」です。
コピー
既にある作品の面影を残しながら変形させる「デフォルメ」に対し、コピーは原型を完璧に近い状態で再現することを指します。全く変化させないため、デフォルメと反対の意味を持つ言葉です。
模写
模写とは元の作品をそっくりそのまま写し取ることです。見ながら絵を描き、できるだけ忠実に再現していきます。対象を変化させたり強調させたりするデフォルメとは反対の意味です。
デフォルメとは何かまとめ
デフォルメとは対象のものを変化させて表現する技法のことです。ビジネスシーンでは、対象を変形させることの他に、元の企画やアイデアに似ていることを示す場合もあります。
似た言葉の意味との違いや、反対の言葉の意味も把握して、正しくデフォルメを使いましょう。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。