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ジョブローテーション 退職

【ジョブローテーションと退職】メリットとデメリットの比較と解説

皆さんの会社の中にも、「ジョブローテーション」を行なっている会社は多いと思います。これは終身雇用を前提とした制度であるので、社員の流出に繋がっている可能性もあります。この記事では、メリットとデメリットを比較した上で、制度を活用していく方法について解説していきます。

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ジョブローテーションにはデメリットがある?退職のリスクとは

ジョブローテーションを行っている会社は数多くあります。日本企業において、人材育成で非常に効果を上げた方法ですが、同時に従業員の退職リスクをはらんでいます。

では、どんな理由でリスクがあるのか、どうすれば解決するのかについてご紹介いたします。
 

まずジョブローテーションとは

まずはジョブローテーションについて基本的なことから説明いたします。

ジョブローテーションの目的は、一言で言えば人事戦略や人材育成の目的を組み込んだ人事異動と配置換えです。組織の中でさまざまな職種を一定期間ごとに社員に経験させることで色んな角度から会社やビジネスを見ることができ、最終的に会社にとって有益な人材を作り出す仕組みといえます。

ジョブローテーションは、全社員に適用するケースもありますが、一般的には若手を対象にして行われます。
 

人事異動との違い

上述でジョブローテーションと人事異動は異なる旨をお伝えしました。

ジョブローテーションは成果に関係なく実施されるもので育成を目的したものです。対して、人事異動は競争をさせ勝ち上がった人材が現存のポジションを守り、競争に負けた人材に別の地位を用意させるいわばふるい落としを目的にしたものになります。

高度成長期からバブルに至るまで頑張れば報われる時代であったことから、社員全員に競争させて、勝ち上がった人材には最適な報酬を与えます。勝てなかった人材には別の道を用意することが最も企業繁栄に繋がったため行われた施策なのです。
 

マンネリの回避

また、ジョブローテーションは育成以外にもう一つの目的があります。それはマンネリ解消です。

同じ仕事を継続して行っていると、どうしてもマンネリになってしまい、仕事の質が低下してしまいます。そのため、新しいことへの挑戦させることで従業員は新鮮な気持ちで業務にとりくめますし、変化に対する適応力を醸成することもできます。

ジョブローテーションは育成に加え、社員への仕事に対する新鮮さを生み出す手法でもあるのです。
 

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ジョブローテーションで失敗するケースとは


しかし、ジョブローテーションは全てが良い方向にいくわけではありません。なかには失敗のジョブローテーションというものもあります。

そこで、ジョブローテーションにおけるデメリットについて、またどんなケースで失敗をするのかについても説明いたします。
 

懸念点やデメリット

懸念点、デメリットについてですか以下のようなものがあります。

  • 従業員の退職リスクを増大させる
  • 専門職を育成しづらい

以下項目でそれぞれ説明いたします。
 

退職のリスク

先ほど、ジョブローテーションには新鮮さを生み出すと申し上げました。しかし、従業員の全員が皆それを望んでいるわけではありません。

また、変化を望んでいる場合も従業員には適性や得意なことがあります。それを無視したジョブローテーションは、社員の不満を生み出し、退職への気持ちに向かわせる原動力にもなり得ます。

また、ジョブローテーションを行うことで、仕事に慣れた間もなく異動することも想定されます。

仕事をする上で身に付けたい専門性がつかず、不満に感じる従業員も出てきます。すなわち、ジョブローテーションは人材の不満、流出リスクを生み出す元凶にもなるのです。
 

浅く広い社員の増加

ジョブローテーションは限られた期間の中で仕事をすることになり、その期間が過ぎたら次の部署に行くことになります。

そのため、仕事の根幹、本質を理解しないまま次の部署を転々する人材が増え、その会社でスペシャリストが育たなくなる傾向があります。ゼネラリストしかいない会社というのは極端に言えば専門家のいない会社ということになります。

しかし、クライアントは仕事をくれませんし、社内業務もうまく回らなくなってしまいます。
 

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▶︎【ジョブローテーションのメリットとデメリット】ビジネス用語を解説

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海外のジョブローテーション


実は、このジョブローテーションという制度は非常に日本的なもので、海外では、ジョブローテーション制度は見られません。

海外の企業は、基本的にはジョブ型雇用制度となっています。ではジョブ型雇用制度について説明いたします。
 

ジョブ型とは

ジョブ型雇用制度とは、営業なら営業のみ、総務なら総務のみという形で、仕事やポジションありきで人材を募集、採用、育成する方法です。

成果が出ない場合の配置転換や公募制度などで他の業務に就くことはあります。

しかし、原則として従業員は採用された職種以外の業務に就くことはないですし、色んな部署をたらいまわしにされることはありません。

海外ではこのようにゼネラリストよりもスペシャリストであることが重要視されており、日本でもこの考え方は浸透してきています。

実際、転職市場においては「総合職」というような求人はあまりありません。大抵の場合「営業職」「総務職」のような職種を分けて採用されるケースが、圧倒的に多いのがそれを物語っています。
 

メンバーシップ型とは

一方、「総合職」や「特定職」といったジョブローテーションを回し、ゼネラリストを育成するような形をメンバーシップ型雇用といいます。

メンバーシップ型雇用の場合だと、実務経験やスキルがなくても就職が可能です。そのため、職業訓練を受けていない日本の大学生からすると、働きながら自身の適性を見いだすことができるので、新卒採用においては非常に合理的なやり方と言えます。

しかし、ジョブローテーションの流れに乗ってしまうと、核となるスキルが生まれません。在籍している会社から離れてしまえば、スキル不足の市場価値のない人になってしまう懸念を有します。

よく大企業出身者が転職市場で全く人気がないということがありますが、まさにこのジョブローテーションの功罪と言えます。
 

シンガポールでは

ジョブローテーションは、基本的に終身雇用が前提の制度になります。

そのため、日本でも転職市場が活性化し、ジョブ型になりつつあると言えますが、全く逆の発想の国もあります。それがシンガポールです。

シンガポール人はだいたい3年から4年ほどで転職をします。ではなぜ、シンガポール人は短期間で転職をするのでしょうか。ジョブローテーションの制度がなく、新しい仕事をするために転職をするからなのです。いわゆるジョブ制の国からすると真逆の発想です。

シンガポール島は東西42Km、南北23Km。 淡路島や、東京23区と同等の面積といわれます。また、失業率は2%前後で安定し、労働者人口もパーソル総合研究所の調査によると350万人程度なので失業者も非常に少ないです。

そのため、国家全体でメンバーシップ型雇用が成立し、ジョブローテーションが成立しているものと考えられます。
 

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悪いジョブローテーション


ジョブローテーションには良し悪しがあることを上述でもお伝えしました。

次に、悪いジョブローテーションとは一体どんなものなのかについてもお伝えいたします。
 

脈絡のないジョブローテーション

ジョブローテーションには対象となる人材において、核となる職種があり、それに関連したジョブローテーションが望ましいです。

例えば営業→マーケティング→商品企画といったようなジョブローテーションを組んだ場合、戦略や製品のことを知った営業、マーケッターだと非常に市場価値の高い人材になります。

対して、脈略のないジョブローテーションの一例として、かつて富士通の人事部に在籍し、現在は独立している城繁幸の著者「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」に登場した人物の実例を挙げたいと思います。

この人物は東大卒の優秀な人物だったのですが、営業支社での販売管理→システム部門→本社総務部という業務に繋がりのないジョブローテーションを組まれ、最終的にはなんの取り柄も見られないジェネラリストになってしまいました。
 

優秀人材でも

上述でも触れましたが、方針のないジョブローテーションは優秀な人材をダメにします。

結局、社会人として優秀かどうかはこれまでやって来た仕事×地頭で決まります。上述の東大卒の方においても地頭は優秀でも核となる経験がなく何をしても中途半端になってしまい、結果ただのゼネラリストになりました。

以上の観点からも、方針のないダメなローテーションは優秀な人材を優秀でなくしてしまうのです。
 

人事に集まる不満

このような方針のないジョブローテーションは、退職の元凶となるとお伝えしました。しかし、核のキャリアがない、やりたい仕事から切り離されたとなると、当然従業員からの不満を生み出すこととなります。

結果、配置転換の申し出が出されたり、退職に至ったりしてしまい、優秀な人材の流出に繋がりかねないのです。
 

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退職させないためのポイントとは


では、ジョブローテーションを行っている会社において、優秀な人材を退職させないようにするためのポイントをご紹介していきます。
 

メリット・デメリットを伝える

ジョブ・ローテーションで新しい仕事をさせる際には、どういう目的でこのジョブローテーションにしたかを説明する必要があります。

また、その際にそのジョブローテーションにすることのメリット・デメリットを伝えて従業員に理解理解を促しましょう。

例えば、優秀な営業職の方で営業マネージャーを目指す方にマーケティングとしての異動を出した場合、以下のような伝え方がひつようです。

  • デメリット : 営業としてのキャリアが途切れる
  • メリット  : 営業職、また将来的な営業マネージャーになった場合の付加価値


ジョブローテーションにおいて必要な情報を伝え、対象となる従業員に理解してもらうことが大事なのです。
 

向いている企業

従業員が退職せずに自社で頑張ってくれるかどうかは、従業員に対して、今在籍している会社はあなたにとって向いている企業だということを明確にすることが大事です。

そのため、ジョブローテーションの際は会社の方針、その従業員の役割、また能力に対しての評価を行い、その従業員に活躍してほしいというメッセージを伝えることが大事です。

共感とモチベーションの維持ということも、ジョブローテーションで異動をする方にはしっかり説明をしましょう。
 

期間のすり合わせを慎重に行う

また、ジョブローテーションでの異動を行う際には、異動までの期間、異動して何をしてもらうかなどのすり合わせ、事前説明をしっかり行いましょう

一方的なスケジュールを言い渡したり、自分のミッションを理解・納得していないと会社に対する不信感から退職の要因になってしまいます。このあたりのケアはしっかり行いましょう。
 

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まとめ

ジョブローテーションにはメリット、デメリットがそれぞれあります。しっかりメリット・デメリットを理解し、適正な運用をしましょう。

間違っても無計画な方針のないジョブローテーションを実施したり、ジョブローテーションに対するケアを欠いたりすることは人材流出の要因となりますので注意しましょう。会社は人材で成り立っています。

人材に対して寄り添った、またより良いキャリアを構築するためにジョブローテーションを活用いただきたいです。
 

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