【ジョブローテーションの意味とは？】出世の条件やメリットなどご紹介します

ジョブローテーションで出世を有利に展開する

ジョブローテーションについて紹介してまいります。

日本におけるジョブローテーションは自身の出世にどれくらい関わっているのか。

またジョブローテーションの意味やどうしてこれを行うのか。

その目的、そしてメリット、デメリットについて考えてゆきます。

ジョブローテーションはサラリーマンが出世するためにはなくてはならないものです。

この「出世の条件」とも言われているジョブローテーションについてみてまいりましょう。
 

ジョブローテーションの意味とは

ジョブローテーションとは、定期的に会社の中のそれぞれの部署を移動し（俗にいう人事異動です）、実際に行う職務の中身を変えてみたり、所属する組織を変更することです。

その人の社会人・ビジネスマンとしてのスキルを向上させ将来の幹部候補生となれるよう研修、育成していく事を狙いとした制度のことをいいます。

同時にジョブローテーションは新人たちへの研修目的、という概念のイメージの方が現状では強いようです。
 

なぜジョブローテーションが行われているのか

企業にとって人材を育てるというテーマは、いつの時代になっても永遠のテーマです。

一つの部署に10年も20年も在籍してしまったら、なるほどその部署の超プロフェッショナルにはなれるでしょうが、反面自分の部署の事しか分からない「職人気質」な社員を作りだしてしまうのです。

ジョブローテーションはそういった弊害を排除するために設けられた制度といえるのです。

多様性のある様々な部署の職務を経験することによって、その人が会社の事業内容や社会への貢献性を学び取り、将来、会社を背負って立てるような人材となってくれる事を期待して行われているのです。
 

ジョブローテーションの期間について

ジョブローテーションの期間は、その会社の規約や風土によって多少の差はありますが、大体短くて半年。

長ければ数年、というのが一般的な期間でしょう。

ジョブローテーションの期間というものは一律、横並びということはありません。

あくまで研修と育成という目的を達するために行うものですから、個人個人によって格差が生まれてしまうのは致し方ないのです。

関連記事
▶︎ジョブディスクリプションのメリットとデメリット｜用語を解説

それではジョブローテーションという制度。

どのようなメリットやデメリットを企業側にもたらすのか。考えてまいりましょう。
 

メリット

ジョブローテーションを行うことによって企業側が得られるメリットとして
 

• バランスのとれた人材の育成
• 適材適所の人事異動がスムーズに
• 組織内のヨコやタテのつながりが良好に
• 会社を企業として捉えられる視点の育成
• マンネリ化を防ぎモチベーションアップを維持できる
• 他部署へも即戦力となって堂々と異動できる

といったメリットが考えられるのです。

ジョブローテーション制度の狙いは、狭い分野に縛られないで応用性のある人材を育成し企業活動を滞りなく進められるようにする事にあるのです。
 

デメリット

一方でジョブローテーションにはデメリットも存在します。それは、

・短期間の育成では熟練度が足りなくなる

・反対に熟練し過ぎると、その人に別の意欲が生まれてしまう（いわゆる転職志向です）

といったところです。

ジョブローテーションを行うにはしっかりした教育システムと人材を安易に社外に逃がさない方策も必要となるのです。

では次に、ジョブローテーションが社員側にもたらすメリットとデメリットについて考えて行きましょう。
 

メリット

ジョブローテーションが社員側にもたらすメリットとして考えられる点は、
 

• 他部署を渡ることによって自身の適性が掴める
• 他部署との交流は自らの売り込みにもつながり良いイメージを植え付けておくことにより出世への道につながりやすくなる 

です。

ジョブローテーションを行うメリットはこれでしょう。

ずばり「出世」です。社会人として企業にデビューしたなら誰もが自身の可能性を試すべく、最高のパフォーマンスを発揮して上司に認めてもらい然るべきポストに就く。

出世を目論むのは当然の成り行きなのです。

この思惑を、ジョブローテーションを行う事によって実現可能に近づけられるのです。

これが社員側にとって最も魅力あるメリットといえるでしょう。
 

デメリット

反対にジョブローテーションには社員側にとってデメリットも生み出します。それは、

・自分の好きな分野に携わる機会が減ってしまう

です。

企業側がいくら応用性を期待して新人たちを短い期間に多方面の部署に配属させてもそれが逆効果になる場合もあります。

それは自身の軸足がはっきりしている人に顕著になって表れます。

つまり、突き詰めたい分野や職域に留まれず、やりたくない部署に配属されることによって向上心を失わせてしまうことです。

いくらこちらの希望を伝えても「会社の規則だから」という理由でジョブローテーションに参加させられる事によっていつしかヤル気を失ってしまい夢や目標もなくしてしまう、という可能性もあり得るということなのです。

企業側にとったら人材育成にとって都合のいいように見えるジョブローテーションも働く人間の顔をしっかり見ていないと貴重な人材を早期に潰す、という結果にもなりかねいのです。

新入社員

ジョブローテーションの対象になる社員は「新入社員」です。

短期間で多くの異部署に配属できるジョブローテーションの狙いが見事に的中するのが会社に入りたての新入社員たちなのです。

会社側にとっても新入社員の特性や個性、能力といったものはまだまだ把握しきれていません。

これでは双方にとって最もコストパフォーマンスの良い配属が実現でいません。

よって短期間ながらも新入社員たちの人と成りをチェックできるジョブローテーションが効果を発揮するのです。

各部署の上長からの報告は会社側にとって集合研修の場では発見できなかった姿を見る事が出来るでしょう。
 

幹部候補社員

ジョブローテーションで対象になる社員の2つ目は「幹部候補生社員」です。

ジョブローテーションの本来の狙いがここにあります。会社にとっていかにして効率的に将来を担える幹部候補生を育成するか。

その目的をジョブローテーションによって解決できるのです。

幹部たりえる人物は偏ったものの見方、好き嫌い発想、利益達成にむけた本当の底力、などが試されます。

つまりバランス感覚に長け、どのような人物に対しても平等にマネジメントを行え、そして目標必達に向けた時のパワーは誰にも負けない、といったものが求められるからです。

これらを総合的にバランスよく学んでいこうと思えば、会社の中のあらゆる部署を経験し、自信をつける事にかなう方法はないからです。

まさに幹部構成育成のためにジョブローテーションは存在している、といえるでしょう。

最後にジョブローテーションによって出世するためのポイントをあげておきましょう。
 

事業全体を見る目を養う

ジョブローテーションを使って出世するためのポイントの1つ目は「事業全体を見る目を養う」です。

会社というところは多種多様な仕事を抱えています。

それらを全て網羅し、経験することによってはじめてその会社の骨格や事業概念などが見えてくるものなのです。

このような視点を持とうと思ったら、一つの部署に何年も配属されていたらとても分かるようなことは出来ません。

ジョブローテーションは社員の社交性と会社全体の中身の完全理解を両立させその会社の事業全体を正しく見るための目を養うことができるものなのです。
 

人脈を広げる

ジョブローテーションを使って出世するためのポイントの2つ目は「人脈を広げる」です。

出世を狙いたいなら会社の中に存在するあらゆる部署の上長に自分の顔を売っておく必要があります。

そんな時にジョブローテーションが大いに役に立つのは想像に難くないでしょう。

移動していった各部署で自らを上手に売り込み、気に入ってもらえるようにしておけばしめたものです。

そういった能力を開発していく事も長い会社員生活においては欠かせない「スキル」となるからです。

ジョブローテーションは社内において人脈を広げるためには格好の機会となるのです。

今回はジョブローテーションが自身の出世にどれくらい関わっているのかについて紹介して参りました。

結局、会社の中で目覚ましい出世を遂げられる人というのはそうたくさんはいません。

いくらジョブローテーションをこなしていってもその数は限られてくるのです。

そういった意味ではいかに出世するということが簡単な事ではないか、よくわかる事と思います。

そのためにもジョブローテーションの期間を有意義に過ごす必要があるか、という事が分かるでしょう。

各部署の上長も人間です。当然ながら人間の好き嫌いもあることでしょう。

そして出世というのは結局、そういった上長たちにいかにして「気に入られるか」にかかってくるわけです。

このあたりの微妙な人間関係の「あや」を感じ取ることができたならジョブローテーションは成功と言っていいでしょう。