
【コンピテンシーの評価手法】実践的な方法を様々な事例からご紹介
コンピテンシーという言葉を聞いたことがありますか?コンピテンシーとは企業など人材の活用に用いられる言葉で高い業績・成果につながる行動特性のことです。企業の自己評価などで自分自身のコンピテンシーを評価することも多々あります。今回はそのコンピテンシーを用いた様々な実践的な評価手法をお伝えします。
上司が納得する自己評価の書き方
人事考課などの際に自己評価を書くように求められることがあります。
けれど、自分自身をうまく評価することを難しいと考えてしまう人はとても多いものです。
事務編、看護師編、公務員編に分けて、それぞれの自己評価の書き方をご紹介します。
【事務編】自己評価の書き方
事務職の方は、「私は特別な仕事はしていない、毎日ただ決められた業務をこなしているだけ」と考えがちです。
けれど、よく見てみれば、他の人とはまた違った業務を担当していることに気付けるはずです。
例えば、新人社員や育児休暇復帰者の教育担当や、書類作成やマニュアル作成、備品の購入や管理などがあるでしょう。
たとえ大きな成果ではないとしても、自分が行った作業内容を正しく評価することがとても重要です。
【看護師編】自己評価の書き方
看護師に求められることは、患者や家族の話に耳を傾け、思いやりのある態度で接することです。
誰にでも、いつも元気に挨拶をして、看護を行うように心がけているということを書けば、評価してもらえるポイントとなるでしょう。
また、もしも不足している能力があったとしても、そのことをネガティブに捉えるのではなく、目標に向かって自分自身を向上させようとしていることを書くと、評価は悪くなるどころか、むしろ好印象を抱かれるでしょう。
【公務員編】自己評価の書き方
公務員は利益を追求する職種ではないので、難易度の高い仕事に対して取り組めたかどうか、イレギュラーな出来事が起こった場合にうまく対処できたかどうか、という点が評価対象となります。
また、職場で定められた各等級などがあれば、その設定を自己評価として受け止めることもできます。
そのほか、遅刻や早退の回数、業務への取り組みの態度、チームでうまくコミュニケーションをとれているかどうか、といった点も、自分で振り返ってみるといいでしょう。
コンピテンシー評価シートの作成方法
企業において社員を評価する際に使われているのが、この「コンピテンシー評価シート」です。
コンピテンシーモデルという理想とされる状態を定めて、上司や同僚などの周囲の評価とともに自身でも評価をし、その結果を査定や今後の行動に活かしていくというものです。
企業のほか、大学といった教育現場、研究機関でも多く採用されている評価方法です。
コンピテンシー評価シートに記載する項目
たとえばコンピテンシー評価シートの項目には、自己成熟性、業務遂行、営業活動、意思決定や変化行動といったような項目が並びます。
自己成熟性とは、ストレス耐性や冷静さ、マナーなどがきちんとできているかどうかを指します。
業務遂行は計画性や専門知識を、営業活動はプレゼン力や人脈を、意思決定や変化行動とはチャレンジ性や事故革新を判断する指標となるのです。
コンピテンシー評価シートを作成時に注意する点
コンピテンシー評価シートを作成する際は、評価の基準をはっきりとさせておくことが非常に重要です。
評価が曖昧なものになってしまえば、コンピテンシー評価シートを使う意味がなくなってしまいます。
経営者が求める評価項目
経営者が求める評価項目は、以下の3つです。
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業績評価
自分に課せられた目標をどこまで達成することができたかを評価するものです。
間接部門においては数値目標で表すことは難しいですが、「〇〇のシステムの導入に成功する」「先輩より〇〇についての業務を引き継ぎ、ひとりでこなすことができるようになる」などが目標として掲げられることになります。
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プロセス評価
業績をあげるために必要とされる能力がもてているか、求められる行動をとることができるか、を判断していきます。
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業績評価とプロセス評価のバランス
職責や職位が上になればなるほど業績評価の比重は重くなり、新入社員や若手社員はプロセス評価の比重が重くなります。
評価する側は、その社員が入社してからどのくらいたち、どのポジションで業務をしているのかを考慮しつつ、評価バランスを調整していくことが求められます。
看護管理者のコンピテンシーモデルを使った評価
看護においてもコンピテンシーモデルを使った評価は行われています。看護管理者に求められている能力や、看護師にコンピテンシー評価を活かす方法などをご紹介します。
看護管理者に求められる能力
看護管理者には、コンピテンシー評価としてどのような項目を対象とし、その目標に組織を向かわせるのかを決定する役割があります。
つまり、看護管理者がコンピテンシーを評価することは、人材育成や看護師の能力開発に直接的に結びつくものとなるのです。
看護師にコンピテンシー評価を活かす方法
コンピテンシーは、客観的な評価指標となるとともに、日々の行動の指針にもなります。看護管理者にとって「評価」とされるものは、看護師にとっては「目標」にあたります。
これにより、評価と目標がリンクして、組織的な機能性をもつことになるのです。
コンピテンシーを用いた看護師研修
看護師研修でも、コンピテンシーを用いた実践手法が行われています。
実践ワークショップを行うことで、看護師の「人材育成」「目標経営」「資質向上」といったような概念や手法を体験するのです。
コンピテンシー評価の導入事例から学ぼう
コンピテンシー評価を導入した看護の事例や、企業の事例をご紹介します。
コンピテンシーの看護の導入事例
看護においてのコンピテラシー評価は、優れた成果をあげているスタッフの行動を把握し、それを組織全体で共有することができます。
そして、これにより組織全体のパフォーマンスを向上させることが可能となり、医療の質や安全性が向上することにつながるのです。
コンピテンシーの企業の導入事例
富士ゼロックスでは、1999年に管理職以上を対象にして人事改革を行い、職能等級制度を廃止しました。
また、事業戦略や経営戦略に基づき、それぞれの役割(責任、権限、使命など)を設定して、役割につくための必要条件を、コンピテンシーを用いながら明確にしました。
これにともなって社員は希望するキャリアを目指すにはどのような知識や能力が必要なのかが分かるようになり、目標を立てやすくなりました。
コンピテンシーレベルの意味は?
コンピテンシーとは、高い成果につながるための行動または思考の特性でした。では、コンピテンシーレベルとは、どのようなものを指すのでしょうか。
コンピテンシーのレベルは5段階
コンピテンシーのレベルは5段階あります。最高評価のレベル5は、パラダイム転換行動をとることができる社員だといえます。
レベル4は、創造行動、レベル3は能動行動、レベル2は通常行動、レベル1は受動行動と評価されます。
コンピテンシーレベル3以上が高い評価になる?
レベル2の社員は、最低限すべき通常の業務をこなすというレベルの社員なので、コンピテンシーレベル3以上の社員は、高い評価になるといえるでしょう。
コンピテンシーのまとめ
コンピテンシーを用いた評価は、企業のみならず看護の業界でも取り入れられています。
自己評価が苦手な日本人には、細かなレベルが設定されている方が、向上心をもちやすいのかもしれません。
コンピテンシー評価があなたの勤務先でも採用される日も近いでしょう。
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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