
【情報処理安全確保支援士の資格とは】試験の内容や将来性を解説
平成28年、情報処理安全確保支援士という資格が経済産業省から認定されました。サイバー犯罪等の問題が国際問題になる中で、企業や組織のサイバーセキュリティ対策を担う専門人材の育成と確保を目的としています。この記事では「情報処理安全確保支援士の資格」についてキャリアパスや将来性も含めて解説します。
情報処理安全確保支援士の資格について紹介しましょう
まず情報処理安全確保支援士というについての概要、取得に必要な条件についてみてまいりましょう。
資格の概要
情報処理安全確保支援士という仕事はITの安全、安心を確保するセキュリテイ業務のプロといえる業務をこなすための新しい国家資格です。
従来まで存在していた「情報セキュリテイスペシャリスト試験」から受け継いだ新たな情報セキュリティースペシャリスト試験の最高峰であり初めての「仕業」としての役割を負った資格になります。
情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリテイからの脅威に対して組織の事業を守り安全を確保するためにシステムの構築を図ったりコンサルタントとしての立場から経営層に企画・立案・助言・提案を行い企業の円滑な業務推進に協力していく事を主目的とした業務を行うものが取得する資格なのです。
情報処理安全確保支援士という資格は、多岐選択式と記述式の学科試験によって行われます。
資格取得に必要な条件とは
情報処理安全確保支援士の資格取得に必要な条件は、この資格試験に合格することのみです。試験合格後に情報処理安全確保支援士として登録申請する事が可能になります。
この資格を受験するにあたっての年齢制限や学歴等の条件は特に設けられていませんが、知識が高度なため、大学や専門学校などによって体系的に学んでいく必要があるでしょうし、その方が資格取得に向けて近道と言えるでしょう。
情報処理安全確保支援士の資格はどうすれば取得できる?
それでは次にまいります。
情報処理安全確保支援士の資格はどうすれば取得できるのか、について紹介してまいります。
資格取得に必要な費用はどれくらい?
情報処理安全確保支援士の試験における受験料はレベル1からレベル4まで全て5700円となっています。さらに登録するとなると登録免許税として9000円、登録手数料として10700円が必要です。
更に毎年実施のオンライン講習に20000円、3年毎の集合講習に80000円が必要となってきます。
資格取得試験の実施概要について
情報処理安全確保支援士の資格取得試験の実施概要についてみてまいります。
- 試験日…毎年春が4月の第3日曜、秋が10月の第3日曜
- 申し込み受付期間…試験日の2ヶ月~3カ月前まで
- 試験会場…全国各地
どんなスキルが必要?試験内容、難易度について
それでは次にまいります。今度は情報処理安全確保支援士にはどのようなスキルが必要なのか、そして試験の内容、難易度についてみてまいります。
まずスキルについてですが、これにはITの現場に携わり、体系的な知識を学習していく姿勢が求められ続くでしょう。はっきり言って、情報処理安全確保支援士の試験は難関です。情報セキュリテイスペシャリスト試験からの系譜を引き継ぎ更に難易度がアップしています。
よって頭だけの知識に頼ることなくITの現状で抱えるサイバーセキュリテイの脅威を身をもって体験しながら自身の能力アップを図る勉強姿勢が求められるでしょう。
次に情報処理安全確保支援士の試験内容ですが、試験時間、出題数は情報セキュリテイスペシャリスト試験と同じになっています。つまり午前9時半から開始され間の休憩を挟んで夕方の4時半まで行われます。午前中が小問の試験、午後が大問の試験となります。
尚、合格のための最低基準は60%以上の正解が必要です。この正解率60%という数字は決して難しいレベルではないのですが、受験者数で割った合格率は16%~18%の間で推移しています。
よって司法試験並みの超難関とまではいかないですが、狭き門の試験という印象はぬぐえないでしょう。それ相応の準備と対策を練ってかからねばいけないということになります。
情報処理安全確保支援士の資格取得後、仕事を見つける方法
それでは次です。今度は情報処理安全確保支援士の資格取得後に仕事を見つけるための方法についてみてまいります。
情報処理安全確保支援士の仕事はどこで募集している?
情報処理安全確保支援士の仕事が情報セキュリテイ対策のコンサルタント的立場を持っている関係上、募集が行われるケースとして考えられるのは情報・IT系の大手企業となるでしょう。
しかしながら制度化されてまだ日が浅い新しい資格であるため、現状では自社内での人材の育成に強化を強いられる場合が多いのも事実です。
よって募集案件として探すのではなく在籍している組織において資格取得を目指しながら日々の業務を遂行していくパターンとなるでしょう。
未経験者でも仕事はすぐに見つかる?
情報セキュリテイに対して全くの未経験者がいきなりそのような業務に就くのは少々、無理が多過ぎます。
まずはそういったITに携わる企業に就職して実践におけるITの知識全般を習得していくことです。そしてまずは「情報セキュリテイマネジメント」の試験から合格を目指していくようにやっていくのがいいでしょう。
日本における情報セキュリテイに関わる人材が不足している事は明かなる事実です。今は未経験でも業界に身を置く事によって情報処理安全確保支援士になる日も決して夢ではないでしょう。
情報処理安全確保支援士のキャリアパスや将来性について
それでは最後となります。情報処理安全確保支援士のキャリアパスや将来性について紹介してまいります。
情報処理安全確保支援士の収入や将来性
情報処理安全確保支援士の収入からみてまいりましょう。
経済産業省が発表している平成29年度の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からみてみますと、一般的なITエンジニアに分類される方たちの平均年収が「608.6万円」です。
一方、情報処理安全確保支援士が含まれるIT技術スペシャリストの平均年収は「758.2万円」という結果が出ていました。これは明らかに情報処理安全確保支援士の収入が他の同業IT関連の仕事行っている人たちよりも上位にある、ということになります。
さらに情報処理安全確保支援士の将来性についてですが、IT人材の慢性的な不足は今後も続く見込みです。経済産業省が2016年に行った調査でも、2020年に30万人、2030年には70万人を越える人材不足が報じられています。
これらの調査結果を分析するまでもなく、情報処理安全確保支援士を含むITセキュリティエンジニアに属する人たちの将来性は引く手あまたの状況となる、ということがはっきりといえるでしょう。
どんなキャリアパスがある?具体的な事例を紹介
情報処理安全確保支援士のキャリアパス、つまりキャリアップについて考えてみましょう。
情報処理安全確保支援士の資格は2016年10月に発足した、まだまだ新しい資格です。よって各企業においても具体的な情報処理安全確保支援士の接待的人数が足りていない状況を考慮すれば、その活躍具合が見えにくいのも事実でしょう。
しかしながら、情報処理安全確保支援士がITセキュリティスペシャリストの中にあって初めての「士業」という位置づけを思えば、おのずとこの資格を保有する人の社会的立場を想像することができます。
情報処理安全確保支援士はITにおけるサイバー攻撃のための専門家であり全てのIT関連従事者の指導的立場になることは容易に想像できます。時代が求めている人材、それが情報処理安全確保支援士、ということになるのです。
まとめ
今回は「情報処理安全確保支援士」という新しい資格について紹介してまいりました。
ではもう一度、ポイントを振り返っておきます。
- 情報処理安全確保支援士という仕事はITの安全、安心を確保するセキュリテイ業務のプロといえる業務をこなすための新しい国家資格です。
- 情報処理安全確保支援士になるためには、情報処理安全確保支援士の資格取得試験に合格しなければなりません。
- 情報処理安全確保支援士を含むITセキュリティエンジニアに属する人たちの将来性は引く手あまたの状況となるでしょう。
今やサイバーテロを含めたIT関連の脅威は全世界的規模で進行しています。情報処理安全確保支援士を含めたITセキュリティスペシャリストのスタッフは、これからのIT時代を担うプロフェッショナル集団となり企業の利益の保護と情報漏洩を防いでいかなければならないのです。
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