【Uターンの就職とは】話題の用語についてメリットデメリットを解説

近年では、さまざまな働き方が推奨されるようになり、そのなかで「働く場所」にも多様化が進んでいます。

東京や大阪といった大都市では、雇用機会も多く賃金水準が高いことから、大学卒業後などのタイミングで地方から大都市へ移り就職するというケースが一般的でした。

少子高齢化が進む時代が到来し、労働人口が日本全体で縮小しており、労働者が働き方を選択するという流れが生まれていると考えられます。

今回は、注目度が高まっている「Uターン就職」について、その詳細や方法についてご紹介します。
 

Uターン就職とは？

「Uターン就職」とは、地方出身者が首都圏といった大都市で大学などの高等教育を受け卒業後に、また出身地に戻り就職することを指します。

また、大学などの卒業後にそのままその都市で就職し、その後に出身地で再就職することを「Uターン転職」と呼び、これには、出身地で大学などを卒業後、大都市に移り就職し、その後出身地に戻り再就職するケースも含みます。

Iターン就職とは？

「Uターン就職」とよく似た言葉に「Iターン就職」というものがあります。

この「Iターン就職」とは、首都圏などの大都市で生まれ育った人が、その土地で就職した後に、何らかの理由・目的で地方に移住し、就職することをいいます。

移住してその土地の企業に就職する場合もあれば、独立・起業を検討していて、地方の起業支援などの制度を活用することを目的に「Iターン」を検討する人も増えてきています。
 

ここでは、実際に「Uターン就職」を検討する場合、どのように就職先を探せばいいのか確認してみましょう。
 

新卒での探し方

Uターン就職を目指す就職活動の場合、一般的な就職サイトはもちろん、特定の地域に特化した求人募集サイトや、地域に根付いている企業のホームページで求人情報を確認するという方法が最も効果的に活用されています。

また、就職を希望する地域で開催される合同企業説明会に参加するのも、その場で実際に担当者とのコミュニケーションが取れることから、有効な手段のひとつと考えらえます。
 

既卒での探し方

既卒の場合は、まずは数多くある転職サイトへの登録は必須になります。転職サイトでは、希望勤務地が選択できるので、該当するエリアでの就職活動をオンライン上で進めることが可能です。

また東京や大阪といった大都市で、不定期ではありますが、Uターン転職イベントが開催されており、各地域に実際に行かずとも、現地企業担当者と直接やり取りする機会を得ることができます。

積極的にそのようなイベントの情報収集することも、既卒でUターン就職を成功させる上で重要なポイントになります。
 

ここでは、Uターン就職におけるメリット・デメリットについて確認してみましょう。
 

Uターン就職のメリット

Uターン就職のメリットとしては次のようなものが挙げられます。

• 生活費を抑えることができる
  大都市は利便性がある一方で、家賃が地方都市と比較するとかなり高いことを考えると、生活費を抑えるための手段として利用可能です。
  
  Uターン就職を実現させることで、一人暮らしを実現させることも可能になるケースも多くみられます。
   
• 生活環境が改善される
  利便性が高い一方で、大都市での通勤となると満員電車というストレスは避けられないことも多い一方で、地方に戻ることでそういった通勤を含む生活環境も大きく異なるものになります。
  
  家族との時間も多く取れ、精神的にも肉体的にも負担が軽くなるというのはUターン就職するメリットのひとつといえるでしょう。
   
• 就職活動における優遇がある
  地方企業の中には、人材の多様性を図る目的で、「Uターン学生枠」といった採用枠を別に設けていることがあります。
  
  またそのような特別枠がない企業でも、一般的に地元学生と比べてマイナスになることもなく、むしろ積極的に受け入れられるケースの方が多いのが現状です。
   

Uターン就職のデメリット

一方、Uターン就職することのデメリットもあります。

例としては次のような点が挙げられます。

• 給与水準が低い
  地方都市を拠点とする企業に就職すると、大都市の企業よりも給与水準が低めに設定されている場合がほとんどです。
  
  これは、物価や家賃といった生活費も低くなることを鑑みると、想定される生活水準としては同等になるからです。そのため、額面としては下回ることになることを理解する必要があります。
   
• 就職活動が難しい
  まず地方都市の企業は採用人数そのものが少なめに設定されていることが多く、また情報収集源が少ないことも就職活動を進める上では注意すべき点になります。
  
  また、企業によっては費用負担する場合もありますが、選考などに必要な移動の費用は自己負担になり、時間もお金もかかるという問題もあります。
  
  できるだけ、一度の帰省で複数社の選考などを受けられるように調整するのも限度があり、活動のスケジュールもUターン就職の場合は苦慮することが多いようです。
   

ここでは、Uターン就職を進める上での注意点について確認しておきましょう。
 

志望動機の書き方での注意点

就職活動をする上で、志望動機の書き方には注意が必要です。Uターン就職を志望する理由として、ただ単に「出身地に戻って働きたい」といった漠然とした表現を使うことは、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。

「出身地に戻りたい」のではなく、「その企業で働きたい」という動機、そして「出身地で就職がしたい理由」を明確にすることが重要なポイントです。
 

面接の受け方での注意点

Uターン就職、特に既卒の転職のケースでは、大都市ならではの目立つ経歴よりも、どれだけ長く企業に貢献してくれるか、という点を面接で判断しようという企業が多くみられます。

大都市での企業では、どれだけスキルと経験があるかなど、自分をアピールするという姿勢が求められます。一方で地方都市での企業では、その企業の特色や経営方針、求める人材像などを事前に調べた上で、その風土に合う人材であることを伝えられるようにしましょう。
 

最近では、地方移住に注目が集まっており、あらゆる地方都市がUターンやIターン就職に積極的に取り組む動きがみられます。

自分自身のキャリアプラン・ライフプランのひとつの選択肢として、地方で働くことは今後新たな可能性を生み出すと考えられるでしょう。