
【出向は拒否できる?】メリットやデメリットなどを詳しくご紹介
出向について掘り下げてみて行きたいと思います。出向の意味。メリットやデメリット。出向命令には必ず従わなければならないのか、出向に関するあらゆる問題について紹介していきたいと思います。また、出向は従わなけれ行けないのかということについても、詳しく解説致しますのでぜひ参考にしてください。
出向にはどのような意味があるの?
それではまず「出向」というものの意味についてみてまいりたいと思います。
出向の目的とは
まず、「出向」とは自身が在籍している会社との雇用契約はそのままにしておいて別の会社へ人事異動する形式をいいます。
分かりやすい例でいうと親会社から子会社への出向、というものが分かりやすいでしょう。
そして出向の目的とは、
- その人のキャリアの構成
- 出向先の会社の立て直し
- 企業間交流による人脈作り
- リストラを含む雇用調整
となります。
左遷・派遣との違いについて
それでは次に出向と左遷・派遣との違いについてみていきます。
左遷は平たく言えば「降格人事」です。
服務規定に違反する行為を起こしたり競争に敗れてしまい反主流派になってしまった人物への人事異動というわけです。
一方、派遣と出向の大きな違いは給与を支払う会社がどちらか、という事になります。
出向元の企業が払っているのなら「出向」、派遣先企業が支払っているのであればそれは「派遣」という雇用形態になります。
出向のメリット・デメリット
それでは次にまいります。
今度は出向のメリットとデメリットについてみてまいりましょう。
出向のメリットは?
まず出向のメリットからみてまいります。
メリット1・仕事のキャリアアップに繋がる
出向することによって他業種宇や異業種の仕事を覚えるチャンスが生まれます。
また人間関係についても出向期間中にもまれることによって親会社へ帰ったときに大いに生かせるスキルとして身に付く事になります。
メリット2・経費削減につながる
親会社が転籍出向という形態をとれば人件費の削減という経営メリットが派生します。
メリット3・出向先企業の人手不足が解消される
本人にとったら不本意な出向としても出向先企業にとったら貴重な戦力として計算することができます。
出向のデメリットは?
では次に出向のデメリットをみていきます。
デメリット1・本当の戦力とならない可能性がある
これはその出向の形式が在籍出向の場合あり得ます。
在籍出向だったらばある期間がきたら親会社に戻るのが通例です。
これでは出向先企業にとったら生殺しと同じ扱いともいえるでしょう。
デメリット2・出向先で大幅に条件が悪化する可能性がある
これは親会社にいた時の労働条件や環境が悪化することをいいます。
給与面をはじめ雇用形態、残業等、本人の負担が増えるばかりの状況となり得るケースがあるのです。
出向前に雇用形態や給与の支払われ方等をよく確認しておく必要があるでしょう。
出向命令には必ず従わなければいけない?
今度は出向命令には必ず従わなければならないのか?この疑問に就いて考えてまいります。
出向のルールとは
出向は会社の正規の業務命令であるのでみやみやたらに社員側が「拒否」することは行いにくいでしょう。
そもそも出向に正規のルールというものは存在しません。
就業規則にも多くを書かれていること自体、少ないといえるのが現状なのです。
出向拒否できるケースもある
ただ、だからといって何でもかんでも会社側の言い分通りに従う必要もありません。
要はその業務命令が筋が通っているかいないかによって労働者側が判断しなければならない、という事です。
例えば、就業規則や雇用契約書に「出向」といった文言がないのに不意打ちのように出向を命じられた場合、あるいは嫌がらせや退職勧奨のような形で出向を命じられた。
出向したがため給与や休日などが大幅に削減されるようなケースにおいてはその出向を拒否する事も可能になるのです。
出向を拒否するのに正当な理由は必要なの?
出向を拒否するためには、正当な理由づけは必要です。
上記のように雇用契約書や就業規則に出向についての条文もないのに不意打ちのように出向を命じられた場合や、それによって給与や休日が大幅に削減する場合などはきちんと書面にして双方の覚書のような形式で約束を取り交わすことです。
それらを会社側が拒否するようなら、そのような出向命令は従う必要なないでしょう。
但し、その実行には相当な労力と精神的なダメージも伴うことを覚悟することです。
会社との間で生じやすいトラブルとは
それでは次にまいります。出向にまつわる会社間とのトラブルについてみていきます。
出向を拒否した際に起きてしまったトラブル
労働者側が会社からの出向命令を拒否する事は可能です。
但し、その出向命令が法規上、何の落ち度も見当たらない場合はこの範疇ではありません。
よって労働者は就業規則や出向指示書等の条項内容によく目を通し、その出向によって自身が不利益を被らないようにしておく必要はあります。
ただ、中にはそのような事を一切、無視して一方的に出向を強行しようとする企業もあるかもわかりません。
それを拒否したがために法規の域を逸脱した違法行為に苦しめられる事態も起こり得るかも分かりません。
もしそのようなトラブルが発生してしまったら最悪の事態に備える以外、ないでしょう。
出向に関するトラブルを防ぐ方法とは
出向に関するトラブルを防ぐためには、とにかく就業規則、あるは出向指示書などの内容をよくチェックして、疑問点がある場合は納得するまで会社側と話し合うことです。
特に給与面、休日、期間、それ以外の労働者として当然、受け取るべき権利の阻害になっていないかをチェックすることです。
泣き寝入りといった事態にならないよう、日頃から気をつけておきましょう。
出向命令を拒否した際に懲戒処分は可能なのか
会社側の出向命令を拒否してしまったら懲戒処分となりうるのか。
この疑問について考えましょう。
出向命令を拒否できるのはどんな時?
労働者が出向命令を拒否できるのは、就業規則等に出向に関しての中身が希薄なとき、及びその出向に関して出向先での権利の取得が著しく不利益を被るときです。
いくら就業規則や労働契約書に「出向を命じることができる」と添えられていたとしても条件面を含んだ具体性が無いようならば権利の濫用となり得る可能性があるからです。
有効な出向命令を拒否した場合会社は懲戒処分を行える
但し、その出向命令が法規上問題なく会社の有効な業務命令であった場合、これを拒否したりすると懲戒処分を行える可能性は出てきます。
ただ実際に会社側が懲戒処分の決定を行うのは簡単な問題ではありません。
その会社の就業規則と一般社会との通念と見合わせ、その出向命令の拒否が会社にとって多大な損害を与えるとみなされたらその可能性は出てきます。
いずれにしても裁判沙汰も視野に入れた相当なる覚悟が必要でしょう。
出向命令拒否での懲戒解雇の場合退職金はどうなる?
出向命令拒否によって懲戒解雇処分となった場合、退職金の支払いはあります。
但し、その社員が会社に対して重大なる背信行為を行っての解雇の場合は全額とはいかないでしょう。それ以外のケース、つまり出向拒否による懲戒解雇ならば全額、支払われるのが通例です。
まとめ
今回は出向の拒否ということを中心にして紹介してまいりました。ではもう一度、ポイントを振り返っておきます。
- 出向の目的とは、「その人のキャリアの構成」「出向先の会社の立て直し」「企業間交流による人脈作り」「リストラを含む雇用調整」
- 出向のメリットは「仕事のキャリアアップに繋がる」「経費削減につながる」「出向先企業の人手不足が解消される」
- 出向のデメリットは「本当の戦力とならない可能性がある」「出向先で大幅に条件が悪化する可能性がある」
- 出向を拒否できるケースもある
- 出向に関するトラブルを防ぐためには、とにかく就業規則、あるは出向指示書などの内容をよくチェックして、疑問点がある場合は納得するまで会社側と話し合うこと
となっていました。
一般的に出向を命じられるケースは珍しくないでしょう。出向はその年代層によって狙いが変わってきます。特にキャリアアップを目指した出向のケースは拒否すること自体、ナンセンスとなってしまいます。
ただ中には両親の介護等などの理由により出向を受け入れられない場合も考えられます。
そのような事態を会社側も考慮しているかどうかも今後の働き方に影響してくるでしょう。
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