
ホテル・宿泊業の職務経歴書の書き方見本|フォーマットテンプレート【ダウンロード可】
ホテル業・宿泊業は人気の職種ではありますが、その半面離職率の高さも顕著のため、人手不足が社会問題となってきています。2020年のオリンピックを引き金にインバウンド需要が加速すると言われているホテル業界において、人材の確保は急務となっております。そして改めて給与面や働き方、福利厚生などが見直され始め、ホテル業務経験者の価値というのが大きく上昇傾向にあります。世の中のトレンドを活かしてより良い環境へ転職を考えるホテル業の方に、職務経歴書の書き方とコツを解説します。
ホテル・宿泊業の職務経歴書の簡単な書き方
ここからは、ホテル・宿泊業の職務経歴書の簡単な書き方をまとめていきます。
書き方① 勤務先を記入する
先ずあなたが今までどこで勤務していたかを明記します。そしてその会社への在籍期間と会社概要を記載します。
この部分は、どの職種においてもほとんど共通の項目のため内容にこだわるというよりは、相手に見やすいように書くことを心がけましょう。
書き方② 業務内容を記入する
あなたがこれまでの会社で行ってきた業務を書きます。
採用担当者は数多くの職務経歴書に目を通すため、見にくいものはしっかりと読んでもらえない可能性があります。
ここで伝えるべきことは、「あなたの実務経験」です。それを意識して分かりやすく、明確に書きましょう。
書き方③ アピールポイントを記入する
これまでの実務経験で得たことをどのように活かしていくかを書きます。
重要なことは、アピール内容が「志望する会社の業務にリンクするものであるか」どうかです。
少し厳しい言い方ですが、採用担当者は中途採用者に対して即戦力であることを期待しています。
そのため、今の自分のスキルが、どのように役立つかを伝えるようにしましょう。
また数値化できるポイントがあればそれは採用担当者にとって、分かりやすい情報になります。
売り上げや顧客対応数などをアピールできる業務に従事していた場合は必ず書きましょう。
ホテル・宿泊業の職務経歴書に書くべき自己PRポイント
ここからは、ホテル・宿泊業の職務経歴書に書くべき自己PRポイントを3つをご紹介します。
①何の業務をしていたか
同じ職場でのキャリアが長ければ、フロント業務をはじめ、宿泊業務や宴会業務、料飲業務など、あらゆる業務を経験することも少なくありません。
そのためきちんと細分化し、どの業務を何年やったかを明記します。
そこで貢献したこと、また習得したことを書きましょう。
もちろん、売り上げのようなものではないので数値化するのは難しいです。
なるべく「頑張った」などの主観的な意見ではなく、「こうしたことでお客様から感謝の言葉を頂いた」というような客観的な書き方を心がけましょう。
②どんな顧客を担当したか
宿泊する人は老若男女、千差万別です。
そのため、こういったお客様にはどういう対応をして満足いただいたという経験談を織り交ぜて書くことで、あなた自身のサービス精神を見せることができます。
また、今日では宿泊業は日本人の顧客以上に外国人顧客の需要が高まっています。
もし、外国人観光客の対応経験が豊富の場合は、必ずその時の経験談を書きましょう。
③幅広い専門的知識があるか
もちろんこれまでの業務で培った知識は前提としますが、それ以外に日本のお酒に詳しいであったり、特産品、工芸品への造形が深いなど、お客様を楽しますことのできる力はサービス業において大変重要なスキルです。
前述した、外国人観光客に対して会話できる能力があるというのも大きなPRです。
もちろん趣味でも大丈夫です。
例えば、グルメが趣味であれば、旅館の周辺のお薦めのごはん屋さんを紹介することもできます。
このように、あなたの知識がお客様に対してどのように還元できるのかを伝えることで、採用担当者にあなたの人間性も伝えることができます。
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【経験別】ホテル・宿泊業の職務経歴書で書くべき自己PRポイント
ホテル・宿泊業とひとくくりにされていますが、実際にはレストランや食事処をメインとする料飲部の方もいれば、フロントをメインにしていた宿泊部の方、あるいは宴会部などさまざまです。
そういったときに、実務経験が最も長く所属していたところでの経験をアピールすることで、ホテル業務の具体性が強まり、採用担当者はイメージをしやすくなります。
そして、あなたの魅力もより伝わります。
今回は、特に大きく3つに分類してそれぞれの業務のPRするポイントについて解説します。
レストランの経験があるホテルスタッフの自己PRポイントとは
ウェイター、ウェイトレスに関して述べると、この業務はホテル業務の中でも一番お客様と接している時間が長い業務ということです。
仮に2時間のコース料理だった場合、少なくとも2時間は意識をお客様に向けなければなりません。
つまり長時間ホスピタリティを意識できる人間であるということです。
ホテル・宿泊業というのはサービス業の最たるものです。
もし、いくらおいしい料理が出てきても、スタッフの対応が普通か、それ以下ならもう一度来たいとは思ってもらえません。
逆に、こんなに充実したサービスを受けることが出来たと感じさせることが出来れば、お客様は上顧客になりうるのです。
大切なことなので繰り返しますが、ホテル業務の中で最もお客様と関わる業務であるからこそ、自分にしかない長所だと伝えることが大切です。
フロントの経験があるホテルスタッフの自己PRポイントとは
フロント業務は、お客様がチェックインするときはもちろんですが、予約段階での電話応対でお客様と接点をもつポジションであり、いわばホテルの顔と言えます。
まずホテルの顔を任されていたという意識でこれからお伝えすることを書くようにしましょう。
実はこのフロント業務は細分化すると宿泊予約、ホテルの情報案内、接遇、お会計などたくさんの業務が包含されています。
しかし、これらのフロント業務には共通することがあります。
それは「正確でなければいけない」という部分です。
予約に関して言えば、チェックインの日時、人数は決して間違うことは許されません。
同様に、ホテルのインフォメーションの役割を担うフロントではお客様に誤った情報を伝えるなど言語道断です。
お会計に関しては言わずもがなですが、そのほかにも貴重品の預かりや外貨両替など正確さが求められることが本当にたくさんあります。
サービスについてPRするのも構いませんが、フロント業務という武器を活かすのであればぜひ「正確さ」という部分を前面に押し出してみてください。
清掃業務の経験があるホテルスタッフの自己PRポイントとは
これまで紹介したものは、レストラン業務やフロント業務といったお客様と対面する業務でしたが、この清掃業務(ハウスキーピング)についてはお客様と直接会うという機会はありません。
むしろ、お客様が部屋から出たときからがメインの業務です。
このように書くと、お客様に直接サービスをしていないように聞こえてしまいますが、むしろその逆です。
「神は細部に宿る」というドイツの有名な言葉があります。
これは、人が気付かないとこにこそ気をつかうべきだという意味ですが、ハウスキーピングとはまさしくこの言葉を体現したような仕事だと言えます。
前に客室を使った人の汚れ、におい、そして気配までも落とした真っさらな状態にもどすことが求められる業務の中で、自分はどこまで注意深く清掃をしているのかを伝えましょう。
こんなところまで見ないだろうと高を括るのではなく細部まで意識した業務が如何に重要かを、何か成功体験と一緒に話すことが出来ればとても効果的です。
【ダウンロード可】ホテル・宿泊業の職務経歴書のテンプレート
下記の画像をクリックすることで、ホテル・宿泊業の職務経歴書のテンプレートがダウンロードできます。
ホテル・宿泊業の職務経歴書の解説
ホテル・宿泊業の職務経歴書を作成する際には、以下の5つのポイントを意識しましょう。
-
職務要約
職務内容の概要が一目で分かるように、冒頭に要約を入れましょう。 -
業務内容
業務内容が多い場合は、箇条書きでわかりやすくまとめましょう。 -
活かせる経験・知識・技術
人事が知りたいのは「業務から何を学んだのか?」です。あなたの学びを必ず記入しましょう。 -
資格
応募先企業で活かせる資格がある場合は、記入しておきましょう。 -
自己PR
自己PRは結論ファーストで簡潔にまとめましょう。記入するときは、入社後の活躍のイメージが伝わるようにするといいでしょう。
採用担当者は多くの求職者の職務経歴書を見ているので、ぱっと見で理解しづらいものを嫌います。
そのため、「箇条書き」や「結論ファースト」などを活用して、わかりやすい内容にすることが大切です。
ホテル・宿泊業の職務経歴書を提出する前に
ホテル・宿泊業の職務経歴書を提出する前に、以下の6つのチェックポイントを確認しましょう。
□ 誤字や脱字がないかダブルチェックした
□ 学歴・勤務期間などの日付は間違っていない
□ 職務要約や自己PRの冒頭は伝わりやすい内容かどうか
□ なるべく専門用語を使わずに、誰でも理解しやすい言葉を使っているか
□ テンプレートをそのまま使わず、自分なりの工夫を盛り込んでいるか
□ 履歴書や面接で話す内容と、職務経歴書の内容がきちんと一致しているか
職務経歴書に誤字脱字や内容の齟齬があると、面接前から印象が悪くなってしまいます。
無駄に悪い印象を持たれないためにも、ケアレスミスには十分注意しましょう。
【Q&A】ホテル・宿泊業の職務経歴書でよくある質問と回答
ここまでホテル・宿泊業の職務経歴書の書き方について解説してきましたが、やはりホテル業務とひとくくりにしても、その中にはたくさんの業種が存在します。
つまり、携わっていた業種によって悩みも違います。
その中でも特によくある質問をピックアップし解説を加えたいと思います。
Q.転職が多いホテル・宿泊業経験者が職務経歴書で注意すべき点とは?
一般的に転職回数が多いと次の転職が不利になりやすいと言われていますが、一概にただ多いからという理由で不利になるわけではありません。
例えば、転職回数は4回だとしても各会社に3年以上努めているのであれば、むしろ多様な能力を持っていると期待される可能性もあります。
注意するべき部分は、「自分に合わないからやめた」というような背景が見えるやめ方を重ねてはいけないということです。
そのやめ方をしてしまうと、「うちの会社でもそうなるのでは」という思考に多くの採用担当者はなってしまいます。
もし面接に進んだとすると、面接官は職務経歴書をもとに質問をしてきます。
そうなったときに転職回数の要因をネガティブな理由で述べてしまうと好印象を与えることは決してできません。
そのため、職務経歴書を書く際には面接で聞かれたときにポジティブな回答ができるようにイメージして書きましょう。
Q.職務経歴書の経歴を捏造してもいい?
捏造はNGです。正確な情報を書きましょう。
仮に現職が契約社員であろうが、むしろ同じ職種で実務経験があるというのは貴重なアドバンテージです。
当たり前ですが、転職というのは原則、収入や福利厚生が向上するものです。
職務経歴書にしっかりと今まで培ったものを明記し、正社員として採用したいと思わせるように仕上げれば大丈夫です。
Q.職務経歴と職務要約は何が違うの?
職務要約は、採用担当者がはじめに目を通す部分です。
つまり「つかみ」であるため、いかに自分が志望する会社に必要な人材かを簡潔に書きます。
一方、職務経歴は、職務要約をさらに紐解いたものになります。
職務要約で、興味を持った採用担当者は、職務経歴に目を移すという流れです。
どちらも書くにあたっては重要ですが、まずは「つかみ」の部分である職務要約を重点的に書くことをお勧めします。
Q.職務内容は多く記入する方がいい?
そんなことはありません。
採用担当者が見たいのはあなたの今までの経験と、これからの意欲について見やすくまとまっているかという部分です。
実務経験で得たスキルや働くうえで心掛けていたこと、さらにはそこからの成功体験などがうまくまとめられれば質の高い職務経歴書になるはずです。
書くことが少なければ、ストーリー調にしてみるのも一つです。
ホテル・宿泊業の職務経歴書まとめ
さて、ここまでいくつかのパターンで紹介してきましたが、最終的に職務経歴書に求められるのは「読みやすさ」と「あなたの能力」と「あなたの熱意」です。
ホテル・宿泊業というサービスは、お客様がなにを求めているのかを感じ取ることが最も大切ですが、転職にあたっても同様で、採用担当者が何を応募者に求めているのかを考えなければいけません。
転職が前提ではありますが、サービス業をするにあたっては、この転職もサービス業の訓練の一つだと思います。
この3つのテーマを意識して、内定につなげて頂ければ嬉しく思います。
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