
退職理由(転職理由)を面接で上手く伝えるポイント!回答の例文を紹介
転職面接で前職までの退職理由を伝えるときに「どのように伝えればよいかわからない」「マイナスな印象を与えたくない」と悩む方は多くいるでしょう。ほとんどの転職面接では、前職までの退職理由を聞かれます。面接で退職理由を回答する際は、転職することを面接官が納得できるように伝えることが重要です。本記事では、転職面接で退職理由を上手く伝えるポイントや退職理由別の回答例を紹介します。転職活動を成功させるために、ぜひ参考にしてみて下さい。
転職の面接で退職理由を聞くのはなぜ?
転職の面接で退職理由が聞かれる主な理由は、以下の3つが挙げられます。
- 仕事に対する考え方や姿勢を知るため
- 企業との相性をチェックするため
- 早期退職しないか確認するため
面接官はあなたの退職理由の回答で、あなたが企業で働き続けることができるのかを見ています。
それぞれ詳しく解説します。
仕事に対する考え方や姿勢を知るため
退職理由から、あなたが働く上で重視していることや仕事への考え方や姿勢を見ています。
例えば、労働環境に不満があって退職した場合「周りに相談したのか」や「労働環境を良くするためにアクションしたのか」などのエピソードから、周囲とのコミュニケーションや問題解決のための姿勢あるのかを判断することが可能です。
また、あえて答えにくい質問をすることで、どのように回答するかを見て誠実さや仕事への責任感があるかを判断している面接官もいます。
企業との相性をチェックするため
退職理由を聞くことで、企業との相性をチェックしています。
例えば、残業時間が多いという理由で前職を退職した場合に、転職面接を受けている企業の職場の方が残業時間が多ければ、面接官は「自社とは合わない」と判断するでしょう。
このように、あなたの退職理由から「前職の退職理由と同じような状況にならないか」や「どのような場合に不満を感じるのか」「ストレス耐性はあるか」などを判断しています。
早期退職しないか確認するため
転職の面接で退職理由を聞く理由として、早期退職しないか確認することが挙げられます。
せっかく採用した人材が早期離職してしまうと、採用活動に充てたコストや時間が無駄になってしまいます。
そのため、企業はあなたが長く働き続けられるかを見ているのです。
退職理由(転職理由)を伝える際の7つのポイント
転職面接で、退職理由(転職理由)を伝える際のポイントは以下の7つです。
- 嘘の理由を言わない
- ポジティブな表現に変換する
- 言わないことを決めておく
- 不満に対するアクションも伝える
- 志望動機やキャリアプランとの一貫性を持たせる
- 具体的な言葉を使う
- 自信を持って話す
面接ではネガティブなことをポジティブな表現に変換して、回答することが重要となります。
ポイントについて詳しく解説します。
嘘の理由を言わない
嘘の退職理由は、見抜かれてしまう可能性があるため、極力避けるようにしましょう。
面接官は多くの人材の面接を経験しているため、些細な嘘は見抜かれてしまいます。
そのため、退職理由を深掘りされ矛盾した回答をしたりしてしまうと、嘘がバレてしまう可能性が高いです。
嘘がバレてしまうと「誠実さに欠けている」「信用できない」など、面接官にマイナスな印象を与えてしまいます。
あなたが転職を選んだ以上、前職に何らかの不満があったことは面接官も認識しているため、「不満ばかりを述べない」など伝え方に気をつける必要はありますが、基本的に嘘はつかないようにしましょう。
JobQに、転職活動で退職理由は本当のことを言わないといけないのかに関する質問がありますので、ご紹介します。
転職活動で退職理由は本当のことを言わないといけませんか?
社会人1年目のものです。
3ヶ月前に突然の業績不振の会社都合退職をすることになり、第二新卒で再就職活動をしているのですが、退職理由は本当のことを伝えなければいけないのでしょうか?
小さな会社を経営しております。プログラマーです。
別に退職理由で本当のことを言わなければいけない理由などひとつもないわけですけど、嘘をつくのが苦手な人は、…続きを見る
退職理由は本当のことを言わなくても良いですが、つじつま合わせや罪悪感が相手に伝わってしまうかもしれないそうです。
ポジティブな表現に変換する
退職理由をポジティブな表現に変換して伝えるようにしましょう。
退職理由で前職に対する不満ばかり述べてしまうと「ネガティブな人」「同じ理由で退職しそう」などのマイナスなイメージを与えてしまう可能性があります。
例えば、長時間労働が理由の場合は「メリハリをつけて効率的に働きたい」、給料が上がらないが理由の場合は「成果に見合ったが評価を得たい」のような表現が可能です。
このようにポジティブな表現に変換することで、前向きな姿勢が面接官に伝わりやすくなります。
言わないことを決めておく
退職理由を伝える際のポイントとして、言わないことを決めておくと良いでしょう。
例えば「上司が苦手だった」「同僚と馬が合わなかった」などは、個人の問題として受け取れるため、マイナスの評価になる可能性が高いと考えられます。
そのため退職理由では、自分が不利になるような「上司や同僚の愚痴を言わないこと」など、決めておくと良いでしょう。
不満に対するアクションも伝える
不満が退職理由の場合、不満に対してどのようなアクションを起こしたのかも伝えましょう。
面接官は、仕事への姿勢を知るためにあなたが前職で抱いた不満とどう向き合ったのか、のような退職理由の深掘りをする場合があります。
退職理由で不満だけを話すと問題に対して向き合えない人なのか、問題解決能力がない人などの印象を与えてしまいます。
些細なアクションでも良いので、不満の解消に向けて取り組んだことをエピソードとして伝えると良いでしょう。
志望動機やキャリアプランとの一貫性を持たせる
転職先の志望理由や、あなたが歩みたいキャリアプランと退職理由に、一貫性を持たせましょう。
退職理由が志望動機やキャリアプランと一貫していないと、あなたが何のために転職したいのかが面接官に伝わりにくくなってしまいます。
例えば、仕事内容が合わない場合「〇〇の業務をしたくて資格をとったが、今の職場では〇〇の業務がないから転職を決意した」のように、退職理由と志望動機を繋げると面接官に納得してもらいやすくなるでしょう。
退職理由をポジティブな表現に変更することで、自分が理想とするキャリアプランや転職先の志望理由に繋げやすくなります。
自分自身の気持ちに向き合う、良い機会となるでしょう。
具体的な言葉を使う
退職理由を伝えるポイントとして、具体的な言葉を使うことも挙げられます。
「スキルアップしたいから」「成長したいから」などの抽象的な言葉を使うと、マイナスの評価になる可能性があるため、具体的な数字を交えながら伝えると良いでしょう。
例えば、「事務の仕事以外にも経理の仕事に携わり、スキルアップしたいと考えているため」など、具体的な言葉を使うと面接官にも伝わりやすいと考えられます。
自信を持って話す
自信を持って話すことも、退職理由を伝える際のポイントだと言えるでしょう。
なぜなら声が小さかったり、自信がなかったりすると、「何か隠し事をしているのではないか」と思われる可能性が高いからです。
また自信を持って話していると、相手に伝わりやすく好印象になると考えられます。
そのため答える時は、自信を持ってハキハキ話すと良いでしょう。
退職理由(転職理由)別の良い回答例
以下の6パターンの退職理由別に、回答例を紹介します。
- 体調不良で退職する場合
- 給与が不満の場合
- パワハラを受けた場合
- リストラされた場合
- 親の介護が必要となった場合
- 結婚することになった場合
それぞれ参考にしてみてください。
体調不良の場合
長時間労働で体調を崩してしまった場合の、回答例を紹介します。
【回答例】
前職では、業務量が多く朝7時〜夜12時まで勤務するのが当たり前となっておりました。
上司に対しては社員を増やしたり、業務委託などで負担を減らして欲しいとお願いしていましたが、なかなか聞き入れてもらえませんでした。
そのため、毎日の睡眠時間も少なくなり体調を崩してしまい退職しました。
現在、体調は回復傾向にあり就職活動をしておりますが、ワークライフバランスが整う環境で勤務したいと考えております。
長時間労働で体調を崩してしまった時の伝え方のポイントは以下の3つです。
- 具体的な勤務時間
- 不満への取り組み
- 今後の働き方の希望
「朝7時〜夜12時」のように誰がみても長時間労働と分かるように具体的な勤務時間を伝えましょう。
さらに、長時間労働に対するアクションを伝えることで、問題解決しようとしていた姿勢が伝わります。
最後に、退職理由と一貫性を持った理想の働き方を伝えられると、説得力が増します。
給与が不満の場合
給与への不満の場合の、回答例を紹介します。
【回答例】
前職(現職)の人事制度は、年功序列が基本であったため成果を上げても評価や給与へ反映されませんでした。
そのため、仕事に対するやりがいや手応えを得られにくい環境だったと思います。
また上司の話を聞くと、将来的にも大きな昇給や改善が望めないことが分かりました。
御社には、成果に応じたインセンティブやボーナスの査定があることや、スキルや実績に見合ったポジションを得られることを魅力に感じております。
御社の利益拡大に貢献し、経済的な困難を克服しながら、キャリアアップも実現したいと思っております。
給与が低い時の伝え方のポイントは以下の3つです。
- 前職(現職)の人事制度
- 上司や先輩社員の状況
- 今後のキャリアプラン
「年功序列のため成果で判断されない」「昇給がない」など、前職(現職)の人事制度や、上司や先輩社員の状況を伝えることで、あなたが置かれている環境や将来への不安を面接官が把握しやすくなります。
それを踏まえて、給与を伸ばすためにどのような働き方をしたいかを伝えられると、前向きな意識による転職と捉えられます。
パワハラを受けた場合
パワハラを受けた場合の、回答例を紹介します。
【回答例】
前職の上司は、仕事は個人でするものだと考えており、他の社員と協力して仕事をすることは禁じられていました。
仕事の進捗を確認するため、他の社員に連絡をしようとすると、上司から怒鳴られ叱責されることが続き、他部署の上司に相談しました。
しかし、怒鳴られ叱責する上司は変わることはありませんでした。
このような理由から、退職を決意しました。
パワハラを受けた時の伝え方のポイントは以下の3つです。
- 直接パワハラと伝えない
- 起こった事実を客観的に伝える
- 改善の余地がない状況
面接で、自分からパワハラについて話す必要はありません。
面接官に尋ねられた際に、会社で起こった事実を伝え、改善の余地がなかったことを伝えましょう。
リストラされた場合
リストラされた場合の、回答例を紹介します。
【回答例】
コロナ禍による経営不振で、私が勤めていた飲食店は閉店となり、退職することになりました。
前職は新卒で入社して、売り上げを上げる楽しさを感じており充実していたのですが、自分の力を試したいと思い、挑戦したかった営業の仕事へキャリアチェンジを決めました。
リストラされた時の伝え方のポイントは以下の2つです。
- 他責にしない
- 転職して実現したいこと
経営不振が退職理由だとしても、転職して実現したいことを意識すると、面接官にもやる気が伝わるでしょう。
親の介護が必要になった場合
親の介護が必要になり退職する場合の、回答例を紹介します。
【回答例】
実家に住む父親が要介護状態になりまして、家族間で話し合った結果、私が帰る決心をしたので、ご報告ということになります。
緊急事態ではありませんが、母親も高齢のため、なるべく早く介護に専念したいと思っています。
つきましては3ヶ月後の〇月をもって退職ということで、ご了承いただきたく存じます。
仕事は最後までやり遂げますので、よろしくお願い致します。
親が介護になった時の伝え方のポイントは以下の3つです。
- 親の状態
- 自分だけの意思ではないこと
-
具体的な退職日
「家族間で話し合った結果」のように、自分だけの意思ではないことを伝えましょう。
さらに、具体的な退職日を伝えることで、今後の方針が決めやすくなると考えられます。
結婚することになった場合
結婚することになり退職する場合の、回答例を紹介します。
【回答例】
私事ですが、〇月に結婚することになりました。
結婚を機に、専業主婦になって夫を支えたいと考えているため、退職させていただきたいと思っております。
ここまで育てていただいたのに、申し訳ございません。
退職前の引継ぎなど、最後まで責任を持って対応させていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
結婚することになった時の伝え方のポイントは以下の2つです。
- 退職の意思
-
感謝の気持ち
「専業主婦になって夫を支えたい」のような、具体的な退職の意思を伝えましょう。
また感謝の気持ちを伝えると、退職日までの期間が過ごしやすくなると考えられます。
退職理由(転職理由)別の悪い回答例
以下の3パターンの退職理由別に、回答例を紹介します。
- 仕事が自分と合っていない場合
- 人間関係が不満の場合
- 労働時間の長さに不満がある場合
それぞれ参考にしてみてください。
仕事が自分と合っていない場合
仕事が自分と合っていない場合の、NGの回答例とOKの回答例を紹介します。
【NGな回答例】
前職で営業をしていたのですが、1年働いても結果がついてこず、仕事が自分と合っていないと感じたため退職しました。
そこで人と話すことの少ない事務の仕事の方が、自分には合っていると感じたため応募しました。
【OKな回答例】
前職では営業職として、顧客のニーズに合った提案をしてきました。
実際にお客様の求めている商品を提案したいのですが、課題解決に繋げられず仕事に限界を感じています。
そこで営業としてではなく、商品企画チームで顧客のニーズを汲み取った商品づくりがしたいと思い、転職を決意しました。
仕事が自分と合っていない時の伝え方のポイントは以下の2つです。
- 今の仕事では叶えられないこと
- 前職で活かせること
仕事が自分と合っていないなどの、ネガティブな内容を伝えるのは避けましょう。
また前職で活かせることがあると、アピールになるので伝えると好印象になると考えられます。
人間関係が不満の場合
人間関係が不満の場合の、NGの回答例とOKの回答例を紹介します。
【NGな回答例】
前職(現職)の上司と人間関係が悪かったため退職しました。
昔の考え方を持っている上司で意見のぶつかりも多く、大声で怒られることもありました。
これ以上、その上司と一緒に働きたくないと思い転職しました。
【OKな回答例】
前職はチームで動くというより個人プレーで業務を進める風土で、仲間意識が低い会社でした。
また、保守的な考え方の会社で新しい意見が取り入れられにくい雰囲気でした。
私自身チームの仲間とコミュニケーションを取り、さまざまな意見を取り入れながら業務を進めることで、自分の能力を発揮できると考えております。
御社はチームで業務をすることや、社員の年齢問わず意見交換会が行われているなどの点に魅力を感じ志望しました。
理想とする働き方を実現し、前職で培った業界知識を駆使して活躍したいと考えております。
人間関係が悪かった時の伝え方のポイントは以下の3つです。
- パワハラやいじめなどのキーワードは伏せるのが無難
- 上司や周囲への愚痴にならないようにする
- 今後の理想の働き方を伝える
パワハラやいじめなどの人間関係悪化の直接的な原因や、上司・周囲への愚痴は控えるのが無難です。
愚痴や不満が多くなると、扱いにくい部下になるかもしれないと思われる可能性もあります。
人間関係の直接的な理由よりも「チームで働きたい」「積極的に意見を出したい」「自分の能力を発揮したい」など、前向きな内容を述べるボリュームを多くすると良いでしょう。
労働時間の長さに不満がある場合
労働時間の長さに不満がある場合の、NGの回答例とOKの回答例を紹介します。
【NGな回答例】
残業が多かったため、退職しました。
定時に帰れない日が多く、プライベートの時間が削られることもありました。
残業がなく、定時に帰れる会社が良かったため転職しました。
過度な残業の場合、具体的な数字を入れると良いでしょう。
しかし転職面接を受けている企業の職場の方が残業時間が多いと、「自社には合っていない」と面接官が判断すると考えられます。
【OKな回答例】
前職での勤務時間は、毎朝6時から夜12時までが常態化していました。
上司に、業務の軽減や増員を提案しましたが、変化を好まない社風のため受け入れられませんでした。
仕事とプライベートどちらも充実させたいと考えていたため、転職を決意しました。
労働時間の長さに不満がある時の伝え方のポイントは以下の2つです。
- 具体的な勤務時間
- 改善の余地がない状況
「毎朝6時から夜12時までが常態化していました」のような、具体的な勤務時間を入れると伝わりやすいでしょう。
また自分で解決しようと提案したが、改善の余地がなかったことを伝えると、面接官にも納得してもらいやすいと考えられます。
転職の退職理由でよくある質問
最後に、転職の退職理由でよくある質問をみていきましょう。
今回は、以下2つの質問に回答していきます。
- 退職理由が思いつかない場合は?
- 退職理由は噓でも大丈夫?
順番に確認していきましょう。
退職理由が思いつかない場合は?
退職理由が思いつかない場合は、前向きな退職理由を述べましょう。
例えば「収入が少なかった」→「実績がきちんと給与に反映される環境で働きたい」のように、前向きな転職であることや熱意を伝えましょう。
関連記事
▶面接での退職理由が思いつかない!状況別に使える例文・ポイントを紹介
退職理由は噓でも大丈夫?
退職理由は嘘でも大丈夫ですが、おすすめはしません。
面接の退職理由で嘘を伝えると、以下のリスクが発生します。
- 志望動機など他の面接の受け答えで退職理由と矛盾が発生する
- 志望動機との一貫性が見えずらくなる
- 面接官が応募者を本質的に理解しにくくなる
嘘をついた結果、入社時の期待値にミスマッチが起こり、転職者と企業どちらにとってもいい結果になりにくくなる可能性があります。
不満を紐解き前向きな転職であることを伝えよう
本記事では、以下について紹介しました。
- 転職の面接で前職までの退職理由が聞かれる理由
- 面接時に退職理由を上手く伝えるポイント
- 退職理由の良い回答例
- 退職理由の悪い回答例
- 転職の退職理由でよくある質問
退職理由は、答えにくい質問の一つと言われていますが、ポイントを押さえて回答できればマイナスな印象を与えてしまうことはありません。
退職理由を伝える際は、前向きな姿勢を見せることや、退職理由を面接官に納得してもらうことが重要です。
「なぜ退職するのか」「転職先でどのような働き方をしたいのか」など不満を紐解きながら整理し、面接官はもちろん自分自身が納得できるような理由を伝えるようにしましょう。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
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