
厚生労働省の業界研究|就活に役立つ事業構造・将来性・働き方など徹底解説します
厚生労働省が所管する社会保障は国家予算の96兆円のうち31兆円を占め、中央官庁の予算として最大規模です。それだけ国民生活に与える影響も大きく、厚労省官僚は国政上の最重要課題に取り組んでいるといえます。この記事では厚生労働省の官庁訪問に挑む学生に向けて、厚生労働省の採用ホームページや発行している白書、所管法令などを参考にして、業界研究を行っています。記事を最後まで読んで、就活対策を万全にしてください。
厚生労働省とは
厚生労働省は2001年の中央省庁再編にあたり、国家行政組織法の一部改正及び厚生労働省設置法が成立し、旧厚労省と旧労働省が統合して、誕生しました。
統合の理念は「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」を目指すために、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上・ 増進と、働く環境の整備、職業の安定・人材の育成を総合的・一体的に推進 」することです。
略称は厚労省です。
厚生省は1938年に国民の体力向上、結核等伝染病への罹患防止、傷痍軍人や戦死者の遺族に関する行政機関として誕生、一方で労働省は1947年に社会党政権の片山内閣の公約を実現させるために誕生した省庁です。
厚生労働省は「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」を目的として、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上・増進と、働く環境の整備、職業の安定・人材の育成を総合的・一体的に推進しています。
より具体的には国民の健康、医療、福祉、介護、雇用、労働、年金に関する行政及び旧軍人の復員、戦没者遺族等の援護を任務としています。
厚生労働省の任務については厚生労働省設置法第3条に根拠があります。
厚生労働省は、国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ることを任務とする。
前項に定めるもののほか、厚生労働省は、引揚援護、戦傷病者、戦没者遺族、未帰還者留守家族等の援護及び旧陸海軍の残務の整理を行うことを任務とする。
また、厚生労働省が所管する業務については厚生労働省設置法第4条の一号から百十一号に規定があります。
このように厚生労働省の所管する業務は非常に幅広く、少子高齢化、男女共同参画、経済構造の変化などに対応し、社会保障政策と労働政策を一体的に推進します。
所管業務の幅広さから予算規模は中央省庁の中で最大となっています(国の2021年度予算案は一般会計の総額が106兆6097億円、うち厚生労働省は35兆8,421億円を占め、全体の33.6%)。
厚生労働省に入省した場合にはこれら厚生労働省所管業務に関する法律や政省令の制定・改正、関連予算の確保・執行、 各種検討会の開催など様々なツールを駆使して、 在るべき日本の姿を議論し、実現することになります。
厚生労働省の役割
医療行政
安定した医療の提供、医薬品と食品の安全の確保、健康社会の実現。
労働・雇用
労働条件の確保、雇用政策の推進、職業能力開発支援を通じた経済発展、多様な雇用環境の促進。
厚生労働省の仕事内容
医療行政
医療行政においては主に以下の2つの政策領域があります。
- 医療・健康増進
- 医薬品・食品の安全
医療・健康増進
少子高齢化・人口減少が深刻化する中で厚生労働省は病院・診療所の連携促進、医師不足の解消、 災害時医療の体制構築などにより、いつでもどこでも安心して医療を受けられる地域づくりに取り組んでいます。
そのためには高度な医療技術が不可欠であり、カリキュラム見直し等による高水準医療を支える医師や看護師といった専門人材の資質向上、最先端の医薬品・医療機器、再生医療、さらにはゲノム医療を実現するための研究開発支援などを実施しています。
最近では新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、対応する医療機関や医療従事者を支援するために病床の確保や感染拡大防止対策に資する設備整備に対する補助のほか、新型コロナウイルス感染症患者に対応する医療従事者の確保、省内外を問わず、関係機関と連携を取りながら保健所の体制強化や検査体制の拡充、国内外のワクチンメーカーとの交渉喫緊の課題となっています。
また、高齢化社会の到来に伴って、健康寿命を伸ばすことや難病に対応する必要性も増しています。
厚生労働省では企業や地域などを巻き込みつつ健康的な食事や運動、定期的な検診 受診を心がけるための予防・健康づくりの取組、また難病を患っている方を支援するために医療費の助成、早期診断と医療環境の整備、治療法の開発に向けた研究の促進に取り組んでいます。
医薬品・食品の安全
日本の薬事制度の基礎は明治時代に構築されました。
制度の中身は変わっていますが、「医薬品・医療機器等の品質、安全性、有効性を守り、国民の健康・生活を支える」という使命は変わっていません。
その一方で制度に固執せずに新たな感染症のためのワクチン等の承認審査、最先端医療機器の開発・促進、食品の規格基準の策定や監視指導、安全な水道水の供給等に柔軟に取り組むことも重要な業務です。
特に最近では 新型コロナウイルス感染症の世界的流行が国内の経済活動及び国民生活に大きな打撃を与えており、ワクチンへの期待が高まっています。
ワクチンの早急な供給と安全性の確保の両立のために厚生労働省はPMDA(医薬品医 療機器総合機構)と連携し、最優先で承認審査を行っており、治験データや最新の科学的知見に基づき、ワクチンの有効性・安全性等の確認を行っています。
様々な法律や制度設計によって医療水準の確保や国民に供給される食品の安全性を確保することも厚生労働省の任務です。
具体的には安全で有効な医薬品・医療機器等を提供するための医薬品医療機器等法に基づいた製造から販売、市販後の安全対策まで一貫した対策、水道事業の認可、水質基準の策定等の水道に関する制度の運用や水道管の耐震化への財政支援、理容師・美容師の資格制度や旅館・ホテル営業の許可制度等、生活衛生関係営業の衛生規制と振興などを実施しています。
労働・雇用
労働・雇用行政においては主に以下の4つの政策領域があります。
- 労働条件の確保
- 雇用政策
- 職業能力開発
- 雇用環境改善
労働条件の確保
厚生労働省の労働基準局が労働条件に関する諸政策に取り組んでいます。
日本には約5,300万人の労働者がおり、安心・安全で働きがいのある職場環境づくりを支援することが労働基準局の使命です。
少子高齢化による労働力人口の減少、技術革新など労働を取り巻く環境が大きく変化する中、多様な働き方の推進や長時間労働の是正などが主な業務です。
労働に関しては様々な法律や規制が存在します。
例えば、労働基準法や最低賃金法などは労働時間や賃金といった労働条件の最低基準を定めていますが、これらが適切に守られているのかを監督することは大切です。
さらに仕事中や通勤中の労働災害に遭った場合や仕事のストレスが原因で精神障害になった場合などに必要な補償を行う労災保険制度、使用者と労働者の間の労働契約の成立、変更、終了等が円滑に行われるための基本的なルール(使用者が労働者を解雇する場合の規制など)の制定などを行っています。
また、最近では日本の伝統的な働き方を見直す動きがあり、政府主導で「働き方改革」が進んでいます。
2018年の通常国会で働き方改革関連法が成立し、70 年ぶりの労働基準法の改正が実現しました。
時間外労働の上限規制などの労働時間に関する規定によって、職場での事故や過労死の防止、メンタルヘルスの確保、 病気の治療と仕事の両立などを支援しています。
さらに中小企業が賃上げしやすい環境を整備するため、生産性向上や業務改善のための相談支援や助成などの支援を行うことも重要な業務の一つです。
雇用政策
厚生労働省では雇用のセーフティネットとして全国500箇所以上のハローワークを通じて、以下の雇用対策を一体的に実施しています。
①全国ネットワークを活用した職業紹介
②失業時の所得保障を行う雇用保険制度
③働き方改革
近年では、景気の拡大及び人口減少によって、多くの業種において人手不足が深刻化しています。
企業の人材確保を支援するためハローワークでは人手不足分野を対象として、求人充足に向けたコンサルティングや求職者への就職支援を進めています。
また、企業による労働者の職場定着に向けた取組を後 押しするため雇用管理の改善や生産性向上の取組を行った場合に助成金を支給するなどの支援をしています。
高齢者人口が増える中で「生涯現役社会」の実現が推進されています。
厚生労働省では企業に対し、希望者全員の65歳までの雇用確保措置を義務づけているほか、65歳を超えた継続雇用延長や定年延長等を行う企業への助成金の支給やハローワークの生涯現役支援窓口等を通じた高齢求職者への支援、シルバー人材センターにおける多様な就業機会の確保などに取り組んでいます。
さらに外国人人材の活用も重要な課題です。
2019年4月には新たな在留資格「特定技能」での外国人材の受入れが開始されました。
外国人人材の受け入れや定着を推進する職業安定局では、外国人労働者が安心して就労できる環境の整備に向けて、留学生の就職支援やハローワークの職業相談窓口での多言語対応、外国人問題に関する啓発活動等に取り組んでいます。
職業能力開発
職業能力開発における厚生労働省の使命は日本の経済活動を支える労働者やこれから働こうとする若者、転職・ 再就職を目指す方々などに対し、仕事に必要な知識やスキルの習得・向上を図るための支援を行うこと、労働者のスキルアップに取り組む企業を支援することで安定した就職や雇用を促すことです。
近年は、非正規雇用労働者の正社員就職や子育て中の女性の再就職を支援するための訓練コースの充実を進めているほか、IT利活用人材の育成など時代のニーズに応じた職業訓練への対応も強化しています。
こうした訓練コースは公的職業訓練には厚生労働省の予算が投入されており、受講者は無料受けることができます。
また、制度設計や企業に対する助成によって労働者のスキルアップを支援しており、例えば、若者雇用促進法に基 づき、職場情報の提供や若 者の採 用・育成に積極的な中小企業を認定する仕組みを設けています。
さらに近年では人生100年時代を見据え、誰もがいくつになっても学び直し(リカレント教育)の機会を得られる社会づくりが政府の重要課題となっています。
厚生労働省ではキャリアコンサルティングの普及、 教育訓練給付制度の見直し、長期の教育訓練休暇制度を導入する企業への助成など各種の人材開発政策を組み合わせています。
雇用環境改善
現在の日本では働く人も働き方も多様化が進んでいます。
したがって、誰もが活躍できる職場環境の整備、パートタイムや有期などの非正規雇用で働く方の雇用環境改善、 仕事と子育てや介護との両立、テレワークなどの柔軟な働き方の推進、 豊かで安定した勤労者生活の実現に向けた取組などが課題となっています。
厚生労働省の制度設計の例として「同一労働同一賃金」制度が挙げられます。
2020年4月より順次、パートタイム・有期雇用労働法、改正労働者派遣法に基づいて、全雇用者の約4割を占める非正規雇用で働く方と正規雇用で働く方との間の不合理な待遇差を禁止し、非正規雇用で働く方の待遇改善を目指しています。
厚生労働省としては企業が制度を順守することを促し、必要に応じて罰則の適用などを行っています。
厚生労働省の組織図
中央労働委員会
中央労働委員会(中労委)は厚生労働省の外局であり、労働組合法に基づいて設置された国の機関です。
労働組合法及び労働関係調整法、行政執行法人の労働関係に関する法律に基づき、労使間関係の調整、労働者の団結の促進、及び労働関係の公正な調整を図ることを任務としています。
より具体的には中央労働委員会は以下の3つの業務を行っています。
- 労働争議の調整
- 不当労働行為事件の審査
- 労働組合の資格審査
2021年度(令和3年度)一般会計当初予算における中央労働委員会所管の歳出予算は14億7973万4千円となっています。
労働基準監督署
労働基準監督署は厚生労働省の第一線機関(出先機関)であり、 全国に321署あります。
労働基準法などの関係法令に関する各種届出の受付や、相談対応、事業所に対する監督指導、労働基準法違反の取締、労働安全衛生法等による免許の選任、就業規則の検認、機械や設備の設置に係る届出の審査や、職場の安全や健康の確保に関する技術的な指導を行っています。
平成30年では監督指導は1年間に約 17 万件実施しており、そのうち定期監督(主体的、計画的に実施する監督指導)等では、約68%の事業場において労働基準関係法違反が認められました。
最新のトレンド
新型コロナウイルス感染症対応
2019年12月に中国・武漢で発生し、2020年1月半ば日本国内で初めて感染者が確認された新型コロナウイルス感染症の感染拡大が進む中で政府は同年4月に入り、まず7都府県に、その後全国に緊急事態宣言を発出しました。
厚生労働省はそれに先立つ2020年1月28日に「新型コロナウイルス感染症対策推進本部」(本部長:厚生労働大臣/以下「コロナ本部」)を設置し、当時の田村厚生労働大臣のリーダーシップの下、関係省庁とも緊密に連携しながら感染症対策を進めています。
コロナ本部では、感染症対策の基本戦略の立案、検査体制や医療体制の整備、ワクチンの確保と地域における接種体制の整備、クラスター対策、医療物資の確保、水際対策、国民への情報発信など、各種課題に対応できるよう必要な体制を組んでいます。
新型コロナウイルス感染症対応で最も注目されたのがワクチン接種です。
菅内閣の下で河野太郎行政改革担当大臣がワクチン担当大臣に任命されましたが、新型コロナウイルス感染症発生以来、感染症対策は主に厚生労働省の業務でした。
ワクチンは開発から薬事承認、生産・流通体制の構築、身近な地域での接種を可能とする自治体や医療機関での体制構築、副反応への対応など、実に多くのプレイヤーが複雑に関わる施策であり、接種の是非に関わる議論も含めて決して容易なものではありません。
今回は、国民のほとんどが接種対象になることが想定されたため、厚生労働省では昨年の早い段階から膨大な準備・調整・交渉が行われてきました。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、特に宿泊業や飲食業などの企業に対して営業自粛などが求められた結果、多くの人々が休業・失業せざるを得なくなりました。
政府・厚生労働省は雇用維持に取り組む企業を支援するため、労働者に休業手当を支払う企業を支援する雇用調整助成金について特例措置を講ずるとともに、労働者からの申請に対して直接支給する新型コロナウイルス感染症対応休業支援金を創設して休業中の日々の生活を支援しています。
年金振込通知書の誤送付
年金の適切な運用は厚生労働省の所管であり、年金は現役を退いた高齢者の生活を支える国民生活の根幹です。
しかし、2021年10月6日に日本年金機構が年金受給者に発送した10月分の「年金振込通知書」のうち、約97万人に誤送付する不祥事が判明しました。
「年金振込通知書」には基礎年金番号や年金受給額、振込先などが記載されており、個人情報が漏洩してことになります。
背景には厚生労働省が業務を委託した愛知県内の業者の印刷と貼り合わせのミスがありました。
誤送付の直接的な責任は厚生労働省にはありませんが、年金行政は厚生労働省の所管であり、国民から厳しい批判の声が上がっています。
というのも年金に関する問題は今回が初めてではなく、2007年には国民年金など公的年金保険料の納付記録漏れ問題が約5,100万件発生した「消えた年金問題」が発生しました。
当時は政府は年金事務を所管する社会保険庁を批判しましたが、監督責任が追求され、同年7月の参院選における自民党政権敗北の遠因になりました。
厚生労働省を巡っては2021年9月に実施された自民党総裁選で厚生労働省の分割が争点の一つとなりました。
当時の菅首相も分割について見直す方針を表明しています。
厚生労働省では職員不足が深刻化しており、旧厚生省と旧労働省の統合から20年が経過する節目の時期に組織の在り方を見直すべきだという声もあります。
厚生労働省の年収
文部科学省単体での職員の年収は非公表ですが、人事局が公表している「国家公務員の業務状況等の報告」を基にすると、国家総合職採用の職員は1年目で300~400万円程度、30代で600~700万円程度、40代から50代で1000万円を超えてくるイメージです。
また、国家一般職については国家公務員25万3132人のうち、一般職にあたる行政職は14万2236人であり、給与は全職員の平均給与は41万6203円で、行政職に限ると40万8868円となっています。
厚生労働省で求められる人物像・スキル
厚生労働省はどのような人物を求めているのでしょうか?詳しく解説していきます。
採用実績大学
厚生労働省単体での職員の出身大学は非公表となっています。
しかし、人事局が公表している「採用昇任等基本方針に基づく任用の状況」によれば、国家公務員の出身大学は東京大学、京都大学、東京大学大学院、早稲田大学の順番になっています。
志向性やスキル
厚生労働省の業務は幅広く国民生活に密接に関連しています。
厚生労働省で扱う予算は一般歳出の約6割を占め、社会保障や労働といった日本の盛衰を左右する重要な分野を所管しており、少子高齢化、人口減少、技術革新、 グローバル化等の構造的な変化の中で、前例のない課題の解決を求められます。
そのため、以下のような人物が求められています。
- たとえ困難に直面してもよりよい社会の実現のために全力を尽くす「使命感」
- 多様な意見に耳を傾け、現場の人々の思いに心を寄せられる「共感力」や「想像 力」
- 他の省庁を含めて人を巻き込み、課題解決へと導く「好奇心」や「行動力」
一方で、多様な業務を扱うこと、チームで業務に取り組む省庁であることから、組織としての多様性も重視しているようです。
厚生労働省のES・面接対策
最後の厚生労働省の就活対策を解説していきます。
ここが最も重要なところなので、ぜひ参考にしてみてください。
ES対策
志望動機
内定者の志望動機について見てみましょう。
厚労省は所管している業務が幅広く、国民が安心して生活できる環境づくりに貢献したいとの思いから厚労省を志望しました。
厚生行政 は、医療や健康、子育て、介護等、 業務の幅広く、どの業務も社会にとって欠かせないものであるということに魅力を感じました。
このように厚生労働省を志望する方の多くは厚生労働省の扱う業務の幅広さに魅力を感じているようです。
したがって、志望動機を作成する際には厚生労働省の業務に携わりたいと思った具体的なエピソードを記載しましょう。
学生時代に頑張ったこと
厚生労働省の採用ホームページからは同省が課題解決能力や調整能力、傾聴力などを重視していることがわかります。
したがって、そのようなスキルが身についた学生時代の経験について具体的なエピソードを交えながら記載しましょう。
面接対策
グループディスカッション
厚生労働省では厚生労働省の所管する政策や医療や介護、雇用などの社会問題に関してグループディスカッションが実施されます。
選考では論理的思考能力、合意形成能力、組織の中で役割を見つける力を採点されています。
逆質問
厚生労働省では人事面接のほかに職員面接が実施されます。
職員面接では特定の政策を担当する職員が政策について学生に説明し、学生が逆質問を行います。
ここでは学生の政策に関する知識だけではなく、論理的思考能力や頭の回転の速さを見られています。
よくある質問
総合職職員と一般職職員の業務内容の違いはなんですか?
一般的に総合職職員はキャリア組、一般職職員はノンキャリア組と呼ばれています。
厚生労働省において総合職では、主に政策の企画・立案や省内外の調整業務を担当するのに対して、主に一般職では、庶務や経理といった事務や、各事業の担当として、事業の実施や企画立案といった業務などを幅広く担当することとなります。
厚生労働省では技術系技官も含めた様々な職種の職員がチームとなって仕事を進めていくため、その能力と適性に応じて柔軟に役割分担が行われています。
また、総合職では、ジェネラリストとして厚生行政・労働行政のすべての分野に携わりますが、一般職では、医療・保険、衛生、福祉、年金などの各行政分野における「エキスパート」として、キャリアアップを図ります。
ただし、実情としては総合職は将来の幹部候補生、一般職は総合職のアシスタントであり、キャリアが限定されているようです。
公務員試験の順位や年齢は、 採用に影響しますか?
採用ホームページでは厚生労働省は公務員試験の順位について、
「影響はありません。採用(官庁訪問)に当たっては人物重視の面談を実施しています。また、民間企業の経験や出身校、学部も採否に影響はありません。既卒者の方も歓迎です。」としていますが、実際には公務員試験の順位が高いほど選考に有利になると言われています。
ここは予備校などで言われていることであり、真偽は確かではありませんが、順位が高く、新卒であり、旧帝大であるほど採用されやすい傾向にはあるようです。
入省する前に厚生行政に関する専門知識はどれくらい必要ですか?
入省後に研修が用意されているため、特別な専門知識は採用時には必要ありません。
しかしながら、厚生行政は国民生活に密着し、国民の関心も高く、新聞などで話題が取り上げられない日はないと言ってもいいくらいですから、学生であっても、幅広く関心を持ち、情報収集を行うことは必要でしょう。
転勤はありますか?
総合職として採用された場合には本省で政策立案に携わることになります。一方で一般職(厚生行政)として採用された場合の最初の勤務地は東京(厚生労働本省) となりますがその後、経験を重ねていく中で、所管する施設等機関や独立行政法人などへの出向や人に よっては地方公共団体へ転居を伴う出向(転勤)をすることもあります。
なお、転勤を含む出向の期間は通常の異動と同様におおむね2年となります。
まとめ
厚生労働省は中央官庁の中でも学生の人気の高い官庁です。
予算規模からもわかるように国政上の最重要課題を扱っており、学生の羨望を集めています。
ライバルとなる学生のレベルも高く、官庁訪問では熾烈な戦いが繰り広げられます。
この記事を読んで、就活対策を仕上げましょう。
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