
学芸員の将来性|現状や需要から求められるスキルまで解説
学芸員は自分の専門分野を仕事にすることができる、貴重な仕事のひとつです。博物館や美術館が好きな人にとって、それらを職場にできる学芸員は魅力的な仕事と思えるかもしれません。しかし、学芸員の仕事にはどれほどの将来性があるのでしょうか。求められるスキルなどについても解説していきます。
学芸員の将来性
学芸員の仕事とは、美術館や博物館などで資料や作品の収集、管理に携わる専門職です。
私たちの文化を受け継ぎ、つないでいく大切な仕事ではありますが、しかし将来性のある仕事といえるのでしょうか。
それでは、学芸員をめぐる事情について見ていきましょう。
学芸員の現状
学芸員の現状は決して明るいとは言えません。
日本の博物館や美術館などは、地方自治体が管理するケースが多く、また学芸員の多くは公務員ですので、公務員削減の流れを受けている地域もあります。
美術館などでも経費が削減され、職員も外部委託が進み、嘱託採用や臨時採用が増えています。
また休日出勤などもあるため、必ずしも待遇のよい仕事とは言えないでしょう。
学芸員の需要
学芸員の正規職員としての採用人数が削減されても、学芸員の需要がなくなることはないでしょう。
学芸員は貴重な資料の保管や、ワークショップや講座を通して教養を語り継ぐ社会的な意義の大きな仕事であり、AIなどに置き換えることのできる仕事ではありません。
正社員での募集もありますが、給料がよいとは言えません。
参考:学芸員の求人例
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学芸員の将来性
以上のことから、学芸員の将来性はあまり明るくありません。
観光需要の増加によって人気となる博物館などによっては、人数を増やすというケースもあるかもしれませんが、全体としては将来性のある仕事とはいえないでしょう。
しかし、社会的に求められる仕事であることには違いありません。
求人からわかる将来性のある学芸員の特徴
学芸員の道を目指すためには、「大学などで博物館に関する科目」などを履修する必要があり、あらかじめキャリアを考えていく必要性があります。
そのため、学芸員を目指すのであれば早い段階から求められるものを知り、自分の価値を高めておいたほうがいいでしょう。
それでは、学芸員の仕事から求められるスキルについて見ていきましょう。
1.WordやExcelなどの基礎スキルがある
学芸員の業務では、WordやExcelを用いた文書や表の作成や計算は欠かせません。
文書や資料の管理、日々の雑務において必ず触れる機会があるので、WordやExcelの基礎スキルは必要不可欠です。
また、資料やパンフレット、チラシの作成などをパソコンを用いて行うこともあるでしょう。
一方で、Excelで難しい関数を使うような機会は少ないと考えることができるので、普段の課題や仕事でパソコンにふれる機会を作っておけば、仕事でも問題なく対応することができるでしょう。
2.ホームページなどの運用、作成スキルがある
近年はより広く展示や講座などを周知してもらうために、ホームページやSNSで発信をする美術館や博物館が増えています。
そのため、SNSの運用経験やホームページの運用、作成スキルなどは歓迎されます。
一方で、不要な投稿によって批判の対象となることを防ぐため、ネットリテラシーに関する知識も必要となります。
3.人と接することが好きである
学芸員の仕事は多岐にわたり。研究や資料の管理などのほかにも、来館者の案内や講座の講師役なども仕事に入ります。
ほかにも受付の仕事なども行うことがあり、好き嫌いを問わず様々な仕事をこなすことが求められます。
専門の研究はもちろんですが、人と接する経験、接客経験なども学芸員になる上で、必要になってくるスキルの一つです。
まとめ
今回は学芸員の現状や将来性、今後将来性のある学芸員となるために求められるものを紹介しました。
公務員の給与や予算などが削減される中、学芸員の現状や将来性も危ぶまれており、正規の採用よりもむしろ、臨時や嘱託の職員が占める割合がますます増えていくでしょう。
この状況下で学芸員に求められるのは、パソコンスキルやコミュニケーション能力など、専門分野に留まらない多様な能力です。
学芸員を目指すのであれば、多くのことを学び、経験しておくことが求められます。
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