
大学院進学のメリットは?修士課程と博士課程の特徴を解説
学部修了後に大学院に進学するか悩む人も多いでしょう。大学院は修士課程と博士課程で構成されるので、それぞれの特徴とメリット・デメリットを知り、院進するかの判断材料としてください。
大学院は修士課程2年と博士課程3年で構成される
修士課程の特徴
修士課程は学部4年間を修了した者で、さらに大学院で2年間勉強します。
大学院を卒業すれば修士号を得られ、海外では「マスター」の称号で評価されます。
また、6年制の医学部、獣医学部、薬学部、歯学部などは学部卒業でも「修士相当」と認識されるのが一般的です。
修士課程では学部時代と異なり、語学などの必修科目が無くなり、研究に注力できます。
博士課程の特徴
博士課程は修士課程を修了したのち、さらに3年間勉強したい人が進みます。
博士課程まで修了すると、博士号を得て、海外では「ドクター」の称号で評価されます。
一般的に、「博士号取得者は専門分野を極めた者として高い評価を受けます。
博士論文を提出し審査を経る必要があるので、難易度は高いです。
大学院に進学するメリット
大学院に進学するメリットは以下の3点です。それぞれ解説します。
・研究を深め能力も向上させられる
・専門性を生かした職業につきやすい
・学部卒より初任給が高い
研究を深め能力も向上させられる
大学院のメリットは学部時代より専門の研究に多くの時間を使えることです。
大学院では、教養科目や必修科目が少ないため自分がやりたい研究に没頭できます。
そのため、専門分野を深く探究することができます。
深く研究することで専門知識やスキルがつくため、学部で卒業するよりも希少性がある人材になれます。
専門性を生かした職業につきやすい
大学院卒は学部卒より研究に携わった期間が長いため、専門性があることをアピールできます。
所属している研究室がその分野の最先端を行く場合、さらに強力な武器になります。
大学院で研究実績を残せば、企業にその分野での研究者として雇用され、自分の好きな研究を大学院を卒業してからも取り組むことができます。
学部卒より初任給が高い
大学院卒の新卒時の給与水準は学部卒と比べて高いです。
初任給だと月で約3万円程度、学部卒より多くもらえます。
社会人としての経験があるわけではありませんが、高く評価されているというのは大学院卒の大きなメリットでしょう。
入社後の給与は成果によって変わるので、個人差があります。
大学院に進学するデメリット
大学院に進学するデメリットは以下の3点です。それぞれ解説します。
・社会に出るのが遅れる
・学費がかかる
・研究と他の活動を両立するのに苦労する
社会に出るのが遅れる
修士課程に進学すれば二年間、博士課程まで進めば五年間、学部卒より社会に出るのが遅れてしまいます。
同級生が社会人として働き始める中、学生として研究活動に打ち込み、遅れて社会に出ることになります。
20代という若い時間を社会に出ないで過ごすのは、もったいないという意見もあります。
学費がかかる
修士課程、博士課程の学費に加えて生活費もかかります。
研究に打ち込み定期的な収入を得ることは難しいため、家庭教師などのアルバイトで臨時収入を得ることとなります。
不足分は実家からの援助に頼ったり、奨学金を利用したりする必要があります。
お金を稼げない学生時代が長引くので金銭面での戦略は考える必要に迫られます。
研究と他の活動を両立するのに苦労する
研究と就活を両立するのは大変です。
どちらも期限があり、タイトなスケジュールとなります。
就活は面接対策やウェブテスト対策など準備も多いため、想像以上に時間がかかります。
事前に準備を進めたり、研究室推薦を利用したりなど工夫しましょう。
大学院進学を迷う理由3選
大学院に進学するかどうかを迷う主な理由3選について解説します。
就活しようか迷う
大学院に進学するか、学部卒で就職するか迷う人は多いでしょう。
大学院進学は少数派で、普通に就活して社会人になることも容易であるため、わざわざ大学院に進学するかは悩みどころです。
自分が極めたい研究分野があるかどうかで判断するのが良いでしょう。
研究の道で成功できるか不安
大学院に進学すると、研究の道を生業とすることとなります。
研究者として大成するためには多大な努力が必要とされること、研究者同士の厳しい競争を勝ち抜かなければならないこと、を考え不安になる人も多いでしょう。
大学院を経て、ポストを勝ち取ることは非常に難しいことです。
社会に出る同級生を見て取り残された気分になる
学部卒で就職し社会人として働く同級生を見て、学生を続けている自分が取り残されたような気分になる人もいるでしょう。
社会人として給料を稼ぎ、自力で生活する同級生を見て焦りを感じる大学院生もいるでしょう。
大学院進学についてよくある質問
大学院への進学率は?
令和2(2020)年度では女子5.6%、男子14.2%となっています。
出身学部の分野別に見ると、理学40.3%、工学35.6%、農学22.7%に対し、人文科学4.1%、社会科学2.2%となっており、文系での大学院進学率は低くなっています。
院試は難しい?
院試は大学入試と比べて、科目数は少ないです。
一方、英語の資格試験で高得点を求められたり、第二外国語の試験も課されたりします。
専門分野に関する学部レベルの知識も問われるので対策は必須です。
難易度や科目は大学院ごとに異なるので、事前によく調べましょう。
院試対策と就活は並行して準備できる?
院試対策と就活を並行して準備するのは難しいでしょう。
両方の対策に共通点はなく、それぞれ別個に対策する必要があります。
限られた時間の中で両方対策すると、どちらも中途半端になる恐れがあるため、どちらかに集中した方が良いでしょう。
4年生になる前に、大学の卒業単位を揃えておくなどの工夫は必要です。
大学院メリットのまとめ
大学院は自分が極めたい研究に没頭できることが大きなメリットです。
一方、社会に出るのが遅れるなどのデメリットもあるので、自分にとってどちらが重要かを判断しましょう。
大学院に進学するための院試は難しいため、大学院進学を決めた人は早くから対策を進めましょう。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
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