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農学部 就職

農学部の就職が厳しいのは本当なのか?人気の就職先や就職率をご紹介

農学部は就職先がないと言われますが本当に厳しいのでしょうか。今回は農学部の就職率や就職先をご紹介しつつ解説していきます。また、農学部出身の平均年収を元に農学部出身で高収入が目指せるかを議論したり、農学部生が就職を優位に進めるために取得すべき資格についてご紹介しますので、参考にしてみてください。

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農学部の就職の現状

農学部の就職が厳しいと耳にすることがあります。

農学部の就職が厳しいと聞いて、自分自身の就職活動に不安を感じてしまう農学部生もいることでしょう。

果たして、本当に農学部の就職は厳しいのでしょうか。

ここでは、農学部の就職の厳しさについて、農学部の就職率のデータを用いて説明します。
 

農学部の就職率は92.5%

農学部の就職率は、大学通信ONLINEによると92.5%(2019年8月5日時点)となっています。

農学部の就職が厳しいと言われているわりには、高い水準を誇っていることが分かります。

農学系の学問では、農業関連の学びだけではなく、バイオテクノロジーやゲノムサイエンスをはじめとした応用生物科学部や生命科学の分野、食品の製造・加工に関わる分野、地球環境に関わる分野など、様々な分野へと幅が広がっています。

農学部の就職先の分野も多様化しつつあり、農学部出身の学生が活躍できる場が広がっているのです。
 

農学部の就職はなぜ厳しいと言われるのか

農学部の就職率が悪くないことを確認しましたが、なぜ農学部は就職が厳しいと言われてしまうのでしょうか。

その背景には「農学部は農業について学ぶ学部」というイメージがあるようです。

「農業について学んでいるのだから、就職先も農業系しかない」と考える人がいるのでしょう。

また、農学部出身の平均年収の水準がそこまで高くないという理由で、農学部の就職が厳しいという考えもあるようです。

次の表は、DODAの学部別の平均年収ランキング(20代)を基に作成した表になります。
 

学部 平均年収
医・歯・薬学 406万円
情報 396万円
経済・経営・商 389万円
理・工 387万円
法・政治 383万円
社会 341万円
農・獣医・畜産 332万円
スポーツ・健康科学
文・人文
環境
教育
329万円

※参照:DODA|学部別平均年収ランキング

20代の全体の平均年収が約360万円であるのに対し、農学部の平均年収は332万円となっており、平均の水準よりも下回っています。

したがって、農学部の就活生は待遇が良い人気企業、大手企業へ就職する人数が少なく、収入や待遇の面から農学部の就職が厳しいと言われていると推測することもできます。

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農学部の主な就職先|民間企業版

続いて、農学部出身の学生に多い就職先についてご紹介していきますが、ここでは民間企業に絞って説明します。

農学部の就職先として多いのは、次の6つです。
 

  • 食品業界
  • 製薬業界
  • 化粧品業界
  • 種苗メーカー
  • 化学メーカー
  • 建設会社


それでは、農学部出身の学生の就職先についてそれぞれ説明していきます。
 

就職先1. 食品業界

農学部出身の学生は、食品業界に就職することが多いです。

農学部では食べ物について学ぶこともあり、特に加工食品、健康食品、冷凍食品、美容食品などの分野で、その知識を知識を活かすことができ、農学部の学生にとって志望しやすい業界と言えます。

また、飲料の分野でも農学部で得た知識を十分に発揮することができます。

最近では、スーパーやコンビニなど他ブランドとの連携による商品開発を行う食品メーカーや、新たなビジネスとして健康サプリメントに着手し始めた飲料メーカーが増えてきています。

食品業界の中でもビジネスの幅が広がりつつあり、農学部出身の学生が活躍できる場も増えてきていると言えるでしょう。
 

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就職先2. 製薬業界

農学部出身の学生に多い就職先の2つ目は、製薬業界です。

製薬業界では、農業関連の知識はもちろん、農学部で学ぶことのできる「化学」「バイオテクノロジー」「ゲノムサイエンス」などといった領域を活かす場となります。

製薬業界では、新薬の研究開発職やMR職などの職種が重要な役割を果たしています。

農学部出身の学生も、新薬を実際に開発する研究開発職や、医療機関の医師やスタッフに医薬品や医療機器の説明を行うMR職として活躍される方が多いです。
 

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就職先3. 化粧品業界

農学部出身の学生に多い就職先の3つ目は、化粧品業界です。

特に化粧品業界の研究職は、農学部出身の学生から人気があります。

農学部で学ぶ、バイオテクノロジーや生物化学の分野の専門的な知識を化粧品業界でも大いに活かすことができます。
 

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就職先4. 種苗メーカー

農学部出身の学生に多い就職先の4つ目は、種苗業界です。

種苗メーカーとは、田畑で栽培される野菜や果物、花木の種子の研究や育成、販売を行っています。

特に、農学部の出身者は種苗メーカーの研究職と育種という職種での活躍が多いです。

種苗メーカーの研究職は、栽培するにあたり、病気になりにくく、育てやすく、栄養価が高くて美味しい品種をいかに生み出すかの品種改良を行っています。

種苗メーカーの育種は、様々な素材を荒廃させて新しい品種を誕生させるだけではなく、農家の方と連携し、試験栽培を行い、生育状況や味などの調査まで行います。
 

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就職先5. 化学メーカー

農学部出身の学生に多い就職先の5つ目は、化学メーカーです。

特に、農薬や肥料を製造するメーカーへの就職が農学部出身の学生から人気となります。

新たな肥料・農薬を開発する研究職と、園芸店やホームセンター、農協などへ売り込みをかける営業職が主な職種となりますが、両者とも農学部で学んだ知識を大いに発揮することができます。
 

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就職先6. 建設会社

農学部出身の学生に多い就職先の6つ目は、建設会社です。

特に、農学部で土木や測量について勉強してきた学生からは人気のある業界です。

農学部としての知識を活かしたいのであれば、農業土木に強みのある建設コンサルタントの道を進むのも良いでしょう。

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農学部の主な就職先|その他

農学部の就職先について先ほど民間企業を中心に説明しましたが、ここではその他の就職先についてご紹介します。

次の就職先も農学部の学生から人気があります。

  • 公務員
  • 農協
  • 飼育員
  • 農家

それでは、農学部の就職先についてそれぞれ説明していきます。
 

就職先1. 公務員

公務員は文系の大学生から人気があるイメージがありますが、農学部出身の学生が活躍する場もあります。

特に、農林水産省、水産庁、国土交通省、林野庁、環境省など省庁では農学部出身の学生の就職先として多いです。

例えば、農林水産省は、農業全体を活性化させたり、農地の整備といった業務も行なっているので、農学部の勉強で身につけた知識を発揮させることができます。

また、国土交通省は、河川や公園などの整備などの業務も行なっているので、農業との関わりがある場面もあることでしょう。
 

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就職先2. 農協

農協も農学部出身の学生が多く活躍する就職先の一つです。

農協とは、農業協同組合(JA)のことであり、営農や生活の指導をするほか、生産資材・生活資材の共同購入や農畜産物の共同販売、貯金の受け入れ、農業生産資金や生活資金の貸し付け、農業生産や生活に必要な共同利用施設の設置、共済等の事業や活動を行っています。

このような活動を通し、相互扶助の精神のもとに農家の営農と生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目指しています。

幅広い事業や活動を展開する農協ですが、農学部出身の学生は、特に経営事業を担うJA全農(全国農業協同組合連合会)で大いに知識を発揮できるのではないでしょうか。
 

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就職先3. 飼育員

飼育員も農学部の勉強で身につけた知識を大いに発揮できる就職先と言えます。

飼育員の仕事内容は、動物園や水族館の動物の世話をするだけではなく、ショーなどの企画や園内掃除、ガイドなど、業務範囲は広いです。

海の生物や動物好きの農学部生であれば、楽しい就職先となるでしょう。
 

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就職先4. 農家

「農業に直接携わりたいから農学部に入学した」という方の中には、農家になることを夢見ている人もいるでしょう。

農家の中には、「ファーム」や「大規模農家」と呼ばれる、組織的に農業に勤しむ農家も存在します。

一般的な農家と同様、基本的な農作業は行いますが、来園者の接客や生産プロセスの効率化・管理などビジネスパーソンに近い業務も行うことになります。
 

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農学部の就職で高収入は目指せる?

農学部の就職で高収入を目指すことはできるのでしょうか。

先ほど、農学部の就職がなぜ厳しいのかを解説する際に農学部出身と他学部出身の年収について取り上げましたが、そのデータを以下に再掲します。
 

学部 平均年収
医・歯・薬学 406万円
情報 396万円
経済・経営・商 389万円
理・工 387万円
法・政治 383万円
社会 341万円
農・獣医・畜産 332万円
スポーツ・健康科学
文・人文
環境
教育
329万円

※参照:DODA|学部別平均年収ランキング

20代の全体の平均年収が約360万円であるのに対し、農学部の平均年収は332万円となっており、平均の水準よりも下回っていることを確認しました。

また、30代の学部別の平均年収は次の表のようになります。
 

学部 平均年収
医・歯・薬学 506万円
理・工 495万円
経済・経営・商 480万円
法・政治 476万円
情報 471万円
農・獣医・畜産 423万円
教育 416万円
スポーツ・健康科学 407万円
国際 402万円
社会 394万円

※参照:DODA|学部別平均年収ランキング

30代の全体の平均年収が約450万円であるのに対し、農学部の平均年収は423万円となっており、20代と同様30代の年収に関しても、平均の水準よりも下回っていることが確認できます。

以上から、農学部は他の学部より特別、高収入を目指せる学部とは言い難いことが分かります。

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農学部生の就職を有利に進めるには

これまで、農学部の就職の現状や主な就職先などについて解説してきましたが、ここでは農学部生が就職を有利に進めるためにはどうすべきなのか、解説していきます。

就職を有利に進めたい農学部生は次の方法を試してみると良いでしょう。
 

  • 資格の取得
  • 逆求人サービスの利用


それでは、就職を有利に進める方法について、それぞれ説明していきます。
 

方法1. 資格の取得

資格を取得していないからといって農学部の就職が厳しくなるというわけではありませんが、資格を所有することで就職が有利になることはあります。

志望する業界や企業がどのような人材を求めているのかをリサーチし、資格を取得することで企業が求める人材になる素質があることを示せるかどうかを把握するようにしましょう。

今回は、農学部生が取得することで就職が有利になりやすい資格を、「食」「造園・測量」「家畜・自然再生」の4つの分野ごとにご紹介します。
 

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「食」に関する資格

農学部生が取得すると就職が有利になりやすい「食」に関する資格は、「栄養士/管理栄養士」「HACCP管理者」「食品衛生監視員」が挙げられます。

「栄養士/管理栄養士」の資格があると、食品・飲料メーカーでの商品企画/開発や、飲食店や病院、介護施設において活躍できるようになるでしょう。

食品製造現場の品質検査業務やコンサルティング業に興味のある農学部生は、「HACCP管理者」の資格がおすすめです。

HACCPは食品の安全性を確保するための衛生管理手法のことで、2021年6月から「HACCP完全義務化」が定められました。

食品管理においては必須となる資格だと言っても過言ではないでしょう。

また、「食品衛生監視員」は公務員として食品の衛生管理に携わりたい農学部生には必須の資格となります。
 

「造園・測量」に関する資格

農学部生が取得すると就職が有利になりやすい「造園・測量」に関する資格は、「造園施行管理技士」「土木施工管理技士」「測量士補」が挙げられます。

「造園施行管理技士」はビルやマンション、商業施設や公園などの造園施設の工事や管理の仕事に携わりたいという農学部生におすすめの資格となります。

「土木施工管理技士」は道路や河川などの土木工事に携わりたい農学部生にとって、取得を目指すべき資格と言えます。

「測量士補」は工場現場で土地の面積や距離などを測る測量士の助手にあたる存在で、建築・土木業界への就職を目指す農学部生にとっては取得することでアピールできる資格の一つです。
 

「家畜・自然再生」に関する資格

農学部生が取得すると就職が有利になりやすい「家畜・自然再生」に関する資格は、「飼料製造管理者」「家畜人工授精師」「自然再生士補」「樹木医補」が挙げられます。

「飼料製造管理者」は飼料の製造場では必要不可欠な資格となっており、製造管理や飼料に加える添加物の製造を行うことで畜産物の安全を守ります。

「家畜人工授精師」は、家畜を対象にした人工授精や体外受精など扱うために必要な資格となります。

「自然再生士補」は、自然再生事業を行う自然再生士を補佐する資格のことで、森林再生分野に興味のある農学部生は取得しておきたい資格と言えます。

「樹木医補」は樹木の保護・管理・治療を行う樹木医の補佐を目的とした資格であり、樹木の管理に興味のある農学部生は取得すると良いでしょう。
 

方法2. 逆求人サービスの利用

農学部生の就職を有利に進めるための2つ目の方法は、逆求人サービスを利用することです。

農学部に限った話ではありませんが、逆求人サービスを活用することで、企業側からオファーを受け取ることができ、効率良く情報収集をすることができます。

加えて、自分一人だけでは見つけることのできなかった企業との出会いも十分に期待することができます。

自分のプロフィールを登録することで、企業側からのオファーが届くので、限られた時間の中で効率的に就職活動を進めたい就活生は利用すると良いでしょう。

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農学部の就職のまとめ

今回は、農学部の就職率や農学部出身の平均年収、農学部生が就職を有利に進めるために取得すべき資格など、農学部の就職について解説してきました。


農学部の就職が厳しいという話を耳にすることはありますが、必ずしも厳しいというわけではないことを解説しました。

業界研究や自己分析など徹底して行ったりインターンシップに参加するなど、就活において基本的なことを丁寧に行えば、農学部でも優位に就活を進めることができます。
 

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