
【労働組合はいらない?】必要性や問題点を詳しくご紹介致します
労働組合はいらないのでしょうか。この記事では、労働組合の必要性や、労働組合の役割などを詳しくご紹介致します。また、公務員の労働組合はいらないと言われる理由や、労働組合の問題点などを解説致します。労働組合について詳しくご存知ない方に理解できるように、解説致しますのでぜひ参考にしてください。
労働組合はいらないのか?
労働組合とは、労働者で成り立つ組織で、正常な労働環境を保つために活動する集団です。
具体的には、労働者と経営者側の契約交渉や、賃上げおよび雇用人数の増加などの交渉を対等な立場で行うために組織された集団で、「組合員の雇用を維持し改善すること」を一般的な目標に掲げて活動しています。
しかし、労働組合に加入すると組合費として給料の2~3%を天引きされたり、組合行事やアンケートや討議などの活動に参加したりしなければならないので、労働組合に加入したくないと感じる人や、労働組合の存在意義自体に疑問を感じる人もいるようです。
労働組合は「あると便利」ではあるものの、絶対に必要ではない制度なのでしょうか。
労働組合はいらないのかどうかこの記事で取り上げたいと思います。
労働組合の必要性とは
上述のように、労働組合は労働環境を維持・改善するために活動してくれる組織です。
賃金の交渉や、福利厚生の充実などが可能になるのは、労働組合の活動によるところが大きいでしょう。
もちろん経営者も、労働者にあまりにも不条理な条件で働かせようとはしないものですが、企業の規模が大きくなったり、働きたいという人が多くなったりしてくると、経営者側も会社の利益を上げるために人件費をできるだけ抑えたいと思うようになるものです。
また、企業の規模が大きくなるとひとりひとりの労働環境にまで注意が行き届かなくなってしまい、働くことを苦痛に感じる従業員が出てくるかもしれません。
そのようなときに雇用者個人と経営者で労働環境について交渉したとしても、対等な立場での話し合いになることはまずありえません。
経営者との話し合いを公正に進めるためには労働組合が必要になるのです。
労働者が団結した労働組合として経営者と交渉することにより、ひとりひとりの立場は低くても人数の多さによって対等の発言力を持つことができるようになり、正当な賃金を要求したり、ボーナスや福利厚生制度、労働環境の改善を求めたりすることができるようになるのです。
このように、労働組合に入っているならば、労働環境を健全なものに維持できるという安心感と、福利厚生やボーナスなどの恩恵を受けられるというメリットがあるので、労働者にとって必要な制度であるといえるでしょう。
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労働組合のこれからについて
労働組合は確かに必要な制度といえますが、労働組合に加入しないという決断を下す人も増えているようです。
この中には、現代の日本の社会構造が安定しているので、雇用契約を結んだ時から労働環境に満足しているという人や、そもそも雇用形態が非正規社員なので組合に入ることができないという人も含まれているようです。
働き方改革が進む中にあって労働組合も変化していく必要があるでしょう。
フリーランスやパートなどの非正規雇用者の増加に対応することや、増えつつある精神病などのメンタルヘルスサポートにも力を発揮するような制度を組み立てることが求められているといえます。
労働組合の役割の変化について
バブルが終焉を迎えるまでの労働組合の役割といえば、労働条件の改善を求めることや、賃上げを要求することに終始していました。
その頃の労働組合は、企業に対して影響力を大きく及ぼし、ひとりひとりの労働環境の改善に大きく寄与していました。
しかしバブルが終焉を迎えると、一転して経営難に陥る企業が急増しました。
日本の労働組合は企業別の組合が主流なので、企業の経営が危うくなれば労働組合の存在自体も危機に面します。
経営難の所属企業に条件闘争を持ちかけることは賃下げやリストラへとつながりかねないので、労働組合は労働環境に関して声をあげることができなくなり、影響力の低下へとつながっていきました。
そのような背景があるものの、経営難のために正社員を解雇することに関しては労働組合が反発的な立場をとるゆえに、新卒採用枠が減少する結果となり、若い世代の就職率の悪化を招くという結果になりました。
当時の不況の影響を受け、労働組合が経営者側と過度の協調関係になって本来の役割を失い形骸化してしまった例や、企業の経営状況を顧みず過度の対決姿勢をとったゆえに労働条件の改善という役割を忘れ、企業の倒産に追い込んでしまったという例も見受けられたようです。
現代においては、雇用条件を高い基準に設定しているゆえにそもそも経営者と交渉する必要がないという企業や、非正規雇用の割合が増えていること、製造業からサービス業へと産業構造がシフトしたので組合活動に時間を割くことが避けられるようになったことなどを理由に、労働組合を持たないという企業もみられるようになっています。
時代とともに社会構造が安定し、それに伴い労働組合の占める役割も変化してきました。
現代の労働組合の役割は、経営者の行き過ぎに歯止めをかけたり、労働環境の急激な変化が起きたりした時に活躍する保険的な意味合いが強くなってきたといえるでしょう。
労働組合の青年部はいらないのか?
労働組合の青年部とは、組合員企業の若手経営者や後継者を主体とした組織です。
それで構成員は概ね45歳以下の中小企業青年経営者や、従業員で管理職の地位にあるものなどによって構成されます。
では実際の労働組合の青年部の活動内容はどのようなものなのでしょうか。
実際にはいらない組織なのでしょうか、考察してみましょう。
青年部の活動内容とは
組合青年部は研修や自己啓発的な活動、ボランティア活動や会員相互の親睦・情報交換などの活動を主に行っています。
次世代を担う人材の人格形成により、世代交代を通じて企業がより良いものとなることを目指して活動しています。
活動内容はそれぞれの青年部のある地域や企業のコンセプト等によって違いますが、どれも青年世代の人材養成という同じ目的を達成するために活動しています。
労働組合の青年女性部とは
青年女性部も組合青年部と同じ目的を持ちますが、女性経営者等を主な組合員として構成されているという違いがあります。
女性たちが団結して組合を作ることは、女性たちが社会で能力をいかんなく発揮し、活躍することが出来るように立場を守る面でも効果を及ぼすのはおろか、会員相互の情報交換や地域活性化の面においても大きな役割を果たしています。
ときには親組合や組合青年部と共同して活動することにより、組合部全体の活性化を図ることもできます。
労働組合の役員をやりたくない場合の対処法とは
まずは労働組合の役員への勧誘を断っても何の問題も無いということを覚えておきましょう。
断ったとしても自分のキャリアや、おこなう仕事に支障をきたすことはありません。
断る際には、はっきりとした返答を準備しておく必要があるでしょう。
自分がキャリアを大切にしたいということや家族の事情、上司の意向などを理由に説得力のある断り方ができるかもしれません。
例えば、このように言うことができます。
「数年以内に達成したい仕事上の目標があり、休日や休憩時間はその達成のために時間を使いたい」
「家庭を持ったばかりかつ共働きなので、休日は夫婦や子供との時間を取るために用いたい」
「仕事の面でまだ上司に認められていないので、組合活動には上司の理解がえられないので、ではなく仕事に集中して取り組みたい」
などといった言い方をすれば、断りやすくなるでしょう。
またもっと確実なのは、役員の勧誘を受ける前にそのような場を設けない、そのような場に行かない、という対策を取ることです。
公務員の労働組合はいらないのか?
公務員の労働組合は、実際には労働組合法の適用を受けないので公務員法制上では「職員団体」というのが正確な名称となっています。
公務員の労働組合である「職員団体」には争議権や団体協約の締結権がないので、ストライキや活動能率を低下させるような活動を行うことはできませんし、労働環境や賃金に関しての協約を結ぶこともできません。
また、警察職員や海上保安庁、消防職員も組織・加入することができないと国家公務員法108条で定められています。
争議権や団体協約の締結権がないこと以外は、職員団体も労働組合と同じように労働環境の維持や改善の働きをします。
しかし、公務員はリストラのリスクが少なく、賃金に関しても国家公務員と同じ基準の安定した額で増減の変化があまりないので、公務員の労働組合の存在の意義に疑問を投げかける人もいるようです。
公務員の労働組合はいらないとは一概には言えませんが、自分の働く場所の労働組合がどのような機能を果たしているのかをよく観察して加入するかどうかを決めるほうが良いでしょう。
公務員が労働組合を抜けたい時はどうすればいいのか
労働組合を抜けたいという時は、その組合に問い合わせると書式や方法を教えてくれるようですが、労働組合としては人数の低下は組織率の低下につながるので、できるだけ脱退を阻止しようとすることが多いようです。
しかし、原則的には加入も脱退も自由ですので、労働組合を抜けるという固い決意を貫く必要があります。
書面にして書留で送る方法や、担当者と直接話すことなどが可能ですが、直接話すと説得しようと強い圧力が働くということもあるので、理論的かつ確固たる仕方で対応する必要があるでしょう。
公務員の組合がおかしいと言われる理由とは
前述の通り、公務員の組合に関しては争議権や団体協約の締結権がありませんし、リストラのリスクや賃上げの可能性があまり高くないので、公務員の組合の存在意義自体に疑問を抱く人も多いようです。
現在では、組合の活動が親睦会などにしか実態がおよばず、組合としての存在が形骸化してしまっていると言う声もあります。
また、公務員の組合は政治的な活動に参加することも少なくないので、政治活動が禁止されている公務員の役割と比較して矛盾を感じることも少なくないようです。
公務員の組合費はなぜ高いのか
組合には専従職員という、組合員の中から選ばれた職員がいます。
専従職員として働いている間は公務員としての仕事が休職扱いになり、公務員としての給与を受けることができないので、他の会員の組合費がその職員の人件費となります。
また、組合費は印刷費や、研修や出張のための旅費、積立金や自治労への協力金などに使われるようです。
多くの公務員の組合は給与の1.5パーセントほどの組合費を徴収しているようです。
仮に月収が20万円ほどであったとすると、毎月3千円で年に3万6千円の出費となります。
組合の活動だけでなく専属職員の給与も組合費の中から賄わなくてはならないので組合費が高くなるといえます。
労働組合の問題点など
労働組合の組織率が7年連続で過去最低を記録したと言うデータからもわかるように、労働組合はいらないという不要論がささやかれています。
1989年には25パーセントであった組織率が2018年6月末の時点で17パーセントまで減少しています。
もう労働組合は社会的にその役目を終え、「労働組合はもういらない」とまでいえる時代になったのでしょうか。
労働組合の問題点とは
以前までの労働組合は強い役割を果たしていました。
なぜなら、日本企業の象徴として昔から用いられてきた年功序列制や終身雇用制が企業と労働者との強いつながりを保っていたからです。
長く企業と労働者が付き合っていく関係の中で、環境の改善やお互いが納得できる仕方で利潤を分配していく、というスタイルのもとに労働組合は力を発揮してきました。
しかし今では、企業自体の弱体化が原因で、労働組合は自分たちの労働環境の改善や賃上げ交渉などを強く行うことができなくなってしまっています。
それで、労働組合は以前のような強い立場を保つことができず、形の面では交渉を行ったり、改善を求めたりする姿勢を見せていたとしても、形骸化してしまったと言われても仕方がない状態です。
上記のような理由ゆえに、労働組合を持たない企業や、労働組合に加入しないという決断を下す人も多くなってきています。
労働組合が意味ないのは本当か?
では、本当に労働組合は何の役割も果たさないのでしょうか。
そのようなことはありません。現在でも労働組合は一定の役割を果たしています。
労働組合には法律的に保護された、労働条件に関する交渉を求める権利があります。
もしも企業側がその交渉を拒否した場合には「不当労働行為」という違法行為に当たるからです。
労働条件が改悪されそうになった場合に自分の労働環境を守ることや、リストラや不当な異動などの危機にさらされた時に労働組合を用いて企業と交渉することは、労働者の負担を減らすことができ、社員に主張が通りやすくなることによって企業にとってもメリットとなる正当な解決方法であるといえます。
このように、現代においても労働組合はその効力を発揮することができます。
労働組合のイベントは不要なのか?
労働組合はときおり運動会や旅行などのイベント、交流会や会合や飲み会などを企画して、企業全体の人間関係を円滑にし、労働環境を少しでもよくしようと考えるようです。
たしかに、そのような活動は労働組合の結成された目的に資するものですが、現代の若者にとってはそのようなイベントはあまり好まれていないようです。
不景気の影響もあり、人間関係や趣味を広げていくことよりも、自分の身の回りを出来るだけシンプルにして安定させることや、家庭や個人の趣味に没頭することの方が安心できると言う若者達が増えています。
さらに、政治的な活動に関しては消極的な反応を示す若者たちも多くなっているようです。
労働組合のイベントは不要とは言い切れませんが、時代を反映したものとすることや、対象とする世代を見極めて質や量を定めていくことが求められるといえるでしょう。
まとめ
労働組合は正常な企業の労働者と経営者が対等な関係を保つ上で必要な一定の役割を果たしているということがわかりました。
しかし、社会構造が変化していきつつある今、労働組合を持たない企業や、労働組合に加入しないと言う決定を下す人々も多くなっているようです。
自分の勤める企業で労働組合に加入するかどうかを考える際には、その企業の労働組合がどのような役割を果たしているのか、組合費に釣り合う効果を発揮しているのかどうかをよく考えて決定する必要があるでしょう。
最後に、JobQで投稿された関連質問を併せて見てみましょう。
大きな労働組合がある、リクシルの福利厚生は整っていますか?
リクシルへの転職を検討しています、営業職への転職です。
聞いたところによりますとリクシルの福利厚生はかなり整っているということをききました。
僕自身、今の会社が全くといってもいいほど福利厚生が整っていないので、リクシルが整っているということを伺ったので、どんなものがあるのかということに興味を抱いています。
そこで、リクシルの福利厚生はどういう面で整っていると感じるのか。はたまた、本当は整っていないのか。教えて下さい!
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