
履歴書の性別欄の書き方は?書きたくない場合の対処法をご紹介
履歴書を作成する際に性別欄を見て「どのように書こう?」「性別を書きたくない時はどうすれば良いの?」と思った方もいるでしょう。そのような方のために、履歴書の性別欄の書き方を解説します。また履歴書の性別欄を書きたくない場合の対処法や、履歴書に記載した性別と面接時の身なりについてご紹介します。
履歴書の性別欄は任意記載
性自認の多様なあり方に対応するため、厚生労働省は履歴書の性別欄を男性・女性の選択ではなく、任意記載としました。
なので応募者自身が、記載したい内容で記載することが可能となります。記載したくない場合は、未記載にすることも可能です。
しかし、企業によっては制度上特定の性別を就業させることができなかったり、採用活動においても男女の応募者数を把握したい場合や女性従業員の割合が低く女性を積極的に採用している場合などは、面接などで性別の確認を求められる可能性があるでしょう。
履歴書の性別欄の書き方
すでに戸籍上の性別変更が完了しているトランスジェンダーの方の場合、変更後の性別を性別欄に記入することもできます。
しかし、戸籍上の性別変更が完了していないFTM・MTFトランスジェンダーの性別欄の書き方としては、以下の4つが挙げられます。
- 現状の戸籍上の性別を記載する
- 希望の性別を記載する
- 履歴書に性別を記載しない
- 履歴書にFTMやMTFトランスジェンダーなどの記入をする
戸籍上の性別を記載する
この場合、履歴書には戸籍上の性別を記載するため、応募時点であなたがトランスジェンダーであることは企業側に伝わることはないでしょう。
企業側にトランスジェンダーであることを伝えるのはあなた次第ですが、入社後に現状の戸籍上の性別として同僚から接してもらうのが苦痛になることもあると思うので、伝える場合は早い方が良いかもしれません。
希望の性別を記載する
履歴書に希望の性別を記載することは合法的な理由がある場合、虚偽の記載と判断されることはありません。
仮に履歴書に戸籍上とは異なる希望の性別を記載していたことを問題とする企業は、トランスジェンダーに理解のない企業のため、入社したとしてもあなたにとっては働きにくいでしょう。
その他、履歴書の記載通り希望の性別で面接に臨んだ際に、トランスジェンダーと伝えなくても企業側が気づかずに選考が進むこともあります。
ただ入社時に、健康保険証の作成など戸籍上の性別を届け出なければならない場面があると思います。そのため面接時にトランスジェンダーであることを早めに伝えた方が、後々のことを考えると良いケースもあります。
加えて、LGBTQなど社員や社会の多様性を大切にしている企業なのかも分かると思います。
履歴書に性別を記載しない
履歴書に性別の記入欄がない、または記入が任意の場合は、性別を記載しなくても問題ありません。
しかし履歴書に性別欄があるにも関わらず性別を記入しない場合、企業側は記入漏れと判断することもあるため気を付けましょう。
また履歴書に性別を記入していない場合、面接時などに未記入なことを不意に指摘されることもあるかと思います。
そうした際に、トランスジェンダーであるということを意図せず採用担当者に伝えることになると考えられます。
履歴書にFTM・MTFトランスジェンダーなどの記入をする
履歴書の性別欄にFTMやMTFトランスジェンダーなどの記入をすることで、書類選考の時点でカムアウトできます。
性別欄だけに記入するのではなく、履歴書の備考欄に「トランスジェンダーで戸籍性は男性、性自認は女性です」のように記載するケースもあります。
履歴書の性別欄を書きたくない場合の対処法
履歴書の性別欄を書きたくない場合の対処法は、以下の4つが挙げられます。
- 性別が任意記載の履歴書を使用する
- 求人サイトからダウンロードする
- 性別欄のない履歴書を使う
- 文具メーカーから購入する
性別が任意記載の履歴書を使用する
履歴書の性別欄を書きたくない場合の対処法に、性別が任意記載の履歴書を使用することが挙げられます。
性別欄を未記載にすることも可能なため、履歴書に性別を書きたくない方は利用することをおすすめします。
ただし企業から履歴書の指定がある場合は、形式は指示に従い、性別の記載の有無に関しては、前の章で述べた書き方のいずれかを選択してみてください。
求人サイトからダウンロードする
性別が任意記載の履歴書は、求人サイトからダウンロードが可能です。
無料でダウンロードできることも良い点です。
参照:【職歴で選べる】履歴書の無料ダウンロードできるテンプレート一覧~転職・第二新卒・アルバイト用
性別欄のない履歴書を使う
性別欄のない履歴書を使うことも、性別欄を書きたくない場合の対処法でしょう。
性別欄の項目自体がないため、性別を書きたくない方でもすべての項目を埋めることができると考えられます。
文具メーカーから購入する
性別欄のない履歴書は、文具メーカーのコクヨが販売しています。
ただし使用できるのは、応募する企業が履歴書を指定していない場合に限るため、履歴書の形式については一度、確認しましょう。
履歴書に記載した性別と面接での身なりについて
履歴書に記載した性別と面接での身なりで考えておきたいことは、以下の2つです。
今回は、履歴書には戸籍上の性別を記載した前提での話になります。
- 戸籍上の性別に合った身なりで面接を受ける
- 希望する性別の身なりで面接を受ける
戸籍上の性別に合った身なりで面接を受ける
戸籍上の性別に合った身なりで面接を受けると、採用担当者は見た目からの性別の印象が一致しているので、特段、ジェンダーに関する質問はなく、自らカムアウトしない限りはトランスジェンダーであることを企業に伝えにくくはなってしまうでしょう。
初めから企業側にトランスジェンダーであることを言わないと決めている場合は、トラブルになることはないと考えられます。
しかし、自らが希望する性別としては接してもらえないため、どうしても自分らしく働くことが難しくなるでしょう。
また内定後にトランスジェンダーであることを企業側に伝えると、セクシュアリティが原因で内定取り消しとなる場合もあるため注意が必要です。
希望する性別の身なりで面接を受ける
希望する性別の身なりで面接を受けると、採用担当者は履歴書に記載されている性別と異なるため驚かれる場合もあると考えられます。
そのため選考の段階で、ジェンダーに関することを聞かれる可能性も高くなり、自然にトランスジェンダーであることを、採用担当者に伝えることができるでしょう。
しかし、トランスジェンダーについて知識のない採用担当者もいるため、詳しい説明が必要になる可能性もあります。
自分に合った履歴書を選ぼう
本記事では、以下についてご紹介しました。
- 履歴書の性別欄は任意記載
- 履歴書の性別欄の書き方
- 履歴書の性別欄を書きたくない場合の対処法
- 履歴書に記載した性別と面接での身なりの注意点
履歴書の性別欄を書きたくない場合は、性別欄のない履歴書を使用するなど、自分に合った履歴書を選びましょう。
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