
【出向の期間とは】期限はあるのか・守らなくても良いのかなど解説
「出向」は、親会社に思い入れがある人にとっては辛く感じるかもしれません。しかし、新しい仕事を覚えて知見と経験を広める良いチャンスでもあります。しかし、出向に期限などはあるのでしょうか。また、期限を過ぎたらどうなるのでしょうか。この記事で詳しく解説していきます。
出向先の出向期間を短縮する理由
出向期間を短縮する目的とは
出向期間は当初告げられていた期間から前後することがあります。1年の予定だったのが2年に延長される場合もあれば、その逆に、予定されていた期間が満了する前に戻されることもあり得ます。
こうしたケースは業務上の理由が大半です。出向元と出向先同士で話し合いを行っておき、出向先の同意があれば出向している社員の同意を得ることなく、出向期間を短縮することが可能とされています。
ただし、社員を出向させる際に出向元への復帰はないと説明しておき、社員の同意を得ていた場合など、特別なケースを除きます。
もちろん、出向している社員には十分な理由を説明して納得してもらったうえで出向期間の延長・短縮を行うのが一般的でしょう。
出向期間満了後はどうなるの?
出向期間の満了後は出向元の職場に復帰する、出向元とは違う部署に異動になる、出向期間が延長されるなど、いくつかの可能性があります。人事異動情報ですので、会社によっては直前まで本人にも教えてくれないようです。
大半は出向元の職場に復帰することになるでしょうが、あまりにも連絡が遅い場合は出向元会社に確認しても良いかもしれません。
出向期間の平均年数はどのくらいなの?
出向期間は無期限にすることは可能?
社員を出向させる際の期間について、法律などによる制限はありません。企業側からすると、出向期間を無期限に設定することも可能です。
ただし、業務上必要と認められない、合理的な人選でない、復帰が予定されていないなど、特定の条件に当てはまる出向は権利の乱用とされてしまうかもしれません。
出向期間を定めなかったり、出向期間を定年までと定めたりすると出向ではなく転籍と見なされるかもしれないのです。権利の乱用と判断されないためにも、出向する社員の同意を得ておくべきでしょう。
労働基準法の出向期間
出向期間については、労働基準法など、法的な定めはありません。
また、当初予定されていた出向期間から延長や短縮が起こったとしても企業戦略の一環とされ、違法となるわけではないのです。
ただし、業務上必要であり、不当な目的がないことを認められる必要があります。
出向期間は何年まで延長することはできるの?
出向期間の延長は拒否できる?
労働基準法などの法律による制限がない以上、出向期間が延長されたり短縮されたりしたからと言って違法と判断することはできません。ただし、当事者である出向社員が納得できないのであれば労働基準監督署に相談することはできます。
もちろん直接労働基準監督署が会社に働きかけることはできませんが、社員に会社と交渉することや、訴訟を起こすことなどの選択肢を提示してくれるでしょう。
海外の出向の最大延長期間
そもそも出向の延長期間に法的な制限はなく、出向先が海外であっても同様です。
ただし海外出向の場合、 国内での出向期間に比べて長くなる傾向にあります。加えて、生活・労働環境も国内とはかなり異なりますから出向社員には出向期間が長くなるほど大きな負担をかけることになるでしょう。
海外出向で生じる不利益などに配慮するよう、あらかじめ就業規則に記載しておくべきです。
大企業の小会社で昇進するにも出向者がほとんどで出世が出来ないです…
ご回答いただき、ありがとうございます。現在勤めている会社が某大企業の子会社で、上の社会は出向者がほとんどを占めており、上が詰まった状態です。
そのような場合だとやはり出世は難しいでしょうか?色々無知ですみませんが、ご回答いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
これから会社の業績がどうなるかによりますね。
出向が多いのは単に天下り先として使われているか、業績が悪いので本社がテコ入れしてるかのどちらかです。
後者の場合、…続きを見る
出向先に3年間在籍するメリット・デメリット
出向先から戻れないことはあるの?
出向後、当初説明されていた期間を経過したのに出向元会社に戻れないという悩みは多いでしょう。
出向期間の取り決めは出向元・出向先会社の間で行われますので、出向社員の意志で出向期間を短縮したり、期間を満了したらそのまま出向元の会社に戻ったりするということはできないのです。
最初に説明された期間から延長されても、出向期間の合計が5年ほどであれば一般的な範囲です。ただし、10年を超えるようであれば一度出向元の会社に確認してみるべきでしょう。
出向社員の給料や保険はどちらが負担?
普通、出向というと在籍出向を指しますから、出向社員の籍は出向元の会社に残ります。
したがって就業規則や労働条件も出向元会社に従うことになり、給料の支払いや社会保険の加入も出向元会社が行うことになるでしょう。
出向期間の期限なしは違法になる?
出向期間に制限はありませんので、初めから期限なしの出向を命じられたり、期間の延長が積み重なったりしても法的には問題ありません。ただし、業務における必要に欠くと判断されれば裁判になったときに権利の濫用と判断される可能性があります。
職種自体が大きく変わる場合も同様です。おかしいと感じたら、出向元会社や労働基準監督署に相談してみてもよいかもしれません。
在籍出向と転籍出向の違いとは
出向や転籍のメリット・デメリット
出向において、社員が享受できるメリットは視野が広がることです。
新たな職場で働くことでこれまでと違った空気を味わえるでしょうし、取引先や関連会社の仕事内容を知ることができます。出向のそもそもの目的はこうして社員に経験を積ませ、キャリアアップを図ることなのです。
一方で、仕事を最初から覚えなおさなくてはならないため、新しい生活環境、職場環境に慣れながら仕事もこなすのは大変な労力を伴うでしょう。
出向に選ばれる人はどんな人
出向は公務員、民間企業問わず行われるシステムですが、大抵その組織の優秀な人間が選ばれるでしょう。あまりにも能力のない人間を出向させてしまうと出向先からの印象も悪くなってしまいますし、最悪の場合、契約不履行ということで出向契約を解除される場合もあり得ます。
そもそも出向に選ばれる人自体、他の職場を経験して成長に役立てて欲しいと考えられている訳ですから、日ごろの仕事ぶりを評価され、将来に期待されていると考えてよいでしょう。
出向先でストレスを溜めない方法
出向先の会社によっては人間関係がよくなかったり、仕事内容が自分に向いていなかったりします。
また、出向元と出向先の会社が離れていれば引っ越しする必要がありますから、家庭環境によっては単身赴任にならざるを得なかったり、建てたばかりの家を手放さなければならなかったりするでしょう。
生活環境、労働環境が変わるということは大変なストレスですが、上手くストレスを発散させる自分なりの方法を確立させることが重要です。
人によって様々ですが、スポーツをする、趣味に熱中する、友人や信頼できる仕事仲間と話すなど、自分に合ったものを行うべきでしょう。アロマやヨガなど、リラクゼーション効果の高いものを新しい趣味として始めてみるのも良いかもしれません。
まとめ
今回は出向について解説しました。
出向期間や給料、メリット・デメリットなど、出向をさせる側もする側も知らなくてはならないことばかりです。是非参考にしてください。
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