
【女性の逆パワハラとは?】事例や対処方法や注意点などご紹介します
皆さん、「逆パワハラ」という言葉をご存知でしょうか?一般的にパワハラとは立場が上の上司が部下に行うハラスメント(嫌がらせ)を指しますが、逆パワハラとはその逆を意味します。つまり、部下から上司へ行うハラスメントのことです。今回は、近代、多くの女性が活躍する社会へと変化するなかで、女性の逆パワハラが増えている理由や対処法などについて、詳しくご紹介いたします。
女性の逆パワハラが増えている?
近年、パワハラやセクハラなどのハラスメントがニュースで取り上げられるなど社会問題になっています。
パワハラという言葉はよく耳にしますが逆パワハラという言葉をご存知ですか?さらにその中でも女性の逆パワハラが増えているようです。
ここでは逆パワハラ、特に女性の逆パワハラについてご説明いたします。
逆パワハラとは
通常のパワハラとは逆に、立場が弱い人が強い人へ嫌がらせをすることを逆パワハラと呼びます。部下から上司へ、アルバイトやパートから正社員へのハラスメントなどが代表例です。
「そんなことほんとにあるの?」と思う人もいるかもしれませんが多くの会社で起こっており、裁判になった例もあります。
その中でも特に女性の逆パワハラが増えているようです。一体どういうことなのでしょうか。
なぜ女性の逆パワハラが増えているのか
現代、女性の上司や女性議員など多くの女性が活躍する社会に変化しつつあります。
しかし、日本では女性の進出はまだ少ないのが現状です。
世界から日本を見た場合、男女平等指数を示す「ガラスの天井数」という指数のなかで28か国中27位という位置づけです。
どうしてこのような状況なのかは諸説あります。
一つは文化の問題、昔から日本では「亭主関白」という言葉や「男子厨房に入るべからず」など男と女の役割を分けて考える体質が染みついています。
日本人は保守的な性格のため、この文化がいまだに残っていると考えられます。
つまり「女性は家庭に入るべき」という偏見が女性に対する逆ハラスメントを生んでいると言えます。
女性の逆パワハラの事例について
では女性の逆パワハラには実際にどのような事例があるのでしょうか。
ここではその事例をご紹介いたします。
事例1
「入社20年、ベテラン女性社員のプロジェクトリーダーをあたかも不要な存在のように接した」
入社20年の女性社員Aさん。
彼女は会社にとっては有能な人材でした。
しかし若手社員の間は「おばさんのくせにいつまで会社にいるのか」という声もあがっていました。
あるプロジェクトのリーダーになったAさん。
3人の女性社員と1人の男性社員でチームとなりました。
Aさんが何か作業をしようとすると、「Aさんそんな雑用しないでください。指示してくれたらすべて対応しますから。」「担当の方はまだ20代だそうです。僕の方が気が合うかも・・・。打合せの電話僕がしてもいいですか?」
まるで「中年女は不必要だ。」と言われているような気持ちになり、やりきれない思いを抱えながらAさんは働いていました。
最終的にはすべての仕事を奪われ孤立していきました。
結果的にはAさんは体調不良で退職していまいました。
事例2
「挨拶はもちろん普段の業務指示さえも無視をする」
女性上司のBさん、毎朝みんなにあいさつしますが、まったく返事なし。
仕事の指示を出しても無視、仮に返事をしても「今は無理です」、「それ僕の仕事ですか」など指示を一切受けつけない。
これも逆パワハラのひとつです。
女性の逆パワハラが発生しやすい会社とは
上記のような女性の逆パワハラはいったいどんな会社で発生しやすいのでしょうか。
この後はそんな会社の特徴をご紹介します。
逆パワハラが発生しやすい会社の特徴について
・上司に対して部下の人数が多い
逆パワハラが発生しやすい会社の特徴として、上司1人に対して管理すべき部下が多い環境が挙げられます。
理由は部下の人数が多いと、一人が話した上司への不満に共感が集まりやすく、悪口や嫌がらせといった形で表面化しやすいためです。
・年功序列による評価制度
近年は実力主義の会社が増えてきています。
その中でスキルや能力に関係なく年齢だけで昇進しマネジメントする側になるケースでは、専門スキルをもつ部下が知識のない上司に不満を持つことも逆ハラスメントの発生原因と考えられます。
・勤続年数の長いベテランアルバイトが多い店舗
店舗などで正社員がアルバイトを管理するケースがあります。
しかしその場合経験豊富なアルバイトたちは経験や知識のない社員を軽視しやすい傾向があります。
その場合も逆パワハラが発生しやすいでしょう。
逆パワハラの対処法や注意点など
それでは逆パワハラを受けたときどのように対処すればいいのでしょうか。
実際に逆パワハラを受けて困っている方もいるかもしれません。
しかし、被害者個人で対処できるケースは少ないのが現状です。
ここでは対処方法とその注意点についてご説明します。
対処法
・会社へ相談及び報告
逆パワハラはパワハラの一種です。
つまり人権侵害や労働基準法違反などになる可能性があり、個人ではなく会社の労働問題として改善していく必要があります。
会社に相談室がある場合にはまず窓口で相談しましょう。
・労働基準監督署に相談する
会社への相談で会社が動いてくれない場合は労働基準監督署に相談しましょう。
労働基準監督署とは企業が労働基準法に違反していないか監督・指導する機関のことです。企業と労働者の間に入り、労働に関するさまざまな問題を解決するための手助けをしてくれます。
企業と労働者の間で問題がある場合はアドバイスをくれたり、悪質な場合は経営者に対して是正勧告をしたりします。
・記録を残す
労働基準監督署に相談する際は、証拠となるような記録を残しておくとよいでしょう。
証拠がなくてもアドバイスは受けられますが、是正勧告などとなった場合は証拠があったほうが話が早いためです。
できればボイスレコーダーなどでハラスメントの状況を録音できればよいですが、難しい場合はメモでも問題ありません。
たメモの場合には日付・相手の名前・場所・逆パワハラの内容を細かく記載しておくようにしましょう。
注意点
上司にとって自分よりも年齢も経験も少ない部下に苦しめられているという事実を認めることはプライドが邪魔してなかなか第三者に相談をしにくくなっています。
逆パワハラされているということは、見方によっては部下の管理ができていないことを示しており、上司として管理能力がないと判断されてしまうことを恐れてしまう方もいます。
しかし、どんなに優秀な上司でも苦手な分野はあります。
逆パワハラは加害者に問題があることがほとんどです。
逆パワハラをされても自分を責めたり、恥ずかしいこととは思わず一人で抱え込まないようにしましょう。
逆パワハラ回避に向けて上司と部下がすべきこととは
ここでは逆パワハラにどうすればならないのかということに焦点をあててお話いたします。
上司が取るべき対策
・逆パワハラが起こりにくい環境を作る
ご自身がどういった立場の方かにもよりますが、部下がいるということは係長クラス以上のかたでしょう。
そういった方は自分の上司にチーム内でのハラスメントはなくすべきであるというメッセージを発信してもらうようにしましょう。
また就業規則のような服務規律おいてハラスメントを行った者に対して厳正に処分するという方針などを定めるよう働きかけることも重要です。
・毅然とした態度をとる
部下から仕事に対して何か言われた時には、自信をもって答えるなど毅然とした態度をとりましょう。
強いものには逆らわないという心理が働き逆パワハラを防ぐことにつながります。
部下が気を付けるべきこと
・見て見ぬふりをしない
何かおかしいと思ったら相談しましょう。
違う部署の同僚などそこには関係ない人に相談をして客観的に考えてもらうことで自分がどういった状況にいるのか判断しましょう。
いじめと一緒で自分は知らないは通りません。場合によっては加害者になることがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
逆パワハラはもはや身近に起こりうる問題です。
自分が加害者・被害者にならないよう十分に注意していきましょう。
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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