
【なぜ離職率が高い?】塾業界に将来性はある?|年収事情などから推察
塾業界の離職率は年々高まってきています。それは年収の低さでしょうか?ホワイトな企業ではないからでしょうか?これは塾業界にとって今後の課題にもなってくるでしょう。しかし、塾業界は市場規模も大きくなっています。大手予備校の教師や社員の年収は1000万を超えるなどの事例もあります。今回は塾業界についての将来性や動向、年収事情など様々な情報をご紹介します。
なぜ離職率が高いのか
実際、なぜ塾業界は離職率が高いのでしょうか。
その考えられる理由を見てみましょう。
労働時間が長い
塾業界では他の分野と比べて出社時間は遅いものの、実際の労働時間は他の職種よりも長い傾向があります。これは、学習塾が夕方以降に開講されるため、その時間まで生徒を待たなければならないからです。
例えば、塾の終了時刻は通常21時頃ですが、その後にその日行ったテストの採点や事務作業を行うことがあります。結果として、日付が変わるくらいまで退勤できないということも珍しくありません。
さらに、夏期講習や冬季講習といった時期はさらに労働時間が長くなる傾向です。通常期は夕方からの授業ですが、この時期は午前中から夜まで授業があります。
定期テスト前の集中講座など、生徒のスケジュールに合わせて土日に特別な授業を計画する必要もあります。通常授業以上に授業準備に時間がかかり、会議などとかさなるとさらに労働時間が長くなるわけです。
このような理由から、長時間の労働が常態化し、多くの人が仕事の負担を感じて退職するケースが見られるのです。
ノルマを達成しなくてはいけない
塾講師として何よりも大切な仕事は、自分が担当するクラスの生徒の成績を上げ志望校に合格させることです。そのため、自分の担当クラスの生徒たちの成績をしっかりと見守り、成績アップに努める必要があります。
ただし、確実に成績が上がる方法というのは存在しません。講師自らが勉強し、授業内容を工夫することで、少しずつ自分の引き出しを増やせるでしょう。
また、塾業界では、大学生や院生のアルバイト講師に授業を任せることがあります。彼らは教育大学の学生や教職希望が多いですが、彼らの指導も塾講師の仕事です。
アルバイト講師が一定の品質で授業ができるよう、模擬授業を行ったり、授業研究を手伝ったりする必要もあるでしょう。
塾業界の魅力は、その学区の有名な進学校にどれだけの生徒を送り出せるかにかかっています。生徒の進学実績・第一志望に合格させるというノルマへの責任に耐えられずに、退職を考える人もいます。
保護者対応に迫られる
塾業界における顧客は誰でしょうか?多くの人は「生徒」と考えるかもしれませんが、塾に月謝という金銭を払っているのは生徒の保護者です。つまり、塾業界における本当の意味での顧客は保護者であり、塾講師は保護者を満足させる必要があります。
保護者は学費を支払っているという立場から、さまざまな要望をもっています。保護者の要望が生徒の現状や能力と合っていないケースはよくあることです。
「思ったよりも成績が上がっていない」「志望校の偏差値は下げたくない」などと要望が入れば、個別面談を組むなどして通常業務とは別に対応しなければなりません。
話し合いで解決できればいいですが、結果によってはクレームになることもあるでしょう。こういった負担が重荷になって、塾業界を去っていく人もいます。
塾業界の年収は高い?
塾業界は年収水準は低め
塾業界は、他の業界と年収を比較するとやや水準は低めです。
しかし、学生のアルバイトなどは時給制となっており平均で1500円ほどですので、他のアルバイトと比較すると高給です。
ただ、前述にもあったようにシフト以外の労働時間も強いられるため、時給は高いですが時間の拘束は多少あることは念頭に置いとくと良いでしょう。
塾業界の正社員の場合は大手塾か中小規模の塾かで変化します。
大手塾ですと、東進ハイスクールや河合塾、駿台など受験生なら一度は利用したことがあるであろう塾などが代表されます。
そんな大手塾の正社員の年収は平均で400万ほどです。
(塾によって異なります)
中小企業では300万ほどです。
また有名講師や人気講師になると年収1000万を超えることもあります。
今後の塾業界の将来性とは
塾業界は少子化で子どもの数が年々減少傾向にあります。
また英語やプログラミングなどの教育のニーズが高まってきているのも変化点として捉えとくことは重要だと言えるでしょう。現状でもプログラミンング教室などは盛んになってきており、町などでもプログラミング教室をちらほら見かけるようになりました。
今後もプログラミング教室は人気の出る科目と言えます。
また、近年学びの形も変化してきています。
それはスマートフォンやタブレット端末で気軽に授業が見られる、疑問に感じたことを調べることができる、アプリで学べる、などなど、様々な学習の機会が普及されています。
最早、生身の先生から指導を受けるという時代から個人で学ぶ、つまり独学という学び方に変化してきています。
そのため、塾業界は今後、スマートフォンなどに負けない質の高い授業を生徒たちに提供することが、今後求められてくることでしょう。
中学受験などは教わらないと難しい問題もありますので、その解答方法だったり考え方など、まだまだ受験をする生徒にとっては将来的にも、まだまだ需要はありそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は塾業界についてご紹介しました。
塾業界は構造的な問題を孕んでいます。
どうしても長時間労働になりますし、ノルマもきついです。
少子化で子ども自体が減っているので、進学率はどの塾もしのぎを削る思いでアピールしています。
これから市場自体が縮小していくので、塾講師1人あたりの優秀さは加速度的に求められ続けていくことでしょう。
そして、賃金の水準も有名講師以外はあまり高くありません。
そこに納得感がないので、離職につながっているのではないでしょうか。
塾業界自体がもう儲かる業界ではないのです。
その業界で高年収を狙おうと思えば、塾長になるか、もしくは人気講師になるという選択をしなくてはいけないのではないでしょうか?
塾長ともなると講師としても優秀でなくてはなりませんし、経営のセンスも問われます。
時間外労働も増え、ワークライフバランスは崩壊します。
なので、生き残れる人材が少ないのです。
若くして教育者を目指して入ってくる学生が多いものの、やはり民間企業で利益を出さなければならないのはサラリーマンとしての命題です。
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