歯科技工士からの転職先は？面接で話せる転職理由や自己PRについて詳しく解説

歯科技工士から別業界に転職する際の、職種の例について解説します。

医療事務

歯科技工士は歯科医師との連携をしながらの作業が不可欠な職業です。このことから、医療事務への転職は、歯科技工士のスキルを活かせる可能性があります。

医療事務は医療行為は行いませんが、患者のカルテから診察内容などを確認し、患者の自己負担額を計算するなど、医療分野に慣れておくと望ましい仕事といえます。ある程度の医療の知識があると、有利であると言えるでしょう

また、医師や看護師とのコミュニケーションが欠かせません。歯科技工士は国家資格であり、歯科技工士であることは、医療などの専門知識や経験があることの証明になります。

転職はしたいが、医療分野で働き続けたい人に医療事務はおすすめの転職先といえます。

CADオペレーター

CAD/CAMとは、コンピューターで図面やデザインを設計する職業です。歯科技工士の中には、キャリアアップのためにCAD/CAMの操作スキルを取している人も存在します。

CAD/CAMとは、コンピュータ上での図面設計技術です。歯科技工士の働く技工所や医療機関の中には、歯のデザイン・製造をCAD/CAMで行っているところが増えています。このことから、本来の歯科技工士としての技術のほか、CAD/CAMの操作を行って慣れている人、資格を取得している人が増えている現状があります。

CADオペレーターが活躍できる場は、医療業界以外にも多岐にわたります。建築・土木、自動車・産業機械、電気・電子系の業界など、CADを使えれば転職先の業界の幅は増えるでしょう。 

参照：
今注目！ 最新の歯科技術「CAD/CAM」とはどんな技術？ | コラム | 新東京歯科技工士学校
CADオペレーター - 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））

シルバーアクセサリー職人

歯科技工士は、歯の詰め物・被せ物として銀歯を作成します（現在は銀歯の素材として、一般的に「金銀パラジウム合金」が使用されており、銀だけでなく、金・銅・パラジウム・イリジウム・インジウムなどの、さまざまな金属が含まれています。）

歯科技工士の専門学校の中には、歯科技工士の技術を応用して、オープンキャンパスなどで「シルバーアクセサリー制作」の体験授業を行っているところも存在します。このことから、歯科技工士からシルバーアクセサリー職人を目指せる、と考える人もいるようです。

実際、シルバーアクセサリー職人になるために特別な資格は必要ありません。金属を造形することもある歯科技工士であれば、0からシルバーアクセサリー制作を学ぶよりも習得は早いと言えるのではないでしょうか。デザインのセンスがありアクセサリーが好きであれば、独立も可能な職業です。

参照：銀歯について(アマルガムと金銀パラジウム) | 学芸大歯科・歯医者≪井上歯科クリニック 学芸大学≫目黒区学芸大学予防歯科・小児歯科・歯科医院
【ご案内】オリジナルのシルバーアクセサリーを作りませんか？ | ニュース | 新東京歯科技工士学校

歯科技工士から転職を考える理由は、主に以下の3つです。

納期によっては残業が必要

歯科技工士の労働時間は、雇用関係にある技工所や医療機関の規定によって変わります。

2024年の「歯科技工士実態調査」によると、1週間の就労時間（残業込み）の平均は53.7時間でした（※通勤、休憩、食事などの時間を除く）。週5日勤務であると仮定すると、1日あたり10.7時間ほどが平均稼働時間であることになります。

稼働時間が増える理由の一つに、制作物の納期が挙げられます。制作物の発注内容や量、納期などによって、歯科技工士の仕事量は左右されます。特に、歯科技工所を開業・独立をしている人や、人員不足の就業先に勤めている場合、注文を納期に間に合わせるために長時間残業を行う必要がある可能性があります。

参照：
2024年歯科技工士実態調査　報告書
歯科技工士 - 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））

CAD/CAMに仕事が奪われるという懸念

CAD/CAMとは、コンピューターで図面やデザインを設計できる機械です。機械の導入により、患者は事前に歯の型採りをする必要が無くなるなど、治療時間やコストの削減ができるようになりました。

近年は3DプリンターやCAD/CAMなどの機械を導入する技工所や医療機関が増えています。歯科技工士の中で、CAD /CAMの操作に慣れていたり、CADの資格を取得していたりする人の市場価値が高まっている現状があるのです。

実際、歯科技工士の求人の中には、CAD/CAMの操作スキルを保有する人を優遇しているところも存在します。

このように、テクノロジーの進歩により歯科技工士の仕事が奪われるのでは、という懸念から転職を検討する人もいるのでしょう。

とはいえ、CAD/CAMでの仕上がりには限界があります。セラミックや銀歯などの材質に比べると強度が低く、劣化しやすいなどのデメリットもあり、正確さ・精密さは歯科技工士が作成する繊細な仕上がりと比較すると、劣る面もあります。

歯科技工士に将来性はあります。将来性に関する詳細は、以下の記事にくわしくまとまっています。

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▶︎歯科技工士の将来性｜今後なくなるって本当？現状から今後の需要まで解説！

歯科技工士が転職をする際のアピールポイントについて紹介します。

国家資格を取得した勤勉さ、粘り強さ

歯科技工士は国家資格です。受験資格取得までに、専門学校や大学などのカリキュラムの履修・卒業が必要であり、試験に合格する必要があります。時間や努力を必要とする国家資格の取得は、勉強に取り組む勤勉さや、粘り強く努力する人間であることのアピールにつながるでしょう。

医療業界で働く責任感や誠実さ

加えて、歯科技工士は医療領域の資格です。転職先が医療業界であればもちろんアピール材料になりますし、医療業界ではなくても身近な存在であり、興味を持たれる可能性が高い領域です。

医療領域の仕事は、人の人生を大きく左右します。面接では、医療分野に対して興味を抱いた経緯や、医師や患者と治療を進めていく中でのエピソードなどを盛り込みましょう。転職先の業界や職種とうまく絡めて回答できれば、仕事に対する責任感や誠実さをアピールでき、好印象につながるでしょう。