
結婚が退職理由の人は多い?正しい伝え方やおすすめの例文を解説
結婚を機に退職を考えているという方も多いのではないでしょうか。退職理由が結婚の場合「退職の意思を伝える正しいタイミングが分からない」「どのように伝えれば良いか分からない」と不安に思う方もいるでしょう。今回は結婚を理由に退職するときの伝え方や例文、転職時の履歴書の書き方、転職しやすい理由について紹介します。結婚をして仕事を辞めたい方や結婚を理由に退職後、転職を考えているという方はぜひ本記事を参考にしてください。
結婚を機に退職する人は多い?
結婚を機に、退職を考えている女性の割合は少ない傾向にあります。
実際に、厚生労働省が発表した令和2年雇用動向調査結果の概況によると、全ての退職理由から結婚を理由に退職する女性の割合は0.3%と低い結果でした。
その中でも25〜29歳の場合は、1.7%と全体的に高い数値です。
結婚を理由に退職する女性は徐々に減っており、前年度と比較すると、25〜29歳、30〜34歳の割合が0.2%ずつ低くなっています。
近年では、各企業で結婚後の女性でも働きやすい環境が整えられつつあることを理由に、結婚を機に退職をするという女性は少ないということが分かります。
退職理由が結婚の場合の正しい伝え方
結婚を理由に退職する女性は、徐々に少なくなっているのが現状ですが、転居を伴う結婚や授かり婚など、さまざまな理由から結婚を機に退職する女性は一定数います。
この章では、退職理由が結婚の場合の正しい伝え方について紹介します。
伝え方のポイントとしては、主に以下の3つが挙げられます。
- 結婚が決まった時点で報告する
- 一身上の都合は極力避ける
- 結婚による退職の決意が固いことを示す
退職理由が結婚の場合、一般的な退職とは異なる部分が少しあるため注意が必要です。
伝え方や一般的な退職との違いを事前に理解しておくことで、今まで勤めた職場を円満退職できるだけでなく転職にも役立ちます。
結婚が決まった時点で報告する
結婚を理由に退職を考えると、どのタイミングで報告するのが正しいのか悩む女性は多いでしょう。
結婚を機に退職する場合、伝えるタイミングとしては結婚が決まった時点で報告するのがおすすめです。
退職希望日の1〜3ヶ月前に報告とする会社が多いですが、結婚を退職理由にする場合はもう少し前に報告するのがベストです。
早めに報告をすることで、会社側が人材の補充などの準備や引継ぎをする余裕が生まれます。
一般的に、1ヶ月前に結婚が決まるなど急なケースは少ないため、遅くても3ヶ月前もしくは結婚が決まった時点で報告をするようにしましょう。
一身上の都合は極力避ける
自己都合で退職をする際に、「一身上の都合で退職」という書き方をする方も多いでしょう。
しかし、結婚が退職理由の場合は、一身上の都合という表現は避けることをおすすめします。
退職理由が「一身上の都合で退職」と記載すると、具体的な退職理由が分からないため今後の就職活動の際、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまいます。
履歴書に退職理由を記載する際は、「結婚に伴い退職」と素直に書くとポジティブに捉えてもらえることが多いです。
今後の就職活動の際に、良い印象を持ってもらうためには退職理由に「一身上の都合」という表現は極力避けることをおすすめします。
結婚による退職の決意が固いことを示す
退職の意思を伝える際には、ただ報告をするのではなく、結婚による退職の決意が固いことをしっかりと示しましょう。
強い決意を示すことで、会社側から説得されたり引き止められることもなく、スムーズに退職を進めることができます。
ただし強い意志といっても、円満に退職をするのが一番の目標です。そのため、意思を伝える際に反発を買うような言い方や、人員が抜けると困る繁忙期などは避けるようにしましょう。
退職を伝える方法として、退職願や退職届を事前に作成して提出するのもおすすめです。
退職願や退職届を提出すると、会社側が認めなかったとしても提出から2週間で法的に退職が成立します。
頑なに退職を認めてもらえなかった際には、退職の決意を示す方法として、退職願や退職届を提出する方法があることも知っておくと良いでしょう。
退職理由が結婚の場合におすすめの例文
報告をする際のポイントは、以下の通りです。
- 結婚報告
- 結婚式の時期(上司を招待したい場合)
- 退職の意思
- 退職時期や引継ぎ
退職理由が結婚の場合におすすめの例文を、相手が上司の場合や先輩、入籍だけなのか、引っ越しをするのかなど、パターンに分けて解説しますので確認していきましょう。
【上司(入籍のみ)の例文】
◯◯部長、お忙しいところお呼びして恐れ入ります。
私事で恐縮ですが、この度結婚することになりました。
誠に申し訳ないのですが、結婚を機に退職させていただきたいと思っています。
披露宴には◯◯部長もご出席をお願いしたいのですが、披露宴は親族のみで挙げる予定です。
詳しい退職日については、改めて相談させていただいたうえで決め、それまでは精一杯頑張るつもりです。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
【上司(引っ越しをする場合)】
お忙しい中、時間を割いていただきありがとうございます。
この度、ご縁があって結婚することになりました。
遠方に嫁ぐ関係上、今年いっぱいで退職を考えております。
ご迷惑をおかけしないよう、引継ぎをしっかりといたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
上司に退職を伝えるときは、基本的に直接会って報告するのがベストです。
突然呼び止めるのではなく、メールを利用したり事前にアポを取って、個別の時間を取ってもらうようにしましょう。
状況や理由によっては引き止められることも多いですが、上記でも紹介したように退職の決意をしっかりと伝えるようにすることが大事です。
【先輩などに報告】
この度、◯月に結婚することとなりました。
相手の転勤が決まっているので、◯月末をもって退職をすることになり、ついていくこととなりました。
先輩には入社当初から大変お世話になり、ありがとうございました。
引継ぎなどはしっかりと行い、みなさんにご迷惑をかけないように最後まで責任をもって仕事をいたしますので、何卒よろしくお願いいたします。
お世話になった先輩などに報告をする際には、できるだけ口頭で伝えるようにしましょう。
もし、退職日までに会えないときには、ビジネスマナーを守ってメールで挨拶を送ります。
結婚予定の場合は履歴書に記載すべき?
結婚予定がある段階で転職をする場合、結婚予定ということを履歴書に記載をするべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
基本的には、「結婚予定なら履歴書には記載しない」「入社後に伝えれば問題ない」の2点を認識しておきましょう。
結婚予定で転職を考えている方は、事前に理解しておくべき内容となりますので、ぜひ参考にしてみてください。
結婚予定なら履歴書には記載しない
結婚予定の段階である場合、まだ入籍をしていないので履歴書に記載する必要はありません。
入籍をしていない状態であっても、さまざまな理由で転職を考えている女性は少なくはありません。
例えば、結婚相手の仕事の都合で少し離れた場所に引っ越すことで通勤が難しくなる場合や、家事と両立するために残業の少ない職場が良いなど、さまざまです。
また、特に大きな理由が無くても、結婚を機に心機一転したいという女性もいます。
「結婚予定を履歴書に記載するべき?」と不安な方もいると思いますが、まだ入籍をしていない状態なので結婚予定を履歴書に記載する必要はありません。
結婚予定は入社後に伝えれば問題ない
結婚の予定は、入社後に伝えれば問題ありません。
もし、結婚予定を伝えた場合「結婚後に妊娠をし、入社してすぐに長期休暇を取るのでは?」と、選考に影響する可能性があります。
人事側は、採用した人材が入社後すぐに、長期休暇や退職してしまうリスクを避けたい傾向があります。
そのため、自分自身が不利にならないように、結婚予定をあえて伝える必要はありません。
結婚予定が分かっていたとしても履歴書には書かず、入社後に伝えるようにしましょう。
退職理由が結婚でも転職しやすい理由
ここでは、退職理由が結婚であっても、転職しやすい理由について紹介します。
結婚を理由に退職した場合、転職が不利になると考えている方も少なくないでしょう。
しかし、過去の転職市場と現在の市場では大きく異なるため、退職理由が結婚でも転職しやすい傾向にあります。
理由については、主に以下の3つが挙げられます。
- 企業は労働力を必要としているから
- 働き方の多様化が認識されているから
- 私生活も重要視している企業が多いから
企業は労働力を必要としているから
国内の労働力不足は深刻化しているため、退職理由が結婚であっても企業は労働力を必要としています。
総務省統計局が発表した「就業状態の動向」によると、2021年は平均6,860万人と、前年に比べ8万人もの労働力人口が減少していることがわかります。
労働力人口が、2年連続の減少という結果になっていることや、今後も少子高齢化は進んで行くことが予想されています。
また、IT業界やドローン業界、ネット広告業界など需要が伸びている業界も多いことから、さらに労働力が必要とされていくでしょう。
最近では、労働力不足を補うために外国人労働者の採用も活性化しており、働き手に合わせて労働環境を整備する企業も増えているため、結婚を理由に退職をした方でも転職できる可能性は高いです。
働き方の多様化が認識されているから
近年では正社員以外でも、パート、アルバイト、契約社員、派遣社員など働き方の多様化が認識されています。
つまり、勤務形態にかかわらず長期的に活躍してもらうことを目標にする企業が、増えてきているということです。
女性でも働きやすい環境を整える企業も増えてきているため、結婚を理由に退職をしたとしても転職で不利になる可能性は低い傾向にあります。
私生活も重要視している企業が多いから
近年では、仕事と結婚生活の両立をサポートしている企業が増えています。
そのため、「現職では残業が多く家庭に充てる時間が少ないから、ワークライフバランスが整っている企業に転職したい」という理由も、転職先の企業から納得を得やすいです。
結婚が理由の転職でも、上記のように転職理由と志望動機に一貫性を持たせられれば、退職がマイナスに働く可能性は少ないでしょう。
結婚による退職は前向きに!
今回は、結婚による退職について紹介しました。
結婚を機に転職を考える女性は、どのようなタイミングで会社に伝えるべきか、転職は不利にならないのかなど、不安に思うポイントは多いでしょう。
しかし、退職の意思を結婚が決まった時点で伝えることや、引継ぎをしっかりと行えば円満退社を目指すことができます。
また、現在の市場は転職しやすい傾向にあり、結婚はポジティブなイベントであると考えられるため、後ろ向きに捉える必要はありません。
結婚による退職についてさまざまな不安を抱えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。