
【マタハラになる言葉とは】定義はあるの?実態は?
マタハラは気がつかないところで行われている場合も少なくありません。しかし、マタハラに該当する言葉をいくつか知っておくだけで、分かりづらいマタハラに気がつくことができます。そこで今回はマタハラの定義や実態、マタハラと感じた際の対処法などご紹介していきますので是非参考にしてみてください。
マタハラに定義はあるのか?
日本の会社では、働いても働いても仕事が一向に減らず、残業が積み重なる長時間労働をする会社が多く存在しています。
特にこのような会社では、社員が妊娠や出産をしたとしても、措置を取ることが難しく社員一人が定時に帰ると人員不足になるところもあるそうです。
そのような劣悪な環境で問題となっているのが、マタニティハラスメント、略称「マタハラ」です。
では、どのような言葉によってマタハラは起きているのでしょうか。マタハラになる言葉を紹介する前に、はずはマタハラの定義について知りましょう。
不快と感じれば、それはマタハラです
まず、マタハラの意味を知るために、その言葉の意味を理解する必要があります。
マタニティとは英語で妊娠という意味で、ハラスメントは嫌がらせという意味です。
特に、ハラスメントという言葉には加害者が意図していてもしていなくても、被害者が嫌な気持ちになったらそれは嫌がらせということになります。
さらに、マタニティハラスメントの場合は、妊娠中だけでなく出産や育児といったことの嫌がらせまで意味が入ってくるのです。
実際、マタハラは男女雇用機会均等法9条に違反するとして、マタハラを行なった人は法律違反になります。
マタハラの実態
それでは、実際に日本ではどれくらいの人がマタハラの被害にあっているのでしょうか。
ここでは、実際のデータと照らし合わせながら、マタハラの実態について紹介をします。
4人に1人がマタハラ被害者
ここでは、連合非正規労働センターが行なっているマタニティハラスメントに関する意識調査のデータでは4人に1人がマタハラの被害にあっています。
実際のデータでは、25.6%の人がマタハラの被害にあったと回答しており、周囲でマタハラ被害にあった人がいると答えた人も23.2%という結果です。
日本の社会では、4人に1人の働く女性がマタハラにあっているという事実から、決して自分は関係ないということはいえないのです。
マタハラをされないためにも、さらには、マタハラを起こさないためにもマタハラになる言葉を理解しておきましょう。
上司に言われるだけがマタハラではない
上司や同僚から言われるだけがマタハラに該当するわけではありません。
場合によっては、後輩から言われることでもマタハラになり得ます。
自分は人に指示できる立場じゃないから、マタハラとは無縁だと考えているのは危険です。
上司に対するさりげない言動でも、場合によってはマタハラに該当することがあります。
妊娠をしている社員に対して、普段からの細かい気遣いが大切になってくるでしょう。
上司から言われるマタハラになる言葉
会社には上下関係があり、上司からの指示を受けることで仕事をこなしていくことができます。
しかし、場合によっては理不尽な要求をされることもあるでしょう。
もし、妊娠や出産を理由にそのような指示に従わなければいけない時は、マタハラに該当する可能性があります。
ここでは、上司から言われるマタハラになる言葉を紹介します。
ここでしっかりとマタハラの言葉を知ることで、職場でのマタハラに気づくことができるでしょう。
雇用形態に関する言葉
- 「妊娠したからって定時で上がれていいよね」
- 「病院に行くために休んでもらっちゃ困る」
妊娠や出産をすると、時間短縮勤務が可能になります。
しかし、長時間労働があたりまえの日本では、勤務時間に制限がかかっている社員はいらないと考えている上司もいるようです。
本来会社が決めているはずの雇用形態に対して、妊娠や出産、育児を理由に嫌がらせをする言葉はマタハラに該当します。
長時間労働や残業を強制する言葉
- 「子供がいるからって定時で上がってもらったら仕事が溜まる一方だ」
- 「子供のために早く帰るんだったら、ちゃんと仕事終わらせてからじゃないと困る」
これらの言葉は、妊娠、出産、育児をしていて休んだり、定時で退社ができるにも関わらず長時間労働や残業を強要しています。
特にやらないといけない仕事が溜まっていることを、被害者が一番自覚していることもあります。
仕事が溜まっているから終わらせるまで帰れないというのではなく、周りの社員にもマタハラの問題を周知して協力してもらう環境作りが大切です。
誤った価値観を押し付ける言葉
- 「子供のことを第一優先で考えて退職するべきだろう」
- 「妊娠したからって甘えられると思ったら大間違いだ」
これらの言葉は、妊娠、出産、育児に関して、誤った価値観を押し付けています。
価値観を押し付けるだけでなく、最終的には仕事の強要や退職といった目的があるのも特徴です。
同僚から言われるマタハラになる言葉
マタハラは、上司から言われる言葉だけでなく、同僚から言われて不快に感じる言葉も該当します。
特に親しい同僚の場合は、マタハラに当たる言葉を言われていても気がつかないということがあるので、注意が必要です。
妊娠による制度を利用する事に対する言葉
- 体を使って働く職場で同僚から「あなただけ座って楽な仕事するのはずるい」と言われて仲間はずれにされた
- 会社の制度を利用して短時間勤務をしているにも関わらず「あなたの分まで仕事が残るから最近は帰れない」と言われた
これらの言葉は、妊娠や出産をしたことで制度を利用しているにも関わらず、同僚から言われて不利な状況に陥る言葉です。
制度を利用することが、あたかも悪いことのように言われたときは注意をしましょう。
妊娠によるいじめや仲間外れ
妊娠や出産を理由にして、「楽をして働いている」「不公正」といった言葉を使って同僚から、いじめや仲間外れにされることはマタハラに該当します。
特に会社の中で一番繋がりがある同僚からのいじめは、精神的にもかなりのダメージを受けるでしょう。
繊細な妊娠中の時期は、ほんの些細なストレスが胎児に影響を与えるので、できるだけ早く措置をとる必要があります。
マタハラと感じる言葉を受けたら
マタハラと感じる言葉を受けた場合は、我慢をして働く必要はありません。
- 社内の相談窓口を利用する
- 労働局に相談する
という2つの方法があるので、まずは悩まずに相談しましょう。
社内の相談窓口を利用する
会社では、マタハラに対する措置を行う窓口の設置が義務付けられています。
さらに、相談後に被害者が社内で不当な扱いを受けないように、対策をとることまで義務付けられているのです。
少しでもマタハラかなと感じた場合は、一人で悩まずに相談をすることが大切です。
労働局に相談する
また、社内での相談が難しい場合は労働局に相談するという方法がありますのでご安心ください。
労働局は、社員と会社間で起こるトラブルに関する相談を受け付けています。
労働局への相談は無料ですし、相談者の相談内容や個人情報を了承なしで会社に伝えるということもありませんので、安心して相談ができます。
まとめ
マタハラは気がつかないところで行われている場合も少なくありません。
しかし、マタハラに該当する言葉をいくつか知っておくだけで、分かりづらいマタハラに気がつくことができます。
マタハラを悪化させないためにも、早期に発見をして相談をすることがなによりも大切です。
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