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国税専門官 研修

国税専門官になるための研修内容を徹底解説

国税専門官は、正しく納税されているかを調査し、不正を正すことを仕事とします。一方で税金を滞納している人の相談に応じたり、アドバイスをすることも仕事の1つです。どのような試験や研修を経て国税専門官になれるのかをご紹介しましょう。

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国税専門官になるには

国税専門官になるためには、人事院が実施する国税専門官採用試験に合格しなければなりません。

試験を通過すると各国税局への採用が決定し、研修を受けて実務経験を積むことになります。

さらに、その後専科研修を受けて国税専門官に任命されるという長い道のりを巡るのです。

大きく「試験」と「研修」の2つに分けてご説明します。
 

国税専門官採用試験

国税専門官採用試験は「年齢制限があるものの、学歴に関係なく受験できる」ということになっています。

しかし試験は憲法、民法、経済学、会計学、社会学といった専門知識が問われ、大卒程度の学力が想定されているのです。

よって実際には大学で法学、経済学、政治学などを専攻し専門知識を身につけた人が多くいるという状況です。

国税専門官採用試験は1次試験と2次試験に分かれており、1次試験通過者のみ2次試験に進むことができます。

1次試験では教養、専門試験、2次試験では人物試験、身体検査が行われますが、例年ほかの公務員試験より倍率が低いため難易度が低いといわれています。

また国税庁は一定年齢層の人数が減少傾向にあるため、ここ4年で社会人経験者を採用するという動きがあり、これも難易度が低いと言われる理由でしょう。
 

研修

国税専門官採用試験を通過すると、各自治体の国税局に採用されます。

しかし、国税専門官として働けるようになるまでには研修と実務経験を積むことになるのです。

研修はそれぞれいくつかの分野に分かれて行われ、はじめは社会人としての良識と公務員としての自覚、税務職員としての基礎事項を身につける研修が行われます。

だんだんと専門的な内容になり、調査、徴収事務に関する知識、技術を習得していくのです。

さらに2021年度より「データ活用研修」を創設する予定があります。

納税者の利便性向上や徴収の効率化を目的としたICTやAIの導入に伴い、情報システムや統計スキルを課税の実務に反映できる人材教育をするためです。

このように今後時代の変化に伴って、研修内容や研修期間は変化していくことも考えられるでしょう。

※参考:財務省

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▶︎国税専門官になるためには?試験内容・配点・難易度を解説

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研修期間と具体的な内容

国税専門官になるためには、採用試験通過後にいくつかの研修と実務経験を積む必要があります。

研修内容によって、受講する時期や期間、講師陣も異なるのです。

時系列に専門官基礎研修、専攻税務研修、専科研修に分けてご説明しましょう。

なお以下でご説明する内容は新規採用者を対象とした時系列であることをご理解ください。
 

専門官基礎研修

国税専門官採用試験を通過して採用されると、まず専門官基礎研修を受講することになります。

この研修は採用試験を通過した人が一同に集められ、税務大学校和光校舎で約3ヶ月にわたって行われるのです。

一部の通学生を除いて基本的に全寮制であり、この研修を終えるころに配属(税務署、部門)が発表されます。

基本的にここで決定される担当部署は退職まで変わることはありません。

専門官基礎研修では社会人としての良識、公務員としての自覚を身につけるよ同時に、税法や簿記など税務の仕事をする上で基礎となる知識をしっかりと習得することができるでしょう。

研修内容は以下の通りです。
 

  • 税務科目(通則法、法人税、所得税、相続税、消費税等)
  • 実務講義
  • 簿記会計学
  • 班別会同


上記内容の講習を、大学教授や実務経験が豊富な国税庁の職員が担当します。
 

専攻税務研修

専攻税務研修は、専門官基礎研修を修了後、1年間の実務経験を経た人を対象とした研修です。

各地方研修所にて例年8月〜9月に2ヶ月間にわたって実施されます。

2020年の上記専門官基礎研修は、大人数で寮生活を送りながら研修を受ける慣習が新型コロナウィルスの影響によって研修自体がオンライン化された経験があります。

よって専攻税務研修においても今後オンライン化される可能性も考えられるでしょう。

専攻税務研修は調査、徴収事務に関する基本的知識と技能を習得することができます。

研修内容は以下の通りです。
 

  • 専攻税法
  • 実務講義
  • 簿記会計学


専攻税法研修では、実務経験が豊富な国税庁の職員から選任された人が教官として携わります。
 

専科研修

専科研修は専門官基礎研修修了後、3年間の実務経験を積んだ人を対象とした研修です。

研修期間は7ヶ月とやや長く、専門官基礎研修で使用した税務大学校和光校舎において行われます。

国税専門官を目指す人が一斉に集められるのは専門官基礎研修の時とこの専科研修の2回です。

税法や簿記会計学などの科目を14して研修が進められますが、専門官職としてふさわしい人間性を育むカリキュラムが盛り込まれていることが特徴と言えるでしょう。

研修の内容は以下のようになっています。
 

  • 講義および討議による専攻税法等の税法科目
  • 要件事実論、国際取引実務等の実務科目
  • 簿記会計学等の会計科目
  • 行政法、民法、会社法等の法律、経済科目等


ここでは大学教授や実務経験が豊富な国税庁内の職員が講師を担います。

※参考:人事・研修制度|国税庁

研修場所の紹介

国税専門官は上記の通り、3ステップに渡って研修が行われます。

最初の専門官基礎研修と最後の専科研修は、税務大学校和光校舎にて行われます。

税務大学校は国税庁の管轄する施設であり、国税専門官の育成のために1941年に作られました。

当時から多くの研修生が寮生活をする慣習があるため、食事や門限などの制限もかかってくるでしょう。

専攻税法研修は全国12ヶ所にある地方研修で行われています。

国税専門官採用試験で採用された後は公務員という扱いになるため、研修場所にいる8時半〜17時までの時間は給料が発生します。

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まとめ

国税専門官採用試験は大学程度の学力を備えている必要があるため、ほとんどが法学、経済学、政治学などの専門知識を身につけた人です。

国税専門官になるには、この試験を通過後、研修と実務を積まなければなりません。

研修は専門官基礎研修、専攻税法研修、専科研修の3段階にわたって行われ、全ての研修を受講して国税専門官として働くことができるのです。

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