
給料の未払いの対処法は?未払いの際に使える法律も紹介します
給料の未払いは特に大きなトラブルとして扱われるでしょう。給料の未払いがあったときの対処法やどのよなケースがあり得るのかについてもご紹介します。また対処法も紹介するのでもしものときのために覚えておくことをおすすめします。
給料が未払いになるときとはどんなケース?
せっかく仕事しているのに、報酬が支払われない企業が世の中にあるということは非常に残念な話です。今は賃金が支払われている貴方の企業が、明日そうならないとも限らないのです。
どのようなケースで給料が未払いになるのでしょうか。
ケース1.勤務先が倒産してしまった
勤務先の経営状況が思わしくなく、倒産してしまって賃金を請求する先がなくなってしまった場合です。
倒産直前の給与が未払いになっている場合や、経営が傾き始めて以来給与が振り込まれなく経営者から「給与の支払いを待ってほしい」といわれる、又は振り込まれるが契約の金額よりも少ないなど、様々なパターンがあります。
ケース2.バイト代が踏み倒された
アルバイトなどの場合、バイト代が少ないことをいいことに踏み倒されたというケースがあります。どこかに訴えるほどの金額ではないことが多く、被害者は泣き寝入りをすることが多いようです。
ケース3.退職後、給料が支払われなかった
正社員やアルバイトを辞めた後、最終月の給与や退職金が支払われないケースです。特に短期間で終わってしまったバイトや、急遽退職してしまった場合などに踏み倒された場合、すでに辞めてしまっているので、心情的にコンタクトを取りづらいといいます。
給料が未払いのときに味方になってくれる法律
労働の対価である給与を支払わないということに、違法性はあるのでしょうか。そして労働者の「給与をもらう権利」を保護してくれる法律はあるのでしょうか。
給料の未払いは「労働基準法」違反
使用者が労働者に対して「仕事の対価である給与をした支払わなければならない」という点は、労働基準法に定められています。そのため、給与の未払いは労働基準法違反となります。
労働基準法第24条に書いてあること
給与の支払いに対する規定である労働基準法24条の内容をご紹介します。
給与に関して基本的に「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と規定されています。同条2項においては「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」とされており、賃金の未払いは労働基準法第24条2項違反となります。
未払い給料の時効は2年まで
なお、未払いの給与が発生している場合、2年を期限に請求することができます。未払いが発生して2年を過ぎると、給与の請求権が失効しますので注意しましょう。
バイトでも未払いの給料を受け取れるの?
正社員ではないアルバイトという立場であっても、未払い給与を請求し受け取ることができます。労働基準法の「労働者」には、アルバイトをはじめ契約社員や派遣社員、正社員を含む、企業に対して労働力を提供している人が含まれます。
では、どのようにして未払い給与の請求を行うのでしょうか。
ステップ1.まずはバイト先に連絡する
まずはアルバイトをしている企業に連絡を取りましょう。総務部や経理課など、給与の取り扱いをしている部署が分かれば、直接問い合わせます。なお、わからない場合は、自分の上司にあたる「責任者」に給与が未払いであること、早く支払いをしてほしいことを伝えます。
手続き上のミスで給与の支払いが滞っている場合は、すぐに支払いしてもらえるはずです。
ステップ2.内容証明を送る
連絡してみたものの「支払いをしない」という返事が来たら、内容証明で「給与が未払いであること、早く支払いをしてほしいこと」を文書にしたため送付します。
郵便局が提供する内容証明郵便というシステムは、「どの様な内容の文書をいつ送り、何日に相手方に届き、受領されたかどうか」ということを郵便局が証明してくれるシステムです。
ステップ3.弁護士に相談する
それでも返事がない場合には、労働紛争を専門とする弁護士に相談します。自分の持っているタイムカードや振込口座の通帳など、自分が仕事をしていたという証拠をもって相談に行きましょう。
初回相談日無料や報酬出来高制の弁護士であれば、費用を安く抑えられる可能性があります。
給料の未払いはどこに相談すればいいの?
弁護士に相談するとお金がかかるし、なるべく避けて通りたいと思う人もいるでしょう。
「法律違反なんだから警察に言おう」と思った人もいるかもしれませんが、警察は給与の未払いに関して何もすることはできません。給与の未払いに関しては、相談できる機関が限られているのです。
「警察」はまず動いてくれない
警察は「刑事的な事件」に対応する機関で、「民事的な事件」に対応してくれることはありません。「民事不介入」という言葉を聞いたことはないでしょうか。警察は民事系の事件にかかわることができないのです。民亊事件とは離婚結婚や相続、貸したお金を返してもらえない、企業から解雇された、離婚での慰謝料などのことです。
自分でできる「労働基準監督署」への申告
労働基準法違反については、労働基準監督署に相談することもできます。しかしながら、未払い分の給与を取り返すという手続きを労働基準監督署が行ってくれるわけではありません。
企業に対し監査を行い「労働基準法に違反している部分を是正しなさい」と注意を行うだけです。
労働基準監督署に相談したうえで、未払い給与の請求については手続きを自分で行わなくてはなりません。
弁護士へ相談すれば成功率アップ
弁護士へ相談すると証拠集めや手続きなど、未払いの給与の支払いに関する業務をすべて引き受けてくれます。
足りないものや必要なものがあれば「○○を持ってきてください」といわれるでしょうし、それがなければ補完できるような証拠を探してくれます。
弁護士からの請求を断ると裁判になる可能性もあります。企業に対する圧力が強まるため、成功率は個人的に行うよりもアップします。
給料未払いの証拠がない!どうすればいい?
給与未払いの請求を行う際は、証拠集めをしなければなりません。証拠がなくては企業側にしらばっくれるチャンスをみすみす与えてやるようなものです。
では、明確な証拠が手元にない場合、どのように証拠集めをしたらよいのでしょうか。
給料未払いの証明は証拠が大事
未払い月にどれだけ働いていくらの給与が入る予定だったのか、本当に支払われていないのかを確認するため、振込口座の通帳や、シフト表、タイムカード、業務契約書などが必要です。
企業側にそもそもタイムカードシステムがないという場合、自分のスケジュール帳に勤務した時間を記載したもので代用できます。
証拠がないときは会社に提出請求する
もしこれらの証拠がない場合、これらの証拠は個人情報ですから、当人が企業側に開示請求することができます。
本来個人から請求があれば開示しないといけないのですが、何が何でも開示しないという企業もあります。
「証拠保全」という手続きもある
証拠がなければ裁判をしても負けてしまいます。企業側に証拠があるはずなのに開示してくれない場合、裁判所に申立書を提出して「証拠保全手続き」を行うことができます。
勿論強制力はないのですが、企業側が証拠を破棄した事実があると、裁判での心証が良くなく企業側に不利になります。
給料の未払い まとめ
企業経営を行う上で、社員やアルバイトの給与を支払うということは重要な使命です。しかしながら「仕事をしてほしいが給与を支払いたくない、できたら踏み倒したい」という悪徳経営者も少なからず存在します。
そのような企業で仕事をしないのが最も良いのですが、知らずに仕事をしてしまった場合、自分にどのようなことができるのか知識を蓄えておくと良いでしょう。
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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