
【有給休暇はいつから使えるの?】よくある申請理由などご紹介します
皆さん、「有給休暇」についてご存知でしょうか?有給休暇とは、正確には年次有給休暇と言い、一般的には有給と呼ばれ、定義としては一定期間勤務した労働者に付与される、賃金が減額されない休暇のことを指します。そして休みを取得した分の給料は支払われます。今回は、有給休暇取得の時期についてや申請によくある理由など、詳しくご紹介します。
有給休暇について
会社で働かれている皆さんは、有給休暇を取っていますか?
また、これから社会人になる学生の皆さんは、有給休暇をきちんと取れるか、そもそもいつから取れるのかなど有給休暇に関する疑問をいくつか抱えていませんか?
この記事では、有給休暇の基本を抑えた上で、どのように取ることができるのか、説明します。
有給休暇とは
そもそも有給休暇とは、正確には年次有給休暇と言い、一般的には有給と呼ばれます。
定義としては、一定期間勤務した労働者に付与される、賃金が減額されない休暇のことです。
すなわち、休んでもその日の分の給料は支払われます。
有給休暇の使用目的は様々ですが、心体を休めたり、何らかの用事を済ませたりするなど、生活面を充実させるために使われることが多いです。
また、会社としても労働者が有給を取得することでメリットがあります。
労働者が心身を健康な状態に保つことで、会社としての生産性向上や、労働災害の防止に繋がるためです。
有給休暇は申請しにくい
しかし、皆さんもご存知の通り、日本は先進諸国の中でも、有給の取得が少ない国として知られています。
近年は状況が改善してきたものの、2017年の調査では先進国30ヶ国のうち日本は有給消化率が最下位でした。
一方、フランスでは有給を使って3週間のバカンスに出かけたり、ドイツでは有給の取得のために働いていると言っても過言ではないようです。
このように日本と欧米諸国で有給の取得のしやすさや申請のしやすさに違いがある理由は以下の3点であると考えられます。
まず、実務的側面として、業務量が多いことです。
これは会社や役職により大きな差がありますが、他の国と比較してもやらなくてはならないことが多い傾向にあります。
そのため、有給を取って休んでいる場合ではないという状況に陥るのです。
次に、法的側面として、欧米諸国との労働法の違いが挙げられます。
例として日本とドイツの有給に関する法律を比較すると、日本の法律では有給取得は権利として、ドイツの法律ではそれは義務として書かれています。
よって、自然とドイツでは有給が取得しやすい一方で、日本では有給が取得しにくくなるのです。
最後に、社会的側面として、有給取得の習慣の有無があります。
欧米では社員全員が有給を取得することを前提としてプロジェクトの計画を立てたり、仕事の分配を行なっている一方で、日本では有給の取得が習慣化されていないため、どのように仕事をマネジメントすれば有給を取得させることができるのかというノウハウが欠如しているのです。
有給休暇の発生について
それでは、有給休暇は働き始めてからどのタイミングで発生するのでしょうか。
有給休暇はいつから発生するか
法律によって、入社から6ヶ月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤していれば、その労働者には10労働日の年次有給休暇を付与することが義務付けられています。
また、その後1年間継続勤務し、その期間の出勤率が8割以上であれば、11労働日の年次有給休暇を付与することが必要です。
以降も同様の条件を満たせば、下記のように年次有給休暇が発生します。
継続年数:付与日数
- 6ヶ月:10日
- 18ヶ月:11日
- 30ヶ月:12日
- 42ヶ月:14日
- 54ヶ月:16日
- 66ヶ月:18日
- 78ヶ月:20日
(以降は20日)
また、以上は一般の労働者に対して定められている有給休暇ですが、所定労働日数の少ないパートタイム労働者であっても所定労働日数に応じて年次有給休暇が与えられます。
雇用契約別の有給の発生について
さて、有給の付与の仕方は一般の労働者とパートやアルバイトで異なることを説明しました。
この章ではさらに詳しく、雇用契約別の有給の発生について、有期雇用に着目して紹介します。
有期雇用の場合はいつから?
先述した通り、労働基準法第39条第1項〜第3項にて、「使用者は、その雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、規定の日数の有給休暇を与えなければならない」とされています。
ここで、継続勤務とは、在籍期間のことを指し、勤務の実態に即して実質的に労働関係が継続しているかどうかによって判断されます。
すなわち、有期労働契約を反復して労働者を使用する場合、それぞれの労働契約期間の終期と始期の間に短期間の間隔を置いたとしても、継続勤務が中断されたとは見做すことができません。
すなわと、有期雇用の場合であっても雇用を開始した日から起算して6ヶ月経過した時点で有給休暇が発生します。
雇用形態が切り替わった場合はいつから?
また、雇用形態が切り替わった場合も、有期雇用の場合と同様に、勤務の実態に即して実質的に労働関係が継続しているかどうかによって判断されます。
このように、継続勤務の考え方に注意をする必要があるのは以下の場合です。
- 定年退職者を引き続き嘱託等で再雇用している場合
- 臨時工が契約更新により6ヶ月以上におよび、引き続き使用されている場合
- 在籍型の出向をした場合
- 休職後に復職した場合
- 臨時工、パート等を正社員に切り替えた場合
- 合併などで新会社に包括承継された場合
7カ月の有期雇用契約の場合はいつから?
さて、有期雇用契約の場合でも有給休暇が発生することはお分りいただけましたね。
しかし、ここで問題となるのが7ヶ月の有期雇用契約の場合に有給が発生するのかどうかという問題です。
上記の法律に基づけば、7ヶ月の有期雇用契約であれば6ヶ月の継続勤務で出勤率が8割以上であった場合、10日の有給が付与されることになります。
しかし1ヶ月の契約しか残っていない状態で10日の有給を付与しなくてはならないことに違和感を覚える方もいらっしゃるでしょう。
実はこれは最高裁判所で議論された問題でもあるのですが、そちらでも、7ヶ月の有期雇用契約であれば半年経過した時点で条件を満たしていれば有給を10日付与しなくてはならないと判断されました。
有給休暇の申請によくある理由
本来であれば、有給休暇の取得に理由は必要なく、「私用」で取得することは可能です。
しかし、会社によっては有給休暇を書面で申請しなくてはならなかったり、理解のない上司に取得理由を詮索されることもあるでしょう。
そこで最後に、有給休暇の申請によく用いられる理由をいくつか紹介します。
体調不良・通院
実際に、体調不良や通院のために有給を申請する人も多いでしょう。
土日ではなかなか予約が取れなかったり、待ち時間が長くなりますよね。
体調不良なら仕方ないと考える人が多いため、理解のない上司であっても取得を拒否することはできないでしょう。
役所などでの行政申請
また、役所などでの行政申請も有給の理由によく使用されます。
役所の受付時間は平日の夕方や土曜日の午前中までであることが多いため、仕事を休まなくてはならない場合も多いでしょう。
親・子供が関係する用事
さらに、遠方から親が来ている、であったり、子供の学校行事の参加など、親や子供が関係する行事であれば、上司も快く送り出してくれるでしょう。
近年では、男性の育児参加も推進されていますので、運動会や授業参観などでも有給休暇を活用してみるのも良いでしょう。
自治体などの用事
最後に、自治体やマンションなどの役員になっている場合が考えられます。
これらの役回りは誰でも発生する可能性のあることなので、有給休暇の取得理由として言いやすいのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
以上、有給休暇の基本と、いつからどのように取得することができるのか、詳しく説明しました。
有給休暇に疑問を抱いている方、ご自身の働き方に疑問を持っている方は解決したでしょうか。
もう一度働き方を見直してみるのも良いかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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約90%の質問に回答が寄せられています。
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