
観察力を自己PRでアピールする方法や例文を紹介
自己PRで観察力をアピールしたいと考えている就活生は多いのではないでしょうか。自己PRは就活の選考を大きく左右します。本記事では、観察力を自己PRでアピールする方法や例文を紹介します。観察力には「状況観察力」「人間観察力」「自己観察力」など大きく分けて3種類あります。自分の強みはどれに該当するのか、自己PRを書く前にしっかり明確にしておきましょう。
就活で観察力は自己PRで評価される?
観察力は、就活の自己PRで評価されます。空気を読む力や状況を見て判断する力があると判断されるためです。
一口に「観察力」といっても、実は3種類存在します。「自己観察力」「状況観察力」「人間観察力」です。それぞれどのような特徴があるのでしょうか、
自己観察力
観察対象は自分自身です。自身を注意深く見極め、現在自分がどのような状態にあるのかを、理解することに長けているでしょう。
自己観察力がある=セルフコントロールができる、ということです。ストレスの対処が上手く、自己管理能力も高いという評価につながります。
自己観察力が高い人はタスク管理もできるため、複数プロジェクトを安心して任せられるでしょう。
状況観察力
観察対象はその場の空気や状況です。自分が置かれている環境や状況が、どのような状況なのか、客観的に正しく判断できるのです。
状況観察力がある=臨機応変に対応できる人という印象を与えられるでしょう。
イレギュラーな事態でも、焦らず冷静に対処できるという印象を与えられるでしょう。
人間観察力
観察対象は自分以外の第3者です。他人の言動・表情・仕草などから、相手の心情を読み取ることに長けています。
相手の気持ちがわかるので、相手にあわせて柔軟に対応を変えられる、という器用な印象を与えられます。ただし、「完璧主義者」「他人の行動を細かくチェックする」というマイナスな印象も与えかねないので、表現に注意が必要です。
自己PRで観察力をアピールする際のポイント
- ・観察力で何ができるかを伝える
- ・根拠を明確にする
- ・仕事で具体的に活かせることを伝える
自己PRで観察力を伝える3つのポイントについて紹介します。
観察力があっても、その強みを仕事で活かせるようなアピールができなければいけません。
また、具体的なエピソードと併せて話をしなければ、説得力に欠けてしまいます。観察力を活かしどのように貢献できるかも入れ込むと、採用後のイメージをしやすいでしょう。
観察力で何ができるかを伝える
観察力には「自己観察力」「状況観察力」「人間観察力」3種類あります。
それぞれで強みが異なるため、自己PRでは具体的に伝えることが大切です。
何に対する観察力なのかを明示することで、採用担当者に伝えたい強みを違和感なく伝えられます。実務においてどのように強みが生かせるのかを明確にできると、なお良いでしょう。
根拠を明確にする
根拠を明確にするためには、具体性のあるエピソードを伝えることが重要です。強みを裏付ける具体的なエピソードを盛り込むことで、文章の説得力が増します。
エピソードは複数ではなく、1つに絞った方がはっきりと強みを伝えられます。具体的なエピソードや裏付けとなる根拠がない場合、本当に観察力があるのかどうかを、採用担当者に伝えるのは難しいでしょうあ。
仕事で具体的に活かせることを伝える
仕事で具体的に活かせることを伝えるのは、自己PRにおいて一番重要となる部分です。
単に観察力が高くても、仕事で活かせられなければ意味がありません。自分の強みから入社後に貢献できることを伝えられると、採用担当者は入社後の姿をイメージしやすくなるでしょう。
業界や業種に合わせて、具体的な活かし方を伝えることが大切です。
自己PRで観察力を書く注意点
- ・結論から書く
- ・観察力を用いた具体的なエピソードを書く
- ・抽象的な表現で書かない
自己PRで観察力を書く際の注意点として、3つを紹介します。
自己PRの強みは、上手く伝わらなければ意味がありません。「この人は観察力がある」という印象を与えるためには、以下の点に注意して自己PRする必要があります。
結論から書く
結論ファーストにすることで、どんな話か始まりだけで理解できます。その後に続く話が頭に入りやすくなるため、読み手や聞き手の負担を減らすことにも繋がるのです。
結論ファーストは、ビジネスシーンにおいてよく用いられる手法です。具体的なエピソードから、強みの話につなげていきましょう。
抽象的な表現で書かない
より説得力を持たせたい場合は、抽象的な表現は避けて、具体的に説明することが大切です。実績や数字を使って説明すると、具体性が高まります。
とはいえ、会社ではよい成績といわれる数字でも、自社以外の人に理解ができないような数字であれば、アピールしてもイメージができません。会社でしか通用しない指標の数字を説明する場合は、平均値なども紹介して、比較したうえでアピールするといいでしょう。
人間観察力は好まれない可能性もある
人間観察力をアピールしたい場合は、少し表現の仕方に注意をしましょう。
人間観察力が優れている、ということは、他人の行動や言動を細かくチェックする細かい人だと思われる可能性があります。他人に対して「完璧主義者」という印象は、あまりよいものではありません。
もし、上手く表現できないときは、能動的に行動できることをアピールできるほかの強みをアピールしたほうが無難かもしれません。
観察力の自己PR例文
観察力の種類ごとに、自己PRの例文を紹介します。
良い例だけでなく、悪い例も把握しておくことが大切です。
自己観察力の例文
自己観察力の自己PRは、以下の例文を参考にしてみましょう。
良い例文
以下の例文では、自己観察力および、能動的に行動ができる強みを上手に表現しています。また、努力の結果、成果が伴っていることもアピールでいています。「入社後も自発的に取り組んで、成果を出してくれそう」と採用担当者に思ってもらいやすいでしょう。
私の強みは、自己観察力があることです。
現状をしっかりと把握し、目標に向けてやるべきことを客観的に捉えられます。
私は大学生のときにWEBデザイナーとして活動していました。クライアント様から仕事を取るために、現状のスキルだけでは不十分だと判断し、お客さまを増やすために必要なスキルを明確にしました。必要なスキルを身につけるために、独学だけでなく、スキルのある人に教えを請い、ノウハウを身につけてから本格的な活動を始めました。
結果的に、そのスキルを活かし、クライアント様を増やすことができました。今では30件以上の案件を自分一人で管理しています。様々なクライアント様に関わる業務を通して、業務上のスキルやお客様のニーズについても理解が深まっています。
この自己観察力を活かし、顧客のニーズを満たせるようなWEBを制作していきたいと考えています。
悪い例文
言いたいことがまとまっておらず、何が強みなのか分かりづらいNG例文の紹介です。
私はしっかりと現状を理解し、状況に応じて柔軟に対応できます。
そのため、目標に向けてやるべきことを客観的に捉えられます。
現状のスキルと必要なスキルを比較し、必要なスキルを身につけられるよう努力します。
貴社では、観察力を活かし、売上を上げたいと考えております。
こちらの例文は結論ファーストの文章ではなく、何がいいないのか伝わりません。また、その裏付けとなる数字や実績もなく「本当に観察力があるの?」と思われてしまうかもしれません。
状況観察力の例文
状況観察力の自己PRは、以下の例文を参考にしてみましょう。
良い例文
会社では些細なミスが大きな損害につながります。そのため、幅広い視野を持つ状況観察力がある人は好印象です。
入社後にどう貢献できるのか採用担当者がイメージしやすい、具体的な例文を紹介します。
私の強みは、状況観察力があることです。常に周囲の状況を読み取り、的確な行動に移すことができます。
私は大学時代、サッカーチームのマネージャーを勤めていました。夏は炎天下での練習だったので、特に視野を広げて練習を見ていました。前線で試合をするメンバーはもちろん、ベンチメンバーの体調管理やモチベーションの上げ下げ、チーム内の人間関係など、毎日メモをとり管理していました。
ある日、練習試合中のとある部員の動きに違和感を覚え、何かあったのか話を聞きました。話から、膝に痛みがあることが分かりました。本人は問題ないと判断しましたが、私はすぐに病院に行くべきだと判断しました、
練習後に急いで病院に向かい、検査結果は重症ではありませんでしたが、このまま放置していたらサッカーを続けられない可能性があるケガであったとお医者様に言われました。
この結果は、私は1人1人のチームメンバーのことを観察し、マネジメントしていたからこそ気づけたファインプレーだと感じます。仕事においても、小さな違いもしっかり見つけ、貴社の事務員としてミスなく処理していきたいと考えております。
悪い例文
数字や実績を入れない以下のような自己PRでは、採用担当者はイメージしにくいでしょう。ぼんやりとした印象を与えてしまうかもしれません。
私の強みは、状況観察力があることです。
よく状況を観察し、その中でやるべきことを的確に判断することができます。
私は学生時代にアルバイトしていた飲食店で、観察力を磨き上げました。
貴社に入社した際は、観察力を活かし、貢献できればと考えております。
観察力が優れていることに対する根拠がないため、説得力に欠けています。実体験をもとに具体性を持たせると良いでしょう。
人間観察力の例文
人間観察力の自己PR例文は、以下の例文を参考にしてみましょう。
良い例文
人間観察力が優れている人は、他人の行動や言動を細かくチェックする「完璧主義者」と判断されてしまう場合もあります。
実体験をもとに、具体的にどのようにプラスに働く強みなのかを伝えましょう。たとえば、以下の例文のようなケースです。
私には「人間観察力」というと意味があり、この強みを仕事に活かせると自負しています。
私は大学時代、バスケットボールのサークルに入っていました。サークルでは、コロナ禍によって下がったメンバーの参加率が課題となっていました。
そこで私は、オンラインミーティングの開催や個別の連絡を定期的に行い、メンバーの様子を確認するようにしました。結果、サークルから離れそうなメンバーを引き留められ、参加率が上昇したとともに、メンバー同士の仲も深まりました。
貴社に入社した際は、人間観察力を活かして、グループワークをスムーズに行えるようにしたいと考えております。
この文章からは、候補者の人間観察力を俯瞰的に活かし、チームメンバーのマネジメント能力が高いことが伝わります。
悪い例文
人間観察力を上手くアピールできていない例文です。
私の強みは、人間観察力です。
私は学生時代にバドミントン部に所属しており、キャプテンを務めていました。
ある日、私が審判をしている際に、相手選手から私の審判に対して、苦言が入る場面がありました。
言い分を聞いた結果、相手チームのジャッジが自分のチームよりも厳しいというものでした。自分では無意識でしたが、相手選手の表情から謝罪をした方が穏便に済むと予測し、謝罪をしました。結果、相手チームとは和解することができました。
このように、私には相手の心を読み取る観察力があります。貴社での仕事においても、お客様が考えていることを読み取り、相手に合わせた対応をすることで、契約を勝ち取っていきたいと考えております。
選ぶエピソードが良くないパターンです。自分のミスから学んで成長する、というエピソード自体は悪くないのですが、謝罪した事実だけで終わってしまっています。
自分自身のミスをエピソードに入れる場合は、ミスから学んでどのように自身の成長に繋げたのかを盛り込むと、いい印象につなげることができるでしょう。
自己PRの観察力に関するよくある質問
- ・観察力の言い換えはある?
- ・観察力が長所にならないことはある?
- ・観察力と洞察力の違いは?
自己PRの観察力に関する、よくある質問を紹介します。
観察力という表現は多くの就活生が使うため、差別化を図りたい場合は言い換えることをおすすめします。
観察力の言い換えはある?
観察力は以下のように言い換えることができます。
- 自己管理能力がある
- 相手に合わせた対応ができる
- 気配りができる
- 自分で考えた上で行動できる
- まとめる能力がある
観察力ではなく他の言い換えを使うと、同じ内容でも差別化を図ることできます。自分に最適な表現で、強みを伝えると良いです。
観察力が長所にならないことはある?
観察力が高い人は、企業にとって重宝される人材といえます。
しかし、人間観察力の場合、表現の仕方によっては「積極性がない」「自分の意見がない」などマイナスな印象を与えてしまうことがあります。短所として見られないか不安な方は、アピールする強みを変えて臨んでみるといいでしょう。
観察力と洞察力の違いは?
「観察力」と「洞察力」は、混同されがちです。それぞれの正しい意味を理解していないと、マイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
観察力とは、物事の表面的な部分を注意深く見ることです。
一方で、洞察力は、物事の見えていない部分まで見抜くことを指します。洞察力を養うためには、観察力が必要になります。問題が起きたときに、なぜ事象が起こったのか?など、物事の本質を見抜く力があります。
これらの意味を履き違えていると、自己PRでマイナスな印象を与えてしまうため注意が必要です。
自己PRで観察力をアピールするときは根拠を明確にしよう
今回は、自己PRで観察力をアピールする方法や例文について紹介しました。観察力は大きく分けて、自己観察力、状況観察力、人間観察力の3種類があります。それぞれ特徴が異なるため、業種や業界に合わせて選ぶことが大切です。
ただし、表現の仕方や採用担当者の捉え方によっては、人間観察力がマイナスの印象になってしまうことがあります。ぜひ本記事を参考にして、具体的なエピソードを入れながら自己PRで観察力をアピールしてください。
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